あまねのにっきずぶろぐ

1981年生42歳引き篭り独身女物書き
愛と悪 第九十九章からWes(Westley Allan Dodd)の物語へ

Apart

2017-11-11 21:28:46 | 
もし、「この世の、すべての人間を殺さないならば、おまえの一番愛する人間、その人間を拷問にかけて殺すぞ」そう脅されたなら。
俺はも、全員を仕方なく殺すやろ。
ほれで、あれ、全員殺してもうたわ、たはは、たはは、たっはー、俺の最も愛する人間も、殺してしまったので、俺はもう死ぬしかない。
本当の一人になるとは、そういうことだ。
俺は全然一人じゃない。
今、俺は一人じゃない。
魂は乾涸びて、わたしは今、アパートのドアを開ける。
わたしは帰る。「おかえり」って言葉に埋め尽された何もない部屋に。
疲れ切った顔をして、きみが帰ってくる。
「全員殺してきた」って。「きみを護る為に」って。
その全員のなかに、わたしも入ってる。
っていうか俺も入っている。
なるほど全員を殺して、やっときみは一人じゃなくなったんだね。
「護りたかったから」「どうしても、きみを、護りたかったから」
「いつもありがとう」「きみに護られているから、生きてゆける」
「何度殺されても、生きてゆける」
心まで乾涸びて、きみは今夜、アパートのドアを開ける。
自分だけを抱いて眠るきみだけを愛している。
このアパートのなかで、全員、きみを待っている。
奪い去るよ。きみだけを。愛するきみだけを。
もうみんないなくなったから。
一人じゃないよ。














BALAM ACAB - Apart (video)

















英会話個人レッスンの宿題

2017-11-11 04:39:12 | 
❄あなたのすべては、切実で美しい。
❄あなたの音楽は、母性の暖かさと、無機質な冷たさの共存です。
❄彼らは、一体どれほどの悲しみのなか生きているのだろう?
❄彼女たちはきっと、父親の愛に飢えている。
❄そこにある鍵で開くドアは、ここには存在しない。
❄それらは雪の結晶のように美しいが、一瞬にして消えてしまう。
❄その人のことを、誰も知らないという。
❄このビデオは、あなたを幸せにするが、同時に哀しくもさせる。
❄ぼくは昨日、匂いを感じる夢を見た。
❄ぼくらの時間は、永遠に止まったまま。
❄彼を愛しているが、彼に何を言えばいいかわからない。
❄この未来に、最悪なことが起きるとき、君は最高になるだろう。
❄わたしたちはミストドーナツで、ふにゃふにゃのドーナツを食べた。
❄それって触れるの?いや、触れないものだ。
❄彼とわたしは、同じものを崇拝している気がする。
❄わたしの母はここにいない。だが、どこかには存在している。
❄彼女の父親は生きていないが、ここにいる。
















君に罪なんてない

2017-11-09 22:34:03 | 
君に、罪なんてない。
ただ君を殺したいだけだ。
君に、罪なんてない。
ただ君を苦しめたいだけだ。
君に、罪なんてない。
ただ君を蔑みたいだけだ。
君に、罪なんてない。
ただ君を姦したいだけだ。
君に、罪なんてない。
ただ君を最高にしたいだけだ。
君に、罪なんてない。
ただ君を処刑台に立たせたいだけだ。
君に、罪なんてない。
ただ君を愛したいだけだ。
君に、罪なんてない。
ただ君を糞まみれにしたいだけだ。
君に、罪なんてない。
ただ君を最悪にしたいだけだ。
君に、罪なんてない。
ただ君を浮浪者にしたいだけだ。
君に、罪なんてない。
ただ君を呪いたいだけだ。
君に、罪なんてない。
ただ君を堕ろしたいだけだ。
君に、罪なんてない。
ただ君を時間のない場所へ、連れてゆきたいだけだ。
君に、罪なんてない。
君に、罪なんてない。
君に、罪なんてない。
ただもう、永久に、殺し続けたいだけだ。
君と、幸せになりたいだけだ。















