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新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

ふと気がつく:そうか、普通は救急部か・・・・

2010-01-24 00:32:33 | Weblog

こんばんは。

 

朝になったら当直なのでこれを書いたら寝る予定です。

 

実は今日、昼は近くのラーメン屋に行ったのですがそこで消化器内科の同期3名と会いました。せっかくなので同じテーブルで食べて昨日の患者さんの話をしていたところ…あることを知りました。

 

ショックの患者さんは救急部が診るだろ

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なかのひと 

当たり前なのかもしれませんが…そうだよな…と思ってしまいました。

 

いつも普通にショックの患者さんでも「当科かかりつけ」で受けてしまった場合、自力でやっていましたけど…そうか普通は救急部か…。

 

先程コメントでも「救急」というお話がありましたが、消化器内科もショック状態ならまずは救急部がVitalを落ちつけてから消化器内科に…という連携だとか。

 

血液内科では…あまりそういう連携はないですけど…敗血症性ショックとかであれば僕らも慣れていますし…血液内科なので外傷以外はすべてある程度診れますので、各診療科との連携は取りますが心不全や急性腎不全でもやってしまっています

 

しかし、これはどうだろうか…というのも時々受けてしまっていたりします。

例えば…先日、当直していた後輩がとんでもないショック状態の患者さんを受け入れました。

あの時も(手伝ってくれと言われて)僕がAMLの患者さんを引き受けてそちらを安定させた(こっちも意識レベルが悪かった)後に、加勢に回ってUKカテーテル入れてCHDFを回せる体制にはいり、家族の同意を得たらすぐ挿管…という体制まで整えました。

…家族から「可能性が低いならこのまま看取る」という話になってしまいましたが、これはまさに救急部の症例ですよね。

 

僕が情報不足で夜中にひとりでバタバタしてしまった「悪性症候群」の患者さんも…。これは(統合失調症の薬の大量服薬とその後の内服中断という)情報があったら、救急部に受けてもらっていましたけど…さすがに。

情報はCMLで診ている患者さんが吐いて、脱水状態のようだ…という話のみ。

結局は挿管したりCVを入れたりしてからは救急部に受けてもらいましたしね…。

 

本当は救急部に頼んでもよいような患者さんを受け入れている数が多いような気がする。まぁ、今更やり方を変えるつもりもありませんし、うちの3次救急も診たらその分、当院の救急部は負荷が増えるし…やはり、現在の体制のままが良いのだろうな~。

 

 

そんなことに今更ですが…気がつきました。

 

明日は当直なので状況が落ち着いていたら、携帯で記事を更新します。

 

では、また。

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結果の保証:申し訳ないけど、むりです。

2010-01-23 16:28:01 | 医療

こんにちは

 

先程、帰ってきました。

 

昨日の急患さんは少しだけ持ち直していますが、まだまだ難しい状態です。

 

なぜか先週は敗血症性ショックの状態で入院してきた方が二人いまして…お一人はすぐ持ち直したのですが、今回の方は本当に厳しいです。

 

昨日、ご家族から

治療に関してはよくわかりました。それで治るのですか?

と言われ、

結果に関してまでは保証ができません。今の治療法でさしあたり状態は安定しておりますので、状態を悪化させている敗血症が抗菌薬などの治療で改善するかどうかです。」

 

家族としては「治る」と言ってほしいのでしょうけど、結果の保証までできないというのが現実です。

 

 

他にも先日20代の悪性リンパ腫の患者さんがいらっしゃって、やはりご家族から

「それで治るのですか?」

と言われて困りました。

 

先日も申しましたが、悪性リンパ腫に関してはわざと5年生存率に関してはあまり言わないようにしています。何故なら治療法が大きく変わるわけではないからです。

 

ですから

「100%治るとは申し上げられません。統計学的にこのくらいの可能性で治る…ということは申し上げられますが、治療方法が大きく変わるわけではありませんので・・まずは標準的な治療を行って、医師患者ともにベストを尽くす。その結果を待って、治ればそれでよし。万一のことがあればそこからまたよりよい方法を選択していく…ということではいけませんでしょうか。確率を申し上げれば…その確率に囚われてしまうと思うのです。だから、お互いベストを尽くして頑張りましょう。 

