銀座のうぐいすから

幸せに暮らす為には、何をどうしたら良い?を追求するのがここの目的です。それも具体的な事実を通じ下世話な言葉を使って表し、

おばさん(おとな)の鑑賞に堪える・・・・・『のだめカンタービレ』

2010-01-28 19:03:53 | Weblog
 話が緊迫した政治の問題から離れて申し訳ございませんが、今日は、のだめカンタービレを見てきたので、それについてお話をさせてくださいませ。

 私はそれが、テレビ放映をされた(2006年)ころは、まったく、テレビを見ていなかったし、もちろんのこと、漫画を読む世代でもないので、『のだめカンタービレ』といっても、ちんぷんかんぷんのヒトなのですが、最近、ヒットした映画として、話題になっているので、見てみたいなと思ったのです。
 このブログも12年前にはじめた(メルマガ時代)は、ニューヨークから帰りたてで、自分の話題が独自だという自信もあったのですが、日本在住(???)も、10年を超え(???)、話題が普通(???)の人になったからこそ、アンテナをぴんと張って、大勢のヒトが興味を持っていることには、自分も参加をしてみたいのです。


 特に音が美しいと聞いていて、音楽を映像つきで見ることには、反論がありながら、でも、見てみたいと感じたのです。特に、海外でも公開をする予定だと聞いたので、『恥ずかしい映像だと困るなあ』などと思ったりして・・・・・

 結論をいえば、「恥ずかしいところは無かった」となります。特に音楽の部分で、恥ずかしいところは無かったのが、助かりました。プログラムを見ると、チェコスロバキアで、撮影が始まってから、5日目に、今回の映画(ただし、前篇なので、筋としては途中でぷっつりと切れるのですが)の上のクライマックスを撮ったそうで

 主役の玉木宏という俳優さんの努力(常に、指揮の練習をして望んでいたそうです。その撮影に入る前に、ずいぶんと準備を重ねたそうです)に、負うところが多いのでしょうが、

 エキストラ(ホールを満員にしているチェコの人たち、ドラマ上はパリの人たちという設定)と、オーケストラにも大いに負っているでしょう。びっくりするほど皆さんが、集中していて、ドラマを盛り上げています。音楽ホールの隅々まで、・・・「私はエキストラだから、1000分の一だから、ちょっと手を抜いておきましょうかなあ」などという雰囲気が無いのです。

 演奏を実際に行っているのは、そこの場面では、チェコの、国立ブルノ・フィルハーモニー管弦楽団とか。ピアノ演奏に関して言えば、のだめが弾くトルコ行進曲だけは、らんらんだそうですが、それがプログラム上は、大きさ、ニミリぐらいの活字で印刷をされていますので、それは、私にとっては相変わらずの残念さですが、スター優先主義で、上野樹理があのピアノを弾いているのだと、感じる乙女たちの夢を奪ってはいけないのでしょうね。

 あ、ところで、べッキーは、意外なほど、暗い性格の役ででています。この性格がくらくみえるのは、主役ののだめが特別な、天然ボケ振りのお嬢さんなので、比較してそう見えるだけなのです。脇役をできるようになったべッキーというのにも、驚きました。偉いわね。タレントは自分のポジションを、変えていかなければいけないので、偉いことだと思います。褒めているヒトがいない模様なので、ここで、褒めて差し上げましょう。
 しかもベッキーは、ピアノはほとんど完璧に弾けるそうです。『おお』と驚きました。音は知りませんが、運指だけは、は替え玉ではないそうです。
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 そのベッキーさえ従えてしまう上野樹理=のだめは、格別にずっこけた天然振りがあり、秀才ではないという設定なのは、事前に知っていました。だから、役柄上、ファンがたくさんついているということも。

 が、問題は指揮者役の玉木君です。これがかっこよすぎて見えると、気恥ずかしいと思っていたのですが、気恥ずかしくなかったのですよ。ヨーロッパのきれいな中世風劇場内で、ヨーロッパ人のオーケストラを支配するイケメンという構図は、事前に想像すると、『さぞかし、お尻がこそばゆいであろう』と思っていましたが、それが、さしてそうでもなかったのです。67歳の私が見ても。十分にかっこいいのですが、それが、気恥ずかしいところまでは行っていなかったのが、すごいことです。

 それは原作内にあるのか、今度の脚本家、スタッフが加えたテーストなのかは知りませんが、含まれている音楽への理解度が、深いので、気恥ずかしさを招かないのだと感じます。楽曲への深い理解が、救いに成っていて、絵空事がリアリティを持つのです。

 また、クラシック音楽の世界では、ここに描かれているよりも、もっとどろどろした人間関係があると思いますが、(それは、美術の世界でも同じなのですが)、ぎりぎりのところで、上品にまとめてあります。しかも、奇麗事だけでは終わらせないで、その部分にも触れているのがよかったのです。音楽家とは、超がつくほどエッチなヒトが多いということとか、お互いに嫉妬しあって、悪口を言い合っている事実があると思いますが、そういうのを、上澄みにせよ、すこしだけ、加えているところが、面白さを、深めていると思いました。
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 そして、嬢英語、楽しそうにいろいろ話し合っていた私の後ろの席の二人のご夫人など、80歳なんですって。それでも、二回も見に来ているのです。非常に上品な二人で、「二回見たので、よくわかったわ」と言っておられました。

 確かにテンポは早いです。それに私もそうですが、そのお二人もテレビドラマも見ていないし、原作漫画も読んでいないそうですから、たくさん込められているギャグ(笑わせるポイント)には、ついていけないところもあったでしょう。二回見てよくわかったそうです。でも、80歳のレディに二回も劇場に足を運ばせるのですから、『この映画は、立派なものだ』と感じました。

 ところで、これが、海外公開されるといっても、主にアジアだそうです。日本語が全篇に使われていて(金髪の人間も日本語を話すことと成っている)、そういうところがヨーロッパ人がみたら、それこそ、こそばゆいだろうと思っていたら、絶妙の工夫で、それが、不自然に成らないような、しかけが入れてありました。

 これには驚きましたが、他にも人形の多用とか、アニメの混入とか、いろいろな工夫があって、なんとか、『こそばゆくならないで、音楽を楽しむ』という映画になっています。

 特に普通の音楽映画に見られがちな、ひとつの楽曲の細切れ度が少ないので、それゆえに、筋の進み方が犠牲になっていて、前・後編にわかれたそうですが、それは、お客として不満は持ちませんでした。映画『アマデウス』などでも、楽曲の細切れ度が強くて、いらいらしてしまいそうな、残念な感じがありましたが、今回は、一曲を、長めに演奏してありますので、そこに不満を抱かせないのも、よいことです。

 この原作漫画の出版やテレビドラマ化が、きっかけで、日本でクラシックブームが起きたことへの、責任を、スタッフさんたちは、果たしていると思いました。後編が楽しみと成りました。             2009年1月28日    雨宮 舜
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