雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

バロン

2016-04-01 00:05:57 | 面白い
王子はこの日、死神に生贄として捧げられる運命となっていました。
二人の召使いたちはそのことをとても悲しがっていました。

そこに一人の魔女が現れました。
魔女は死神の使いで、
召使いたちに王子がもうすぐ死神の手に渡ることを改めて告げました。
魔女が去った後、召使いたちは国王のところに行き、
王子の生贄を取りやめてもらえないかと嘆願します。

国王と女王が現れます。

女王は最愛の息子でもある王子が死神の生贄になることをとても悲しんでいます。
すると、そこにも死神の使いである魔女が現れました。
魔女は女王が王子を差し出す気持ちが変わらないように、女王に呪いの魔法をかけ、
彼女に改めて王子を生贄とするように命じます。

いっぽう、国王は、
王子の父ではなかったのですが、王子をとても愛していて、生贄をやめさせようとします。
しかし、そこにまたしても魔女が現れ、
国王にも女王と同じ生贄を差し出したくなる呪いの魔法をかけました。
魔法をかけられた国王は王子を死神の棲家のすぐ前の木に縛り付けます。

縛り付けられた王子の前に「シワーの神」が現れます。

シワーの神は磔にされている王子を憐れみ、
王子を不死身の身体へと変えてしまいました。

その後、そろそろ王子を生贄にしようと死神が現れます。
しかし王子が不死身の身体になっているのを見て、死神は自分の敗北を悟り、
王子にそんな自分を殺してくれと頼みます。
そして王子は望み通り死神を殺し、天国に送りました。

死神が天国に送られた姿を目にした死神の第一の子分であった「カレカ」は、
自分も死神と同じ様に殺して天国へ送ってほしい......と王子に頼みこみました。
しかし、王子はそれにまったく同意しません。
言うことを聞いてくれない王子に業を煮やしたカレカは、
巨大な鳥や動物に変身して王子に戦いを挑みましたが、
不死身の身体を持つ王子はこれらをことごとく打ち破ります。

負け続けたカレカは最後の力を振り絞り、
悪魔の女王である「ランダ」に変身します。

ランダは強力で、
さすがの王子も太刀打ちできないくらいでした。
王子は決心をして、真実の神であり最強の神である「聖獣バロン」に変身をします。

ランダとバロンの力は互角。

それを知ったバロンは沢山の味方を呼びます。

バロンは多くの味方たちと一緒にランダを倒そうとしますが、
ランダは魔法を使ってバロンの仲間たちを倒そうとします。
ランダの悪魔の魔法にかかったバロンの味方達は、
皆ランダに対する怒りや攻撃を自分自信に向けるようになってしまいます。
仲間達は自ら、自分の身体を痛めつけ、傷つけるようになってしまいました。

バロンはそんな味方の姿を見て、悪魔の魔法を取り除きます。
しかし、両者の戦いの力は拮抗し、
延々と勝敗のつかない戦いを繰り広げていきます。

そうして世界は、
ランダとバロンの終わりの無い戦いに永遠に巻込まれていくのです――――――――



―――――――赤道直下、インドネシアのバリ島に古来から伝わる舞踏儀礼
「バロン・ダンス」のおおまかなストーリー。
島には少し前に滞在していたのですが、その時に立ち寄った劇場でもらった
ステージガイド代わりの紙片に書かれていた物語の要約です。


世界とは、善と悪の終わりなき戦いのことである。
世界は、善悪の戦いで回っている。続いている。


物語は、そんな意味なのでしょうか。。


なんとも......複雑な気持になる、そんなストーリー。


多分、善悪という概念が人の中にある限り、
世界はきっと変わらないのだろう......この世はこの世であり続けるのだろう。
僕はそんなふうにも思いました。


見ていてとても辛かったのが、
バロンの味方が悪魔の女王ランダの魔法にかけられ、
自らの体を自分で痛めつけ、激しく刺し貫くというシーン。



悪、とは、自らを傷つけるような行為、
回り回ってそういうことになってしまうような言動......
そんなことを表現しているのでしょうか。
そんなことこそが「悪」なのだ......と、
他人への怒りや攻撃の心そのものが、自らを傷つける悪なのだ......と、
そんなことを言っているのでしょうか。
見ていてなんだか胸が痛みました。



日本人であれば、見た人の誰もが思うように、
聖獣バロンの姿やパフォーマンスは日本の「獅子舞=ししまい」そのもの。
この南国の地は、古の昔から日本と深い繋がりがあったのかもしれない......
ということも、感じとれるのではないでしょうか。

日本の獅子舞のルーツは基本的には中国や朝鮮半島とされていますが、
バリの地に佇むと、台湾を通り、沖縄、鹿児島、四国、和歌山、伊豆、関東......と、
インドネシアから黒潮のルートに乗って北上してきた海人(あまびと、うみんちゅ)
の流れもあったのだろうことを強く感じさせられます。

レゴンやケチャでも舞われるバリ島特有の女性のダンスにおいても、
その目線の動きや配り方は「歌舞伎」の「見得=みえ」や「にらみ」を思わされます。
そんな部分にも日本との繋がりを感じたりもします。



バロンダンスの劇中、物語の進行に重要な役割を持つ「猿」が登場してくるところにも、
日本神話における「猿田彦」の神様を思わせるような部分があります。

なににせよ、ハワイ同様、日本人に人気の国や場所というのは、
表面的なもの以上に日本人として心の奥に刻まれている何か?が、
自然と反応してしまうようなところなのではないか......と、
いつもそんなことを思ったりします。



夕暮れ時に訪れた島の西方にあるタナロットという寺院。
その参道でふと見上げた、不思議な懐かしさと美しさを湛える夕暮れの空には、
日の丸のような赤と白でレイアウトされたインドネシアの旗が、
高貴なる紫の空に気持ち良く羽ばたいていました。



バロンダンスの後ろで鳴り響いていたガムランの音色のように......
心のどこかが......くすぐられるような...紫。

また、いつか、紫の話へ。。

それまでは、いつか記したこの記事を......(^_^)


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2 コメント

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こんばんは (Love)
2017-03-09 22:13:32
バロンとランダの名前が出てきて、「聴いたことある名前」と思いブログを読み進めたらバリ島の話でした。私はよしもとばななさんの小説が好きでほぼ全部読みました。ばななさんの小説の中にこの名前が出てきていたんです。
山にいるバロン、海にいるランダ。
これも神様達のお話に出て来るのですね!
また、読み返そうと思いました!ありがとうございます。
Loveさんへ。 (amenouzmet)
2017-03-09 23:16:29
色々と本を読んでらっしゃるのですね。すごいっす(^^)
吉本ばななさんは僕も好きです。ばななさんはバリ島好きなんでしょうね。

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