 逆に統計学的な可能性をはっきり言われなかったら気になるということでしたら、しっかり今お話します」

 

と申し上げました。 ご家族も本人も納得して「頑張る」という話になりました。

 

結果の保証、できるのであれば僕達も楽なのですけど・・・

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なかのひと 

さて、夜中まで忙しかったので・・・疲れがとれずにおります。明日も当直なのでしんどくなりそうです。

 

少し休んでから記事を更新します。と言って、そのまま眠りこけたりして・・・・。

 

それでは、また。

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急患:さすがにこれはつらい~

2010-01-23 01:39:01 | Weblog

こんばんは

 

今、帰ってきました。

 

今日は先程もコメントに書きましたが緊急入院の患者さんが来て、予定の行動が全く取れませんでした。

朝から二人の入院さんがいて、一人は白血病、一人は骨髄移植のドナーさん。こちらは予定通りでしたから淡々と行い、研修医の先生に「鎖骨下静脈穿刺はこ~やるんだよ」と、見せてあげたりしておりました。

 

その後、外来に行ったり患者さんの家族に説明をしたりいろいろやっておりました。

 

16時ころには…今日行われる予定であった教授の講演会に行くための準備を始めていましたが…救急車がくると連絡がありそちらの対応をしておりました。

 

この患者さんが予定外に重症で…敗血症性ショックで収縮期血圧が60台…。いや、まぁ正確には敗血症とはまだ分かっていませんが…肺炎があって、炎症反応なども高く…様々な条件からは敗血症によるショックだと思います。

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なかのひと 

で、2008年のガイドラインにのっとり加療を開始し、ようやく血圧が維持できるようになり、尿が出始めたところが9時ころ。その後呼吸状態が悪化して挿管したのが11時半。

 

あとは様々な調整を行って、今帰ってきました。

 

さすがに疲れたので、もう寝ます。

では、また。

 

 

P.S

あまりに疲れすぎて、今日書きたかったことを忘れました…(汗

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自分の決定が人に大きく影響を及ぼすことを決定することの難しさ

2010-01-22 00:14:30 | 医療

こんばんは

 

先程帰ってきました。今日は外来も少なめで、3時くらいに終わることができました。

 

一番大きいのは新患が久しぶりに0人だったことですね。

 

その他、病状が皆さん安定してきています。先週の土曜日には危機的状況となり、月曜日には家族を集めてシビアな話もしなくてはならなかった患者さんも、山を越えて油断をしなければ逃げ切れるというところまで来ました。

 

その後はカンファレンスがあり、先程終わって帰ってきたところです。

 

今日はこの記事を紹介します。

 

産科補償制度、初年の補償対象者は12人―診断医に迷いも

1月21日16時46分配信 医療介護CBニュース

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100121-00000002-cbn-soci  

昨年1月にスタートした産科医療補償制度の初年の補償認定者は12人だったことが、1月21日までに明らかになった。事務局は当初、補償認定後に行う重度脳性まひ発症の原因分析の開始を早ければ昨年9月と想定。それ以降4半期の補償認定者数を30人と見込んでいたが、これを下回った。同制度では、診断医が制度独自の診断基準を基に「身体障害者障害程度等級一級または二級に相当する脳性まひ」か否かを診断するものの、「再認定」は行わないことから、「診断医らに迷いがあるのではないか」と事務局の担当者は指摘している。  

 

同制度では、昨年9月に5人の重度脳性まひ児に対して初めて補償を認定。その後、11月に3人、12月は4人に認めた。  

同制度の補償認定を請求する際には、▽「肢体不自由の認定に係る小児の診療等を専門分野とする医師」▽日本小児神経学会が認定する小児神経科専門医―のいずれかの要件を満たす医師が作成する「専用診断書」が必要となる。 

 

同制度が補償対象としている重度脳性まひについては、標準補償約款の中で「身体障害者福祉法施行規則に定める身体障害者障害程度等級一級または二級に相当する脳性まひ」と規定している。一方で、身体障害認定基準が「すべての障害を対象」「再認定がある」「主として18歳以上の者の診断を想定、乳幼児に係る障害認定はおおむね3歳以降に行う」としているのに対し、同制度では「対象を脳性まひに特化」「補償対象と認定した場合、再認定は行わない」「1歳(重症時6か月)から5歳になるまでの間のできるだけ早い時期に診断」とする独自の診断基準に基づいて専用診断書を作成する。  

