銀座のうぐいすから

幸せに暮らす為には、何をどうしたら良い?を追求するのがここの目的です。それも具体的な事実を通じ下世話な言葉を使って表し、

パリの、雨よ、雨よ・・・・・『のだめカンタービレの4』

2010-01-31 01:52:21 | Weblog
 今日の文章は結論を先に言ってしまいます。それは、この実写(ファンタジー)映画が結構パリに慣れている方の私でさえ、『おかしくない』と受け入れられたことなのです。

 いや、急に思い出したのですが、コンセルバトワールも、少しは私に関係があるのですよ。パリに研修に行くときに、そこの教授をしている方にお世話になったのです。私は音楽で研修に行ったわけではないから、彼女自身が受け入れ先なのではなくて、彼女のご主人が受け入れ先でした。
・・・・・(なお、ここで、挿入ですが、これから、文化庁の在外研修生を受験する方のために、しっかりと、内情を言えば、私は受け入れ先を二つ用意していました。かつ、実際にはもっとよいところ=第三の工房=を見つけて、そこで修行をしたのです。で、結論としてお薦めしたいのは、受け入れ先を複数用意しておくことです。事前の情報をしっかりつかむことが大切です。ただし、コンセルバトワールなどの国立大学へ、入学できるのなら受け入れ先は、ひとつでよいでしょう。ただね。フランスの国立大学は27歳前の人でないと受け入れないそうです。ですから、日本の大学を出たあとで、すぐ入学をしないと駄目なのです。で、文化庁の在外研修制度などの、大人になってからの留学制度を利用する場合は、国立大学は受け入れ先としては、使えないのです)・・・・・

 その彼女というのはもちろん日本人女性です。彼女とは、七つ年が違っていて、同級生ではないのですが、彼女が五歳の時から、彼女のお母さんが主催するコーラスを一緒にやっていたから、お願いをしました。だから、私にとって、コンセルバトワールで、上野樹理演じる『のだめ』の指導をする日本人女性というのは、その方に取材をして造形をしているのではないかと思うほどです。
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 のだめカンタービレをファンタジーだと思いながらも、決して嫌がらず、または、『これって荒唐無稽だわ』と思わないで見て行くことができたのは、・・・・・留学生活が、そんなに、順調に行かない・・・・・と言うことを、示しているエピソードがたくさん入っているからです。

 海外でくらすということ。それも、会社の駐在員として、日本人の部下とか、上司がいる形ではなくて、外人の中だけで仕事(または、勉強)をしようとすると、結構大変なのです。必ず、何かのトラブルには見舞われます。挫折というか、悩みに襲われることは絶対にあります。それが外部から来るものであれ、自分自身から出るものであれ、絶対に何かはあるのです。

 この映画を劇場ではじめてごらんになる方は、今回の前篇だけでは、何が何やらお分かりにならないかと感じますが、プログラムを読んだり、お正月の前哨戦みたいなドラマを見た結果、主人公『のだめ』には、落ち込む機会が多かったのが、私には、知らされ、それもまた、リアリティを強めました。

 ただし、褒めすぎると、これから、ごらんになる方は、『え、面白くなかったわ』とおっしゃる可能性もあります。それは、特に、舌ったらずのものの言い方を主役がする、(原作の漫画内で、そう規定をされているからなのでしょうが)ことなどが、引っかかるポイントだと感じますし、他にもいろいろあるでしょう。
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 この映画の中では、ホールでの演奏シーンが予告編などに、多用されていますが、実は最も印象的な場面は雨なのです。パリの雨です。ただし、どういうことに使われているかは伏せます。雨がどういう目的で使われているかを言ってしまうと、それこそ、ネタばれというものになりますので。

 ただし、「あなたの、知ったかぶりはいやだなあ」といわれることをおそれずに、言わせていただければ、その雨こそ、『ああ、これぞパリ』という雨なのです。日本の雨って粒が大きいのです。時には、一時間で100ミリを越すこともあり、ざ、ざ、ざーという感じで、その中を歩くとずぶぬれになります。

 でも、パリの雨は粒が細かい。よくドラマや映画で、雨が必要な時は晴れていても、雨を降らせて、画面に、登場人物の影が映っている場合があります。NHKの龍馬伝でさえ、そんな撮影がありました。龍馬が治水事業を行う場面です。
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 あ、ここで、またまた、スピンオフですが、その大河ドラマ2007年の『篤姫』のなかで、玉木宏は龍馬をやっていたそうですね。俳優の名前には、ちっとも気がつきませんでした。『いけめんの若手タレントを使っているわね』とは思いましたけれど。知らないということは恐ろしいことですね。その前に『氷壁』というドラマでもNHKが既に主役として使っていたそうですが、そのころは、私はテレビには興味が無かったのです。だから、玉木宏を認識したのは、今回の映画が初めてです。
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 で、もう一回パリの雨に戻りましょう。

 映画全般を見れば、そういう偽装がよく行われています。が、この映画では、実際にパリに雨が降った日に、撮影をしている模様です。カメラがそうとうな距離引いていても、他の人間が歩いているのが、見えない場合があり、『あ、本当に雨が降っているのだわ。しかもパリにしては、珍しくも、ひどい量となる雨が』と思ったことでした。

 真ん中にオベリスクの立っている広場を、登場人物が歩く場面があって、『あれ、これって、バスティーユ広場ではないかしら?』と思ったりして、懐かしかったです。プログラムを見ると、「ヴァンドーム広場で撮影した」とあるので、すぐ傍にあるバスティーユ広場に向かって、撮影隊一行は、流れて行ったのだろうと、私は考えます。

 私は1998年9月1日にパリに入ったのですが、7日に雨に降られて、ひどく驚きました。内陸にあり、東南に、太平洋がないパリには、雨は降らないだろうと事前に考えていたからです。他の方角を考えても、偏西風に乗ってくる大西洋の水蒸気は、スペインで落っこちちゃうはずですし、西北にはシベリアに当たる大陸も無いわけですから・・・・・

 でも、降るのです。ただ、長い時間でもないし、大量でもない。

 雨以外にもたくさん、懐かしさを思い起こさせる場面がありました。ただし、今日は長くなるので、ここで、切らせてくださいませ。・・・・・やわらかく細い絹糸のように降るパリの雨の特徴を、きちんと捕らえてあったこともまた、私がこの映画に映像美を感じたゆえんであります。決して、きんきらきんのロマネスク様式の音楽ホールだけに、美を感じたわけでもないのです。もちろん、それらのホールには、金で巻かれた彫刻が施されている柱があり、階段やら床には大理石が多用されており、夢見るようにきれいなのですが、それだけに感動したわけでもありません・・・・・なお、この項は続く予定です。
                       2010年1月31日   雨宮舜
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