倖いラッキー

2017-11-09 16:42:13 | 日記
匂いのする夢を今日見た。
今まで匂いを感じる夢を見た記憶がない。
どういう夢だったかというとほとんど憶えていない。
自分の今まで何度と見た定番の夢テーマである、「世界戦争」というテーマであった。
世界的な人類選別というものが取り行なわれ、不要な人間は悉く殲滅させられてゆく。
彼らは異星人かもしれない。ノアの箱舟の如く、彼らに不要と見做された人間は次々に殺されてゆくのである。
核爆弾か何かわからないが、わたしの家の近くに閃光が走る。
その時、無事であったが家の敷居が燃えたその匂いをわたしは確かに嗅いだのであーる。
しかし場面は切り替わり、わたしはビルの廊下らしきところに逃げている。
武装した外国人らしき処刑執行者たちは機関銃を持って廊下を練り歩いている。
わたしは廊下の行き止まりのドアのところまで走ったがドアが開かず、彼らに気付かれてしまう。
わたしともう一人見つかった知らない人間がいたが、その人間と部屋に連れてゆかれ、わたしが先に機関銃で滅多矢鱈に打たれて死んだ。
肉体的苦痛を恐れたが、何もなかった。ラッキーだ。
目が醒めて、わたしは想った。
閃光が走った後に、わたしは無事で誰かは死んだだろうという事態に、確かにわたしは心の中で「ラッキーだ」という感覚にホッとした。
しかしその後にはあっさりと殺された。
あのとき、「ラッキーだ」と想わなければ、きっと殺されなかったはずだ。
ラッキーだという考えは、大罪であったので、わたしは殺されてしまったに違いない。
わたしが阿呆だった。わたしが愚かであった。わたしが間違っていた。
わたしはこの世界に、生きる価値もない。
そう見做され、殺された。
そしてこれはわたしだけに限らず、この世界に、「ラッキーだ」と感じる人間は殲滅させられるという預言を、わたしは夢に見たはずだ。
なのでわたしはすべての人類に警告する。
「ラッキーは、大罪だ」そして、
「大罪は、ラッキーだ」









町田康 + The Glory — 倖いラッキー





すべてとすべてとすべてを剥奪されてわたしはラッキー
















Background

2017-11-04 04:48:48 | 随筆(小説)
今夜は、眠れたかい。
君はどうやらぼくと親しい人間のようだね。
ぼくの今を、君に教えよう。
ぼくは今、海藻と人参サラダを喰いながら、赤ワインを飲んでいる。
俺は今日も、風呂に入れんかった為に頭が痒い。
まあそれはいいとして、俺は考えていた。
良かったら聴いて欲しい。
俺が何を考えていたかというと、俺は自分が腐敗してゆく様子とは、
一体どんなものなのだろうと考えていた。
もし、つぶさに自分が腐り果ててゆく様を、眺めていられるのであれば、
一体どんな想いでそれを見ているのだろう。
腐乱してゆく自分の姿を見ているのは誰かといえば勿論、俺だ。
俺は俺を見ている。
俺の姿が変化(へんげ)してゆく有様を、俺は静かに眺めている。
普通に考えたら気持ち悪いのかもしれないが、しかし実際に眺めることが
できるならば、それはまったく違った感覚なのかもしれない。
何故なら、一体どちらが俺なんだ、という話になるからだ。
俺の目のまえで腐って、果てには白骨化してゆく俺は、
確かに生きていた頃の俺の姿に違いなく、俺の肉体であるのは分るだろう。
嗚呼、俺が腐っていっているなあ、もう全然、違う姿になっていってるなあ。
生きていた頃の面影ひとつ、ありしまへんな。
ということはまあ、俺は死んだ、と。これで間違いは無いのか。
ってでも、俺はここにいるんだが。
あれ、俺死んでないということじゃないのか。
でももう肉体はあれはもう使い物になりそうにもないしな。
あれがもし使い物になったとしても、白骨化した俺がある真夜中に家族の家のドアを叩いて、
「ただいま~帰ってきたで」などと言えば発狂させるだろうしな。
発狂はできればさせたくないよな。ということは俺は現世(うつしよ)に帰れない?
やっぱり肉体がないと帰れないのか。ということはやはり俺は死んだということでいいのかな。
そうか、俺は死んだということはわかる。
俺は死んだ、でも俺は此処にいる。どうゆうことですかい。
では俺は死んでいないと考えて、だが此の世に戻って生きることは叶わない。
つまり俺の生きる世界というものは、どこか他に移ったのかもしれない。
でないと俺はここに浮遊して生き続けなくてはならない。
意識だけで浮遊しているというのは別段苦しくはならないが、
苦しくない代わりに、そのうちに退屈になるに違いない。
俺はそうして、一体何日間眠る間もなくこうして浮遊し続けたかはわからないのだが、
気付けば一人の知らぬ女の傍に落ち着いていて。
なんでかはわからぬのだが、その女の傍におると心地が良くなることを覚えた。
その女は、自殺志願者であり、毎日のように暗い顔をして過ごしていた。
俺はその女が元気を出すように、必死に阿呆なことばかり話しかけていた。
しかし女は酒と薬でいつも朦朧としており、俺の言葉など届く隙もないようだった。
女はいつもゴミ屋敷と化した狭苦しい部屋で、独り言を呟いていた。
「あしたこそ、明日こそ死のう。できるはずだよ。遣ればできる」
俺は女の傍にいるのが気に入った為、女が死ぬのは嫌だった。
肉体こそ無いものの、俺はそれでも女と交わる夢を何度と見た。
それは実に恍惚で幸福な夢であった。
女が心奪われている存在はまさしく死神であるのを承知していたが、
俺が死神から女を奪い去ることが俺のこの”中陰(ちゅういん)”からの脱出を示唆されたように感じた。
なのでその晩からおれは女と交信する手立てを手に入れる為、瞑想を行ない続けた。
そのとき、ひとつの青白い光明が、中空に浮かんで俺の女への愛を、秤(はかり)に掛けた。
俺はどうやらそこで合格となったようで、その光明は俺を取り囲んで俺のなかに吸い取られて行った。
真っ暗な箱が、俺の目の前にあり、女はこれを持って今から死に行かんとしている。
この箱の中に、女の魂を閉じ込められたなら、どんなに持ち運びしやすいだろう。
俺はどうしてでも、この女を死神から奪い去らねばならぬのだ。
言うことを聞かぬこの女を、死神に奪われてなるものか。
俺はこの女を愛してしまった。手段は選ぶ時間はない、俺を独りにしないで欲しいんだよ。
逝かせる訳にいかぬ、俺は女を抱き締めるとその魂だけ引き剥がし、箱のなかに閉じ込めた。
しかしそのとき、死神が俺に向かって嗤いかけたのは気のせいか。
取り合えず今晩、俺を迎えし者を、この箱を抱き締めながら此の闇にて待つ。





