 

事務局の担当者は当初予想数を下回った理由について、同制度の診断基準が再認定を行わないとしていることに触れ、「判定は生涯にわたって、障害が残ると判断したということになる。もっとリハビリをすれば歩けるようになるかもしれないという気持ちにより、それをしないうちに補償の申請に踏み込むことに迷いが生じるのではないか」と指摘。問い合わせは相当数あるものの、「思い切るのは別次元の判断」と話している。

----------------------------------各診療科ごとにいろいろ難しいところがあると思います。

 

もっとリハビリをすれば歩けるようになるかもしれないという気持ちにより、それをしないうちに補償の申請に踏み込むことに迷いが生じるのではないかという気持ちはよくわかります。

 

これ以上無理だ…と思ってリハビリなどをしなかったら、お子さんの一生に影響します。

 

 

僕らは腫瘍を扱う診療科である以上「どこまでやるのがこの方にとってベストだろうか」ということも考えなくてはならないわけで…そういう判断に迷うことがあります。

 

今、Profが2004年に診断したMDS RAEB‐t(今ならAML)の患者さんが入院されています。外来輸血と内服薬だけで元気に過ごされていた患者ですが… 普通に考えると1年も持たないような病状の患者さんがこうやって元気に過ごされている。

 

僕の外来にも今日緊急入院してしまいましたが、1年半前発症のAML(骨髄中Blast80%、末梢血白血球数40000以上)の患者さんが外来で内服抗癌剤だけで今まで元気でした。

今日は爆発して40000超えていましたが…70歳半ばという年齢で点滴で抗癌剤を入れるよりは長生きできていると思っています。何よりも家でずっと元気に過ごされていたことが素晴らしいことだと思います

 

 

こんな感じで「個々の患者さんに合わせて治療戦略を立てることの難しさ」もあります。腫瘍関連ですから「撤退する勇気」も必要になります。上の二つは積極的な抗癌剤治療を行わずに良い結果を得ている患者さんですが、こういう判断も重要になってくるわけで…。

 

本当に各診療科で様々な難しいところがあると思います。

 

結果だけをみるといろいろ思う人もいるのでしょうけど、診断にせよ治療にせよ「自分の決定が人に大きく影響を及ぼす判断」を決定することの難しさがそれぞれあるのだと思います。ベストの判断というのがあるのかないのかわかりませんが・・・。

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なかのひと 

 

結果がうまくいかなかった患者さんがいれば…例えば移植関連死亡などおきたら…患者さんサイドは「移植なんてしなければよかった」と思うでしょう。医師もリスクの高い治療ですから「患者さんの適応を判断」してやるか否かを決めています。

医者として僕も・・・AMLで普通に治療をしていて(地固め療法MIT+AraCからA-TripleVまで)、地固め療法中に再発(2コース目の回復期にBlastが増加)してきたとき

「大量AraCだったらどうだったのだろうか?」

とか思ったりしました。実際には標準的に決められている方法でやっていくことは大事ですし、仮に大量AraCで治療をして感染症で死亡したら、何も言えなくなってしまいます。

ただ、結果だけ見たら「他の判断だったらどうだったのか」などというのは誰にでもいえることです。もし…というのはないので。

 

 

医者がそういう判断を繰り返しながら(特に僕らは外来で腫瘍などの治療をしていたりするので・・・時間がないのがつらいです)頑張っているのを・・・そのことを多くの方々に知ってほしいような気がします。

 

それでは、また。

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飲み忘れ注意:医師もきちんと説明しないといけないのでしょうけど…

2010-01-21 06:58:47 | 医療

おはようございます。

 

気が付いたら3時になっていました。日ごろの疲れもあると思いますが、抗アレルギー薬…僕は眠くなるのですよね。

 

