波打ち際の考察

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波屋山人

安易に使うべきではないのではないか。末期症状だとか。

2008-03-24 09:01:16 | Weblog
「しんでしまえ!」とか「しね!」とか、ジョークとしてお笑いタレントがしゃべることがある。
そういえば私も中高時代、何の違和感もなく「ころしたろか!」などと口にしていたような気がする。

つい無意識に使ってしまう何気ない言葉なのかもしれないけど、ほんとうはかなり真剣な、深刻な言葉ではないかと思う。
安易に人の生死に関わるようなことを口にする人は、どこか命に関して鈍感になっているのではないだろうか。

そんなことを感じることもあるこの頃、ふと気になる言葉がある。
「末期症状」という言葉だ。
政治家や評論家の人がテレビで口にするたび、違和感を覚えている。
何々党は末期症状を呈しているとか、何々社も末期症状だとか、政治家の誰々も末期症状だとか。
字面(じづら)だけ見ると、生命が途絶える直前の症状、ということかもしれない。
だけど症状と表現するからには、問題のない状況ではないのだろう。
症状というのは病気や疾患の状態。異常な状態。末期症状ともなれば、壮絶な苦痛に襲われることもある。

ただ単に、もう完全にだめな最終局面だよ、と言いたいのかもしれない。
だけど、病気で末期症状にある人が政治家や評論家の言葉を耳にするとどう感じるだろうか。
軽々しく「末期症状」と口にしてもらいたくないのではないだろうか。

末期症状の患者の苦痛を、政治家や評論家は想像できているのだろうか。
(私は、壮絶な話を聞いたことがある)


本来差別的なニュアンスはない「かたわ」や「めくら」「つんぼ」という言葉は、メディアでマイナスイメージの語として使われることが多かったから、差別語としてメディアから追放された。
だけど、「末期症状」というマイナスイメージの語はまだメディアで健在だ。
今後、「末期症状」という語が新たな差別語として認識され、追放されていくかもしれない。
生放送で口にする人がいると「不適切な表現がありました」とお詫びのコメントが入るかもしれない。

軽々しく「末期症状」を口にする政治家や評論家は語彙が少なく、表現力に乏しいのではないだろうか。
私は言葉を狩る側ではなく、どちらかといえば言葉を狩る者から言葉を守る立場だが、「しね」「ころすぞ」「もう末期症状だね」などという言葉は、安易に使うべきではないのではないかと感じる。
安易に使う人の言葉には、重みがない。


<参考>朝日新聞に掲載された「末期症状」という表現
http://mytown.asahi.com/hyogo/news.php?k_id=29000270707300001
■辻さん100万票、再選
2007年07月30日
 参院選は29日投票、即日開票され、兵庫選挙区(改選数2)では、民主前職の辻泰弘さん(51)と、自民前職の鴻池祥肇さん(66)=公明推薦=が当選を決めた。
(略)
・辻さん 「当選確実」の知らせが伝わると、神戸市中央区の辻さんの事務所は、拍手と歓声に包まれた。
(略)
支援母体の連合兵庫の組織固めを徹底し、初めて県医師連盟からの推薦も取り付け、優位に立った。
 「自民党政治も末期症状。国民も新しい政治の担い手を求めており、その声に応えていきたい」と述べた。


http://book.asahi.com/business/TKY200707180155.html
ビジネス書
■地に墜ちた日本航空 [著]杉浦一機
[掲載]2007年07月15日
[評者]勝見明(ジャーナリスト)
※自主再建への期待と絶望
 2期連続で赤字となった日本航空。運航トラブル続出による顧客離れは経営悪化のきっかけに過ぎず、根深い問題が絡み合っている内実を、長年業界をウオッチしてきた航空アナリストがあぶり出す。

 膨大な人件費に起因する高コスト体質、「クーデター」による社長交代が象徴する派閥抗争、泥沼状態の労使対立、更新の遅れた老朽機、膨れ上がる借金、指示待ち社員の蔓延(まんえん)……末期症状を思わせる記述にJALウオッチャーの絶望感がにじむ。
(略)

http://www2.asahi.com/senkyo2007/localnews/yamagata/TKY200707120191.html
asahi.com> 2007参院選> 地方ニュース> 山形> 記事
■各党かく戦う
2007年07月12日
(略)
田辺省二・社民党県連合代表
 国会終盤は安倍政権の末期症状が示された。法案の強行採決や、年金問題から国民の怒りをかわすための選挙期日の延期。国民不在の政治は見放されている。議席確保、与野党逆転を図るため全力で戦う。


http://www.asahi.com/politics/update/0602/TKY200706020206.html
■民主党、「消えた年金」争点を強調 全国幹事長会議
2007年06月02日18時51分
 民主党は2日、党本部で全国幹事長・選挙責任者会議を開いた。菅直人代表代行は、参院選に向け「格差、年金、緑資源機構など官製談合・天下りの問題」を主要な政治テーマに掲げることを強調。特に「消えた年金記録問題」で攻勢を強め、与野党逆転を目指すことを確認した。
 鳩山由紀夫幹事長は「消えた年金問題で国民が大変な不安を持たれ、安倍内閣の支持率を急降下させた。安倍政権は末期症状を呈している」と分析。
(略)

http://www2.asahi.com/senkyo2005/local_news/kagoshima/SEB200509080014.html
asahi.comトップ > 2005総選挙 > 地方ニュース > 鹿児島
■激戦区ルポ〈5区〉 中選挙区時代重なる混戦 
2005年09月08日
(略)
 保守同士の争いを、小泉政権の「末期症状」ととらえる共産新顔の柴立俊明氏は「自民党政治に終止符を打つ好機」と言い、支持拡大に懸命だ。


コメント (1)
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