『妖魔夜行 戦慄のミレニアム(上)』
著:山本弘
で、ハルマゲドンの下巻です。
まあ、最後の最後であの会話で終わる辺りが山本弘らしいと言えばらしいのですが、おかげで名作とかそういうモノから自ら遠ざかってるような気がする(笑)。
大規模な戦闘が繰り広げられたようなそうでないような。
各地の神話級の妖怪が勢揃いするのは圧巻ではある。
わりとあっさり神々と天使の戦いは描かれてるんで、ちょっとその辺りが物足りなかった。
俺的には“神”は天使運営システムの全体を差す言葉かなとか思ってたんですけどね。
なんちゅうか、そのものは実体として存在しないが、神の声であったり玉座であったり、神の宮殿は存在して、それを護り言葉を実行する天使のためにある“神の国”全部なのかと。
でないと、ニューエンジェルの例もあるように、それぞれの人間の価値観により微妙に姿形が違うはずだし、年代に置いても流行があるはずなので、1体でそれらすべてを許容できる妖怪は単体では存在できないんじゃないかと思うのですよ。
そうでなければ、同じ唯一神と呼ばれる複数の小さな神が存在するべきではないのか?
とりあえず、これにて『妖魔夜行』は完結。
実に良い世界観であると思う。
これであれば、何でも現代物は再現可能なわけで。
それが悪魔召喚プログラムでも、ウィルスや寄生虫で超常の能力を得ても、それらすべては“人の想い”へと集約できるわけで。
これがガープスでなければ・・・・・・。
まあ、ガープスだからこそなのですけれど。
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