さすがに更新するのはやめて、寝ました。

紹介したかった記事はこちらです。

タミフル、患者の2割が「飲み残し」

1月19日21時19分配信 医療介護CBニュース

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100119-00000007-cbn-soci  

健康日本21推進フォーラムが実施した調査によると、タミフルを処方された患者の約2割が、インフルエンザの症状が改善されたことなどを理由に自己判断で服薬を中止していた。タミフルの服用期間は5日間で、症状が緩和されても飲み続ける必要がある。  

調査は昨年12月19-22日、過去1年間にインフルエンザにかかったことがある20-60歳代の男女500人(男性250人、女性250人)を対象に、インターネット上で実施された。  

調査結果によると、「どのような薬を処方されたか」(複数回答)については、「タミフル」が61.6%で最も多く、これに「覚えていない」18.2%、「リレンザ」17.6%、「処方されなかった」3.6%、「その他」2.4%と続いた。 

「処方薬について説明を受けたか」(複数回答)については、「医師から受けた」が71.1%で、以下は「薬剤師から受けた」56.3%、「説明文書を受け取った」33.5%、「何の説明も受けなかった」4.3%など。説明の内容に関して、「薬の服用を継続する日数」の説明を受けたと回答したのは70.3%だった。  

また、「タミフルは5日間飲み続ける必要があることを知っているか」を聞いたところ、「知っていた」が70.5%、「知らなかった」が29.5%だった。 

5日分のタミフルを「飲みきった」割合は80.8%なのに対し、「飲み残した」人も19.2%いた。内訳は、「1-2日分飲み残した」が15.9%、「3-4日分飲み残した」が2.3%、「まったく飲まなかった」が1.0%だった。 飲み残しの理由については、「症状が改善されたから」が40件で最も多く、「副作用が出た、副作用が心配だったから」(6件)、「飲み忘れた、面倒になったから」(5件)などと続いた。  

健康日本21推進フォーラムの中原英臣理事(新渡戸文化学園短期大学長)は、今年3月までに1200万人分が処方され、2割に当たる240万人の患者が1日分を飲み残した場合、「約15億円の医療費の無駄(患者の自己負担額を含む)が出る」と指摘している。

--------------------------------

昨日(記載を変えましたw)、外来に来た方も飲み忘れが多く困った患者さんです。

多発性骨髄腫で「サリドマイド」が著効(Very good PR~CR)しているためやめられません。サリドマイドはさすがに忘れないのですが、ほかの薬の飲み忘れが多く、いつも残薬調整をしています

 

タミフルは先日、近医で処方された患者さんが「症状がなくなったので3日で飲むのをやめました」と言っていた方がいました。

 

あまり使うことのない薬は家に残薬として取っておいても、患者さんが二度使うことはめったにないと思います。何の薬かわからないと思いますので…。

 

第一、いつの薬かもわからないでしょうし。 こういう薬の量を減らすこと。まさに無駄を減らすことも重要だと思います。

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なかのひと 

豊かな国になったからなんでしょうか。このような無駄が増えてきているのは…。

 

それでは、また。

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ど~でもいい話:僕と小さな敵

2010-01-20 23:01:51 | ど~でもいい話

こんばんは

 

先程帰ってきました。

病棟はある程度落ち着いています。

今日(昨夜?)は夜中に緊急入院があり、それに関連して電話を受け…朝出勤後はそちらの患者さんの対応をしておりました。

 

それと同時に・・もちろん他の重症患者さんたちを主体に入院患者さんを診ておりました。

 

入院診療の合間に外来日ではありませんが、隠れ外来をやっております。説明が長引きそうな患者さんやサレド内服中の患者さんを主体にです。

 

そういう状況のため、病棟や外来を行ったり来たりして毎日を過ごしています。

 

今日は久しぶりにど~でもいい話をまず書きたいと思います。

 

僕は入試の季節が最も力を発揮できない人間です。北海道ではそんなことなかったと思いますが、本州に来て…大学に入ってからはひどくなっています。

 

それもこれも小さな敵の存在によるところが大きいです。

 

小さな敵=花粉…つまり花粉症なんですけど。

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なかのひと 

花粉症の季節になると抗アレルギー薬を飲み始めるので、ともかく眠いのです

 

