銀座のうぐいすから

幸せに暮らす為には、何をどうしたら良い?を追求するのがここの目的です。それも具体的な事実を通じ下世話な言葉を使って表し、

竹澤恭子(violinist) のドレスが,すばらしかった。7日放映N饗アワー

2012-01-18 23:06:22 | Weblog
竹澤恭子の2012-1-7N饗アワーでの、衣装がすばらしい。

今、7日放映の交響アワー、を録画で見ています。シベリウスのヴァイオリン協奏曲で、ソリストは竹沢恭子さん。そのお衣装がすばらしい。デザインが目も覚めるように新しくも美しいです。その結果、竹沢さんを、その日のNHKホールの真実の主役へと持ち上げています。

失礼ながら本当のことを言うと、竹沢さんにこのドレスがなかったら、「とても、平凡な感じの女性です」と言うことで終わるだろう。体形も細からず、太からず、お顔も派手でもなく、かといって不細工というわけでもなく。

しかし、こういう衣装を注文する力量に、驚きました。彼女ご自身のアイデアが相当に詰まっているはず。まず、ヴィオリンが肌に当たる部分には、何も布が無い、片身を生かしたデザインですが、豊かな胸をさらに強調するように、細くて複雑なヒダを作る技術が、生かされています。そこは、たぶんですが、シルクシャンタンという布地を使っていらっしゃる。

それが、身をマトって、背中に流れ、さらに前身にも、返ってきて、切り替えという形でいったん隠れた後で、スカートの中の見返しという形で、半分見えて半分見えない形で、復活してきます。それは、やや太目の女性を一番美しく見せるギリシャ風衣装を、ヴァイオリニスが活動しやすいように、工夫を凝らしたものです。何事もそうですが、人を感動させるものは、大きなエネルギーがこもっているものです。ヴァイオリニストは、観客には見えていない、下半身を、しっかりと踏ん張り、そこで、上半身の激しくも優雅な動きを支えているのです。そのためには、腰が自由に動き、足も踏ん張るための、円周長が必要なのですが、それを入れたスカートを作ると、形が、とても、平凡になります。それを防ぐデザインです。

そして、最後に、着目をしたのが、その部分を支える、別の布地なのです。ヒダが入っている方の布地の色は、緑みがかかった黄色で、シャンタンというのは艶がある布地ですから黄金色に輝いて見えます。それで、全身を包んだら、やや下品になります。

しかし、その派手な布地を支えている方のいわゆる下地の部分に使われている布地がすばらしいのです。私は大学卒後働いたわけですが、結婚後病気になって、一応専業主婦となったわけです。その後、子供を育てながら、洋裁を習いました。それで、スーツも作り、それを、今でも来ています。銀座の画廊のオーナーがすばらしいと、40年後の今現在も言ってくださるのは、当時買えるウール地としては、最高の品質の布地(ダブルジョーゼット)の黒を使っているからです。

 今、誰にでも手に入る布地としては、ウールのダブルジョーゼットが、最高だと思っていますが、今、見ている番組内の竹沢さんの衣装に使ってある白い布地が、それか、どうかはわかりません。でも、近い種類のもので、ともかく、相当厚手だが、光らない(てからない)布地です。それと、蛍光色に近いほど、白くしてありません。生成りに近いシロ。

こちらの布こそ、もし、私がなんらかの主役になる日があれば、使いたいと思っていた生地なのです。私の場合、自分の縫製技術が、本日のお衣装みたいに、高くはありませんから上半身から下半身までストレートに体を包む、チャイナドレス風、もしくはギリシャ衣裳風のシンプルなワンピースにして、足は、自由に動けるように、左右、もしくは後ろにスリットを入れます。それほど、理想の布地なのです。しかも、ウールのダブルジョーゼットよりもさらに、厚い布地かもしれません。この私の言葉『これが、最高クラスの生地ではないかな』は、すべての、プロの洋裁技術者は、うなずいてくださるでしょう。

 ココシャネルが、一時期苦しい時期があって、生地業者から所望の生地を売ってもらえないので、安いジャージーを使い始めたというエピソードが有名ですが、彼女が大金持ちになって、手織りの、ツイード風のものを使い始める前は、この生地を最高のものと考えたはずで、売ってもらえなかったからこそ、代わりに、同じようなやわらかい線が出る、ジャージーを使い始めたのだと感じます。つまり、ダブルジョーゼットとは、日本の、ちりめんと同じ織り方の布地なのです。太い糸を使うと、厚手になるし、細い糸を、ダブルで使うと同じ厚さを、より柔らかい表現で出せます。

番組が終わった後で、司会者の西村さんと、黒崎さんは、竹沢さんの音楽を絶賛していました。そうでしょう。N饗アワー年頭に放送される番組として、選ばれたのですから、そういえるでしょう。が、私は、この文章を、始まってから、10分以内に書き始め、書き終わるのに、30分以上かかっていますので、音楽については上の空になってしまい、後で、音楽を主にもう一回聞きなおさないといけないと感じています。(笑)。

でも、日本の文化も円熟してきたなと、感じ入った、竹沢さんのドレスデザインでした。これは、著作権は、デザイナーにあるデザインでしょうが、竹沢さんの、希望や、アイデアも相当入っている共作だと感じます。

ともかく、鯨骨の芯を入れて、すそがパーっと丸く広がったクリノリンスタイル(ルイ王朝の王妃たちのもの)とか、または、シフォンなどの薄物を使った衣装、しかも、派手やかな色を使ったものが多く、凝ったものとしては、胸元に、絹糸、ビーズなどで、刺繍をしたものが多い、女性演奏家の衣装ですが、今日見たものは、世界最高級のドレスだったと考えます。

 私はテレビで、音楽に接するのは意外と嫌いな方です。オペラはいいのですが、器楽曲はテレビでは乗れないのです。だけど、本日は、テレビで、音楽を視聴することを、良いものだと思いました。美術系の人間としてですが。(笑)

作成: 川崎 千恵子 日時: 2012年1月15日 12:47     雨宮舜
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 春が来る (20年ぶりに生ま... | トップ | 苛性ソーダが原発内で、でき... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事