望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

〔ウラ話〕ライトの下の、冷や汗のワケ

2010-10-20 22:12:02 | 舞台・ウラ話
(昨日からの続きです。 ???な方は、昨日の日記からお読み下さい)


さて、
お次は、私の語りの場面。

つつつっと前に出て、お辞儀をし、持っている紙をひらりと開いて、

ちょっとカッコをつけて、紙に目を落とす。



・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・





・・・・・・読、め、な、い・・・・・・





そう!


読めないんです!!


ライトが暗すぎて・・・





このシーンは、舞台中央で繰り広げられるお話が中心で、
私の語りは、いわば影の声。


だから暗いのは当たり前なんですが、
そんなこと、夢にも思わなかった!


だって、稽古場では、明るい所で稽古してたんだから。



万が一、紙が濡れたり破れたりした時のために、
着物にもう1枚、同じものを仕込んでおく、
という万全の態勢で臨んだつもりだったのに、


まさか・・・、


読めないという事態は考えなかった 



どうしよう・・・。



本当に体中から、ざぁーーっと汗が吹き出しました。



もちろん、文面は暗記していました。

でも、覚えていたはずの内容も、
びっくりした途端、出てこない!



とはいえ、中央では、

私の語りに合わせて動くことになっている2人が、
私の声を待っている・・・。

私が喋らない限り、動けない・・・。



お、おちつけ・・・、おちつくんだ。

その間も、汗はたらたらと流れてきます。





しばしの間があって、




紙にもう一度目を落とすと、

少し目が慣れてきたのか、
なんとなく、字が見えてきました。


あ、そうだ! 最初はこれだっ!


ぼんやりと見える字の、
冒頭を読んだ途端、
やっと我に返って、


ドキドキドキドキ、うるさいほど鳴っている、
自分の心臓の鼓動を聞きながら、

思い出しつつ、最後まで喋りきりました。



続けて、もう1回ある語りは、
最初から読まないと腹をくくって、

読んでいるそぶりだけで何とかこなし・・・。


語り終えた後は、
シャキっと座っていながらも、
もうヘナヘナと崩れ落ちる寸前の状態でございました。





そりゃぁ、出来は悪かった。

当たり前です。
テンポなんて目茶苦茶だったんだから。

ダメ出しの嵐だったことは言うに及ばず。
(ごめんなさいっ )



でも私には、それよりも、

「とりあえず終わったぁ」
という安ど感の方が、ずっとずっと強かったんです。



その後、

やはり、舞台全体のバランスが悪いということで、

本番からは、もう少し明るくなって、
読もうと思えば読めるようになりました。



がっ


もう読みませんよ!
そんな、オソロシイ。


カンペに頼っていいことはない。

身にしみてわかりました。

やっぱりカンニングは、自分のためにならないんです。


まだ勉強中のよい子のみんな、
暗記するものは、ちゃんと覚えようね~!!


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〔ウラ話〕 ライトの下で、冷や汗ぐっしょり

2010-10-20 00:37:45 | 舞台・ウラ話
 
しつこく書くようですが、今回の芝居の長さは20分でした。

たったの20分。
2時間の芝居の6分の1!

ならば、トラブルも6分の1になるか、といえば、
これはどこの世界でも同じですけど、
そう単純にはいかないんですよね。


でもその中でも・・・、

今回、私、

ひっさびさに大量の冷や汗を流しました  


ありがたかったのは、本番ではなく、
ゲネプロ(本番とまったく同じようにやる最終リハーサル)だった、
ということ。

でも、他の演出家の皆さんにはガッツリ見られ、
小夏さんにも、どれほど冷や汗をかかせたか。

今思い出すだけでも、体中が冷たくなります



あれは、ほんとにびっくりしたなぁ・・・。



なーんて、いつまでも勿体ぶらずに言いますと・・・。


今回、劇中劇のような形で、お話が挿入され、
それの語りを、少々、講談口調で私がやっておりました。

そういうシーンですから、
和紙に語りの文を墨で書いて、
それを読む形にしていたんですね。


普通、本を読んだり、紙の文字を読んだりするシーンのとき、
実際には読みません。
全部覚えて、白紙の紙を前にして読む演技をするんです

あれ、どうしてなんだろう?
私にも理由がわかりません。

字が書いてあることになっているんだから、
ちゃんと字を書いて、
それを読んだ方がリアルだと思うんですけどね。



でも、今回は、ちゃんと字を書きました。


ありがたいっ!!


立て板に水の勢いで喋るセリフは、
本当に怖いんです。
一瞬でも止まると、すべてのテンポが狂ってしまうから。

だから、手元にカンペがあるというのは、
どれほど気持ちが安らぐか(笑)



あ、でも、

もちろん覚えましたよ。


でもね~、
やっぱり、緊張感に欠けるんですよね~。

稽古で、紙をまったく見ないでやると、
つっかえちゃったり、テンポが狂ったり。


おいおい、これはまずいぞ!
万が一、本番中のトラブルで紙がダメになったらエライことだ、
と心配になり、

着物の下に着る長襦袢のそでに、
隠しポケットをつけて、



そこにサブの紙を入れておく、という、
徹底した危機管理までやっていました。


今回、4チームがそれぞれに、
狭い袖に小道具などを置いているため、
何があるかわからない、という危機感が常にあったんです。



そこまでして挑んだゲネプロ。


さあて、私の出番。

つつつっと前に出て、お辞儀をし、

持っている紙をひらりと開いて、


・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・



体中から、冷たい汗がドーーーッと吹き出してきました。



・・・と、けっこう長くなっちゃったので、
お久しぶり~の「つづく」でいきましょうか。

むふふふ。
今回はかなり、気になるところで切れたぜ  
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