眠気が強い時には「ハッカ油」などを使用したりします。天然用品ですがす~っとして気持ちがいいです

 

他には眠気覚ましにストレッチしたり、いろいろやります。

 

そんなことよりさっさと寝ろと言われそうですがw

 

では、次の記事に行きます。

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外来加算などに関して:「医療の需要」と「医療の供給」の不均衡改善のために…

2010-01-19 23:01:51 | 医療

こんばんは

 

今日は早めに帰ってきました。

今日はさすがに「虫の知らせ」はなかったので、7時くらいに病棟に到着し、患者さんを把握後に回診しておりました。

 

患者さん一人一人に話しかけていき、質問などに答えたり、「次の目標はここ」「今こういう治療をしているんですよ」・・というような話をして各患者さんの状態を把握します

話を聞いて行くのがメインですが、当然ながらVitalなどに変化が出ている人や、重症患者さんはいち早く診察をして…という感じです。

 

僕が研修医並みに早く来るのでプレッシャーになる人もいるかもしれませんが、採血など(うちの病院はまだ研修医が採血しています)で患者さんの状態把握が遅れるのだけは避けたいと思っています。

 

ですから、看護師さんが朝一番のVitalをパソコン上に入力してくれる7時過ぎを狙って病棟に登場し、診察や話をしに行くわけです。

 

そのおかげでたまたま早朝に起きた心肺停止の対応もできたこともありました。

 

…あのときはエレベーターのドアが開いて・・ナースステーションへ行き

「おはようございます」

と言ったら

「先生、CPA」

と叫ばれて白衣を着ずに走りましたね…。

 

 

それは置いておいて…。

現在も重症の心不全に加えてDICが燃え盛っている状態の患者さんがいて、その管理に非常に気を使っています。FFPを6単位(720cc)いれてもフィブリノゲンが下がっていく(100以下)。けど、EF25%という状況ではこれ以上入れようもなく、状況の改善まで粘るしかない。まぁ、それだけの全身管理はできるつもりですが…。

 

で、いろいろやっているうちに救急車で患者さんが運ばれてきました。90代の方で白血球は20万以上、慢性心不全に加えて肺炎もあるという状態です。

 

入院後は改善してきていて、入院時に出ていた心房細動も消失し…なんとか心不全のコントロールはつきそうですが、肺炎も併発しているので大変です。このおばあちゃんすごくいいおばあちゃんなので(誰であってもベストを尽くすのですが)、なんとしても改善させたいと思っています。

 

さて、そんなこんなをしていたのですが全体として落ち着いているので、今日はさっさと帰ってきました。

 

さて、今日はこちらの記事を紹介します。

再診料と外来管理加算、時間外対応なら配慮―足立政務官

1月19日19時31分配信 医療介護CBニュース

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100119-00000006-cbn-soci  

足立信也厚生労働政務官は1月19日の政務三役会議後の記者会見で、来年度の診療報酬改定について、電話対応や他の医療機関の紹介などの「かかりつけ機能」を診療時間外にも発揮し、地域医療を支えている医療機関と、診療時間外には対応しない「ビルクリニック」などでは、再診料と外来管理加算の合計額に「差があってしかるべきだ」との考えを示した。その上で、かかりつけ機能を有する場合には、「マイナスはあり得ない」と配慮する考えを強調した。  

 

足立政務官は会見で、診療時間外には対応しないいわゆる「ビルクリニック」などについては、再診料と外来管理加算の合計額を引き下げる可能性を示唆した。これに対し、時間外にも「かかりつけ機能」を発揮する医療機関に対しては、合計額が下がらないように配慮する考えを強調。両者の診療報酬に差を付けるための評価方法を検討する必要があるとの認識を示した。  

 

来年度の診療報酬の改定率は外来の0.31%に比べ、入院が3.03%で手厚くなっているが、足立政務官は、通常は入院して行う病理検査などを外来で行っているケースがあると指摘。「外来でも(評価を)充実させるべき部分がたくさんある」との見解を示した。

----------------------------------「ビルクリニック」などについては、再診料と外来管理加算の合計額を引き下げる可能性を示唆ということですが、減点では誰も開業しなくなるのではないだろうかと思ったりします。

