AManTo天然芸術研究所

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Dance&Sound Phenomenon シリーズLOGOの今回の御題は「豆腐」

2004年10月03日 | Weblog
昨日 松葉杖をついたままのダンス公演「豆腐」が終わった…。
思い出深い作品になった。
へんな題名には、下の一遍の詩が影響している。

「ダンサーにとって豆腐は偉い」

豆腐

豆腐のように…
豆腐のようになりたい…
豆腐はしっかりしているのに柔らかい
豆腐は冷たく新鮮な水で鍛えられてできる
豆腐は最低限の力で自立し、しかも
豆腐のセンターは中央にはない。
豆腐は全体がセンターでありすべてが周辺である。
とらえどころのない実体は白く、冷たく、どこまでも四角く…。

豆腐のようになりたい。
水の中でも空気の底でも、その中心は臨機応変に移動する。
豆腐は全体がセンターの塊であり、かつ、センターの束である。
豆腐は最高のダンサーより完璧な多重心構造を内在している。
だから…
豆腐はとっても偉い。

固形物と流動物の中間で存在し続ける豆腐は、存在する事を主張することもなく存在する…
存在の本質をダンサーに教えてくれる豆腐。
情熱も、激情も、その過ごしてきた雨風の恵みと厳しさを、
どこまでも四角く白い沈黙の静止体の中に封じこめている。

そうソコにただ、ソコに存在し続けるのだ。
豆腐は語らずとも豆腐でありつづける。
白く、冷たく、どこまでも四角く…。

傾躯舞語録(kabuku-mai goroku) 水の巻き 「豆腐のようになりたい」

ダンサーにとって(特に傾躯舞kabuku-mai)にとって豆腐は重要なファクターだ。
一般のダンスと違い、舞踏の考え方の一つ。傾躯舞(もしくは傾舞)は体の中心にあるセンターで体を支えない使い方をする。
側軸と体の内外を移動する浮遊軸に運動の基根をゆだねる。
ダンスの世界にこの技法は残らず、重心の位置を悟られる事が技を見切られ死に繋がった、いにしえの武術の世界に辛うじて
保存されているのみだ。

今回怪我のため、年内のほとんどの予定をキャンセルしていた僕は、この「豆腐」も公開せずに終わるのかと思っていた。
結果は2名のダンサーの客演を得て、最高の舞台を披露する事になった。
当日寸前まで、やれるかどうかわからなかったため、ろくに宣伝もできず。
参加してくれたアーティストには本当に申し訳なかった。
最高のできとは裏腹に観客は3名だけ。スタッフ入れて5人の人のための公演だった。


音はシタール奏者の若手ホープ2名。
タダオ&J
ダンサーはミキ&ダイジ。舞踏家だ。
今回のユニット名は「 DOON EXPRESS 」と名づけられた。

ダイジ以外の4人は、インドに行くと、大体、みんな超特急 DOON EXPRESS を使っていたという
ただそれだけの理由から名づけられた。

ダブルシタールという演奏形式自体ほとんどない。
その上、普段一緒にすることのない流派の違う実力は二人の競演だけでも見ごたえ十分。
僕は松葉杖をついたままの松葉杖ダンスで応戦。
舞台奥の庭からユラリユラリ現れる「かしこみ舞」と
天人、中2階席からダイブして飛び出すダイジ。

この5人は今回のタイトル「豆腐」に、ちなんでお題が与えられている。
くじ引きで決まったそのお題とは…

タダオ=おから

J=絹ごし豆腐

ミキ=豆乳

ダイジ=木綿豆腐

JUN=大豆

だった。

僕も松葉杖ついたまま踊る事は生涯でもう2度とないだろう!
自分自身ではまさしく、豆腐のような多重心構造を演じるのに最高の舞台だった。
人間やればなんでもできるものだね!

JUNの日記[JUNgem]

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