Lust Murder

2017-11-03 18:29:19 | 日記
被害者の、同意を得て殺したと供述しておけば罪が軽くなったかもしれないものを、
何故彼はそれを言わなかったのか、それは彼自身が己れの罪に最早耐え切れないものを感じ、
本当のことを言って死刑になるほうがよっぽど楽だと想えるほどに彼は苦しかったからではないかと俺は想像してみる。
そこまでの良心を持ちながら何故人を殺す経緯に至ったかというところが今回の事件の一番の闇となるところである。
「人を殺したいという感覚、衝動は昔から人間の中にある」と某霊能者の言った言葉が、俺はこの闇を見詰め続けるにあたり、必要なる概念であると想ったわけ。
これは快楽殺人的欲望が、誰のなかにも潜んでいる。ということを言っているのである。
その欲望を、では一体何によって多くの人間は抑え続けていられているのか。

・理性
・親の愛情
・周りの人間の愛情
・友情
・大切な恋人
・大切なもの
・利害得喪を計算した自衛、保身本能

これらのものが、まず欠けているのかもしれないね。
死刑を望む人間たちに。
彼らは快楽殺人者と、何一つ変わりない。
人を殺すということに、快楽を覚えているのは確かだろう。
そうでなければ、何故人が殺されるということを望むことが出来るのか。

俺は死刑は望まないよ。
俺は快楽殺人者じゃないからね。
死刑を望む人間たちの考えが、俺は理解しがたい。
これは死刑を望む人間たちが、快楽殺人者の考えが理解しがたいと感じるのと同じなんだろう。

彼らは何故そうなってしまうのだろう。
快楽殺人者は少数派だが、死刑賛成者はこれはまだ多数派に上る。
一体どちらの問題のほうがこの世界において深刻であるのか。

彼らは確かに、自分の手で人を殺しはしない。
他者の手によって、人を殺させようとしているからね。
そっくりだろう?肉食者と、と殺(屠畜)者の関係とね。
彼らは自分の手を決して汚したくはないんだ。
そう、かつての俺もそうだった。
一体、快楽殺人者と、俺の違いとは何なのか。
快楽の為に、何をどれだけ殺してきたのか。
悲痛な悲鳴を上げ、命を請う生命に対し、他者の手によって、俺は何をさせてきたのか。
俺は彼らに拷問をずっと与え続けてきたよ。
彼らの拷問を、俺は快楽に変えて生きてきたよ。