 

それが目的で(病院に医師を集めるため)やっているのかもしれません。しかし、外部機関がなくなれば病院は再び疲弊していくと思います。

 

個人的にこの記事を読んだときに感じたことは、外来管理加算などを引き下げていけば・・当然クリニックの経営は成り立たなくなるな~ということと患者数がすべてになったら、質が下がるな~…ということです。

 

日本の1回あたりの診療費用は7000円(1990年)とも9000円とも言われますが、一回当たりの費用は大変安くなっています。その一方で受診回数は非常に多くなっており、年に14回以上。月1回以上の受診回数ということになります。

 

医療費が安いから軽症でも受診する。軽症で受診するからこそ重症になって死亡することも少ない。…そういう一面もあるのかもしれませんが、軽症患者の受診が多すぎるというのは事実だと思います。

 

ここからさらに引き下げていくとどうなるのか?

 

僕は本当は受診しなくてもよい程度の患者さん(普通の風邪で大学病院にかかるなど)がさらに受診していくような気がします。ここでいうところのビルクリニックは患者さんが増えると思いますが(安くなるなら)、どうしても数(患者さん)で勝負せざるを得なくなるでしょう。そうしなくては経営が成り立たなくなるでしょうし・・・ね。

 

数で勝負になれば・・質は当然下がっていくと思います。悲しいことですが…。

 

総医療費をある程度減らすために…というのであれば、僕は「軽症の患者さんが受診しすぎない程度に診療報酬をあげる」ことがまず必要で、そのことは相対的に医師・看護師などの医療従事者の仕事量を減らすことになり待遇改善にもつながると思っています。

 

そして目標/目標達成能力…この場合、「受診が必要な患者さんに必要な医療を提供できる」という目標を達成するために『「医師」「看護師」が質の高い医療を提供できるだけの時間的、物質的余裕(勉強する時間も含めて)』が少しずつできてくるのではないだろうかと思うのです。

 

まぁ、一つの考え方であって・・・絶対的考え方というのはないと思います

 

「時間的・量的限界」を感じている医療従事者の側からみると

軽症患者さんにとられる時間のために、重症患者さんがしっかり見れない

といいたいのですが。(一部の)患者さん側からは

軽症だったら医者は診ないというのか?

と言われそうですね。

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なかのひと 

現実に病棟で死にそうな人を当直中に治療をしていたときに受診希望の電話が患者さんから来ました。

二正面作戦は不可能だと思ったことと、本人が電話口で元気に話していることなどを含めて2次救急に行ってほしいとお伝えしたら

俺の体はどうでもいいって言うんだな

と、怒鳴りつけられたことがあります。

 

 

現実として「医療の需要」と「医療の提供・供給」が不均衡なわけですから…どちらかを下げるか増やすかしないと無理な話ですよね。

僕はそう思っています。

患者さんによい医療を提供するために!

 

 

それでは、また。

 

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虫の知らせ

2010-01-19 00:52:48 | 医療

こんばんは

 

今日・・というか昨日は虫の知らせのように5時に目が覚め・・・6時半に出勤しました。

 

患者さんの状況把握した後、緩和ケア中の患者さんが安定しているのを確認して各患者さんのもとを回診していきました。

 

この患者さんのご家族に待機してもらっていたので、少し話をして部屋を出て行った数分後

 

「先生、○○さんが・・・・」

 

と、看護師さんが走ってきて・・・・。

 

本当に虫の知らせか何かだったのか

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なかのひと 

 

その後も入院患者さんや外来患者さんの診療をしておりました。

 

ただ、最後にまた慌ただしいことになって・・・・

なんとか状況は落ち着きましたが日付が変わってしまいました。

 

一つ書きたい記事があったのですが、明日に備えて今日は寝ます。

 

それでは、おやすみなさい。

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自殺と事故死:死について考える

2010-01-17 23:23:29 | Weblog

こんばんは

 

連続投稿です。いつもの癖でYahooの国内トピックスなどを見ておりました。

次の二件の記事を読み、いろいろ考えましたので記事にしたいと思います。

 

9階から高1男子転落死=那覇

1月17日20時49分配信 時事通信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100117-00000073-jij-soci  

