赤い大地から 市橋さらのブログ

赤道直下、アフリカ・ケニヤで子どもたちの教育にかかわり続ける
日々の出来事をはるか離れた日本の皆さまに送ります。

ACEプログラム

2009-05-29 14:20:26 | 日記
コイノニアの小学校はACEというシステムを取り入れています。一人一人が自分の学力に沿って自分のペースで勉強できるシステムです。
しかし決して怠けたりページを飛ばして先に進むことができないプログラムです。
昨年までコイノニアはイギリス式の基礎教育のプログラムとケニヤの文部省の定めた教育要領を混合したカリキュラムを提供してきましたが、ケニヤでは小学校の最高学年8年生で全国共通テストを受けなければなりません。これに合格し成績がランク付けられて高校へ進みます。しかし、もし最低合格レベルに達しない場合は生涯小学卒ーつまり学歴では負け組みというレッテルが貼られます。
スラムで生まれ育った子供たちの中には、母親の胎内に居たときから栄養状態が悪い、生まれてからも栄養不足で成長が遅い、スラムという限られた生活環境が子供たちの住む世界を狭いものにしている、などのハンディを追っています。ですから8年間で普通の子供たちが遊ぶ時間も無く勉強して合格する試験にコイノニアの子供たちはスタートラインから遅れをとっています。きっと合格できない子供がでるでしょう。そしてもし合格できなければ生涯脱落者としてのレッテルを背負って生きることになります。
コイノニアでは一人一人が特別な人格でユニークな存在であることを子供たちに伝えています。試験で人間の勝ち負けが決められるとしたら、私たちの伝えたいメッセージは無意味なものになってしまうのです。
そこで、どんな子供たちも生涯生きていくために必要な基礎知識を身に付け、学ぶことの楽しさを経験し、自分を発見しつつ成長できるシステムは無いか探しました。そして出会ったのがこのACEプログラムです。
子供たちはオフィスと呼ばれる自分のデスクを持ちます。スラムの子供は自宅に自分だけのスペースを持っていません。このオフィスが与えられたことは子供たちの意欲を盛り上げました。
一人一人の子供に学力検定テストを受けさせ、どのレベルから始められるかを決めました。6教科のテキストードリルが一人一人に与えられ毎朝、今日自分が取り組むべき課題を自分で設定し取り組みます。
教師はこの設定が適当であるかを確認します。夕方までに終了できない場合は宿題となります。
教師たちの務めは、常に子供を励ましやる気を起こさせること、常時質問に答えること、1ページごとにきちんと取り組んだかどうかを確認することです。
1学期目は新しいシステムになれるために教師も生徒も大変でしたが、2学期目になり起動に乗り始めました。
これまでクラスの中で隣の子供にいつもしゃべったり邪魔をして友達に迷惑をかけるだけでなく自分も勉強に集中できなかった子供は、自分の勉強に集中できるようになりました。自分で計画を立ててこれを管理することの不得意だった子供は戸惑いましたが今では自己管理のテクニックを身に付け始めています。何よりも学んでいることがきちんと理解できる喜びを皆が体験しています。


全校生徒80名

2009-05-29 13:48:19 | 日記
2009年は80人の子供たちとスタートしました。新しいメンバーは幼稚園の年中19名です。幼稚園児は私服です。いつも洗濯してある服を着てくるように、体も毎日洗って清潔にするように、親子に指導するためです。
1年生になると制服が支給されます。今年も第2学期目に新1年生12名に制服を支給しました。それで2学期目になってやっと全校生徒の写真を撮ることができました。

ナイロビよりJambo!

2009-05-03 12:25:22 | 日記
初めまして。ナイロビに住む市橋さらです。
このブログを使ってこれから、『コイノニア教育センター』の活動、子どもたち、子どもたちの家族、先生の事などを皆さまに知っていただきたいと思います。

コイノニアは2003年にキバガレ・スラムに住む子どもたちの教育のために始められました。毎年4歳児のみを新入園児として入園させ、現在は小学5年生が最年長で、全校生徒85名となりました。

毎週月曜日と金曜日の朝は全員が外に集まり朝礼をし、国旗掲揚をします。
ケニヤは45の部族からなる国です。部族は言語も生活習慣も文化もそれぞれが違っています。その違いを超えて一つの国家を形成し、一つの国民になるための努力が46年間続けられてきました。
子どもの時から、ケニヤ人としての自覚を育て、一つの国民として助け合いつつ共に生きていく精神を育てたいと願っています。
現在コイノニアには10の部族の子どもたちが学んでいます。国語である英語とスワヒリ語の両方を学び、両方を共通語として会話に使っています。



市橋さら