16日午後10時ごろ、那覇市壺川の市営住宅で「友人が転落した」と119番があった。救急隊員らが駆け付けたところ、2階のひさしに少年が倒れていた。病院に運ばれたが死亡が確認された。 

沖縄県警那覇署などによると、死亡したのは同じ市営住宅の別棟に住む県立高校1年の男子生徒(16)。友人2人と9階通路の手すりから身を乗り出すなどして遊んでいた際に、転落したとみられる。同署は転落経緯などの状況を詳しく調べている。 

----------------------------------

 京都駅近くのホテル 硫化水素自殺図る? 男性が重体

1月16日15時31分配信 産経新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100116-00000069-san-soci  

16日午後0時半ごろ、京都市下京区塩小路町の「アパヴィラホテル京都駅前」で、硫化水素自殺をほのめかす置き手紙を従業員が発見、110番通報した。七条署員や京都市消防局の救急隊員が出動。7階客室内の浴室で、この部屋に宿泊していたとみられる男性が倒れているのを発見した。男性は病院に運ばれたが、意識不明の重体。  

市消防局によると、浴室には硫化水素の発生を知らせる張り紙があったという。府警は男性が自殺を図ったとみて調べている。  

現場はJR京都駅に近いホテル。チェックアウトの時間を過ぎていたため混乱はなかったが、付近は一時騒然となった。

----------------------------------

よく言われることですが、自殺が増えています

 

僕は血液腫瘍を中心に診ておりますので、いろいろ死について考えます。もっとも、死についてよく考えていたのは小学校1年生のころからですが・・・。

 

今でこそ「死ぬまでに何をするか」ということが、僕の生き方、そして死にかたを決めると思っていますが、小学校時代はとても死ぬのが怖かったです。当たり前の話ですが・・・。

 

中学校時代は「死」をいろいろと美化していたような気もします。

 

ともかく「死」についてよく考えていました。そして死ぬまでに何かを成し遂げたいと思うようになり、今の自分がいます。

 

上の事故死した高校生に関して、まずご冥福をお祈りします。ただ、一言だけ。

命を粗末にするような遊びをするものではない。

命というのは粗末にしなくても、思いもよらないところで失うものだし…自分がいつまでも生きていられるというのは間違いです

 

同じことが自殺をはかった方にも当てはまると思います。

 

自殺に関しては確かに増えているのですが、人口が増えていますから自殺者数は普通に増えます。最近までは人口10万人当たりの自殺者数はだいたい20人前後でした。

ただ、平成10年を過ぎてから30を超え、もうすぐ40名(急性白血病は10万人当たり6名位)に達しようとしています。

 

自殺が少なかった年はいつかというと「昭和15年ころ~20年ころ」です。もちろん自決というのはあったのでしょうけど…。

 

どうしたら自殺とか「命を粗末にするような事故死」が減るのだろうか…そう思わざるを得ません。

 

生きる目的、強く何かを考えていたらそのようなことをしないのでしょうか。それともやはり「一生懸命」に生きざるを得ない状況であれば…戦時中や紛争地域のような場所であれば自殺をする人は減るのだろうか?

 

そんなことを考えたりしました。

 

本当にいろいろな理由で「死」を願う。それを選ぶ方がいると思います。医師でも「死」を選ばざるを得なかった方もいらっしゃいますし、先輩でも「死」を選ばれた方々もいます。

 

人は絶望したら死ぬのでしょうか。希望が見えなくなったら死ぬのでしょうか。

 

明日とかを考えずにその場その場をしのいでいく状況であれば、人は生き続けるのでしょうか?

 

様々なことが頭をよぎります。

どうすればよいのか。

 

宗教?宗教ではないと思います。キリスト教徒だから自殺しないか。そんなことはない。イスラム教徒も自殺まがいのことをしている。

 

僕は「死」を思うとき、今死んだらどういう葬式になるだろうか・・そう考えます。

「死」は事実でしかありませんが、その死がどういう影響を与えるのか。そして死んだときに初めて、その人物・・僕の生きてきた道が評価されると思っています。

 

坂本龍馬が33歳で死んだとしても、彼が行ったことは明治政府に引き継がれたと思いますし、高杉晋作もその生き様は素晴らしいと思います。生きて何を成し遂げたか。 何かを成し遂げようと思い、それに向かい努力すること。その達成途上であろうと、一生懸命に生きることは素晴らしいと思いますし、その信念で生きた人は周りの人に何かを残していると思います

 

一人一人がどう「生きる」のか。生き方と死に方。目的に向かって最大限努力をして、達成できなかったとしても「大きな夢を描けた」と満足できるのではないか。

 

そんなことまで考えてしまいます。

 

実際は僕には患者さんとともに、今は「いかに今を大事に生きるか。その時間を作っていくか」しかできることがあるわけではないのですが・・・。

 

このような記事を見るとどうしても考えさせられてしまいます。

 

先程、病棟に電話をしました。一人の方が戦いを終えようとしています。「肉体的な死」は…生きてきた以上必ず訪れるものです。しかし、可能であれば「精神的な死」ではなく、最後まで家族と共に…友人や仲間、多くの人たちと共に「安らかな時」を迎えてほしいと願うばかりです。

 

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なかのひと 

僕らには「時間を作る」ことしかできないのですから。

それでは、また。

 

P.S

書いていて、批判を受けてもおかしくない記事だな~と思いました。ただ、心からそう思っているのでどうしようもないです。

 

個人の問題だけではなく、さまざまな問題があるのだと思います。

環境や…様々な経験、いろいろあると思うのですが…

死んだほうが楽…ということもあるのかもしれませんが…

 

何かを成し遂げたい…と思うことがあれば、義務ではなくて「夢」を描くことで・・どうにかならないだろうか。そう思うばかりです。

 

人によっては僕は嫌なことを書いているのかもしれません。

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救急隊も大変だろうけど・・・(これはないだろ)

2010-01-17 17:21:38 | 医療

こんにちは

 

先程帰ってきました。現在、末期状態の患者さんが2人おりまして、そちらの対応に追われております。

 

通常の大学病院であれば「関連病院」があるのだと思いますが、当病院は関連病院がありません。さらに言うと周囲に血液疾患を見ていただける病院がないため、すべての患者さんが集中+看取りまで行うことになります。

 

最初(診断・積極的治療)から最後(緩和ケア)まで大学病院ですべてやっているのも珍しいのかもしれませんが・・・。

 

話を変えますが・・・3時過ぎに脳外科の当直(友人)が相談に来ました。

 

「血液疾患みたいなの?」

と聞くと…首を振って

「いや、救急隊…脳外科救急の緊急対応のために、脳外科当直のピッチ番号知っているんだけど…」

「で・・・?」

「こんな血液検査結果」

「頭の中は?」

「救急隊、時々受け入れ先がなかなか決まらないときこういうことするんだよね」

「は?」

「いや、『意識レベルが悪い(JCS2、E4V4M6くらいだそうです)患者で、脳出血なども疑えます。そちらに向かっていますので、受け入れお願いします』と言われたら断れないじゃない。来てみたら、全く脳外科領域を疑えない状況で…採血したら

「これか・・・・」

 

Hb5.0 、BUN99、Cr2.5 Glu300台、K5.8

 

「高浸透圧性…で説明がつきそうだけど…。うちの当直が今日は内分泌代謝内科だけど、消化器や腎内にも相談しないとね」

「だよな~。けど、さっき○○ちゃん(当科の当直)は急患対応していたから…。この患者さんを脳外科に回されても困るんだよな…」

 

と、頭をかきながら行ってしまいました。

 

救急隊がどういう判断で脳外科に直通したのかはわかりませんが、これは患者さんのためにはなっていないですね。

 

むしろ、このようなことをされて本当に脳外科が動かないといけない患者さんが来てしまったらどうするのだろうか?

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なかのひと 

同じタイミングで片方が脳外科疾患、片方がまったく異なる領域であった場合。そして脳外科の患者さんの受け入れ(同時には無理だから)ができなくなったらどうするのだろうか?

 

大きな問題だと思いました。

 

さて、夜中に呼ばれることも想定範囲内なので、少し本を読みながら呼び出しに備えたいと思います。

 

それでは、また。

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