”快楽殺人者”、俺はずっとそう言われ、恐れられてきた。
彼らに。




















люблю Сатану(わたしはサタンを愛する)

2017-11-03 00:31:33 | 随筆(小説)
最近な、酒浸りなんだよね。
って自慢していうもんじゃないっていうのはわかっているが、
って誰も自慢はしていないよ。
俺は今日も、昼過ぎからワインを飲んでいる。
そして、憑かれて寝て、起きてまた飲む。
というのを延々と、永久に繰り返そうとしているのだから、
危ないよね。
これ、危ないよね。
俺は危険な男だな。
自分でも想うんだ。
俺って、危険だよな。ってね。
危険な男はもてるとよく巷で言われているようだが、
嗚呼たしかに、俺はもてるな。
いらねえ女から特に・・・もてまくりなんだよ。
やりたくもねえ女がわんさかと、毎晩俺に、押し寄せてくるって。
いや、嘘じゃないよ。本当さ。
信じ給え。
わたしはサタンを愛する。
具体的にどういうことかと言うと、それは俺のことを君が知ってゆけば、自ずと見えてくるだろう。
でも俺は同時に、クリスチャンである。
どういう想いで教会に通っているのかだって?
とにかく、疲れ切った顔で俺は通ってるって、いや、教会には行ってないんだ。
教会という場所は美しいから愛しているよ。
でも俺はもっと、もっと愛したいんだ、イエスのことを。
だから教会に通う必要はない。
毎日、俺は本当に疲れていて、イエスの愛なしに、生きてはゆけない。
何故その俺がサタンを愛しているのかって?
それは、一言で言うなら、”彼は本当に美しい”、だから愛している。
美しいものを、愛さないわけにはいかないだろう。
彼はすべての闇を操る神なんだ。
俺はサタンに恋をしている。
彼に、生涯着いてゆくつもりだ。
俺は彼に、魂を売り払った。
いつだかはよくわからない。
いつから彼に、心を奪われだしたのだろう。
俺はずっと小さい頃から親と一緒に聖書を学んできたんだ。
その俺がいつの間にかサタニストになっているのは面白い話だね。
俺はサタニストだけど、同時にクリスチャンだから。
どちらかの愛に、傾いた憶えはない。
いや、嘘を言ってないよ。俺は本当のことしか言わない。
すなわちすべてが嘘だが。なんて言ってないよ。
ははは。君は面白いね。coolだ。
今晩俺とセックスしないかい?
冗談だけど。
俺は別に悪魔崇拝儀式とかやってないよ。
興味はあるが、俺は参加しないだろう。
俺はこう見えて、動物が好きなんだよ。
うさちゃんを生贄にとか、やってはいけないよ。
彼らは本当に、Lovelyな存在なんだ。
ほんと、俺からしたら君たちのほうがずっとサタニストだ。
リアルファーとか、着ちゃ駄目だよ、ほんと。
あと、ウールもダウンもフェザーもアンゴラもカシミアも、買わないでほしい。
彼らを、苦しめないで欲しいんだよ。
サタニストからの、悪魔なるお願いだ。
え?俺は全然サタニストじゃない?
いやいや、俺は自称サタンを愛する男だから。
君に言われる筋合いはない。
人肉喰ってる?
喰ってないわ。
代りにカシューナッツを今は食べている。
俺は毎日のように落ち込んでいるから、サタンが俺を慰めてくれるんだ。
そう、此処以上の苦しみの闇を俺に見せ、俺を励ますんだ。
”おまえの苦しみは、そんなものか”と。
サタンは笑う。俺をいつも見ながら、笑っている。
おまえの苦しみは、そんなものか。
おまえの苦しみは、そんなものか。
おまえの苦しみは、そんなものか。
おまえの苦しみは、そんなものか。
おまえの苦しみは、そんなものか。
おまえの苦しみは、そんなものか。
おまえの苦しみは、そんなものか。
おまえの苦しみは、そんなものか。
おまえの苦しみは、そんなものか。
おまえの苦しみは、そんなものか。
おまえの苦しみは、そんなものか。
おまえの苦しみは、そんなものか。
おまえの苦しみは、そんなものか。
おまえの苦しみは、そんなものか。
おまえの苦しみは、そんなものか。
おまえの苦しみは、そんなものか。
よし、おまえに地獄を見せてやろう。
本物の地獄を。






















Salem - Asia (oOoOO Remix)























All suffering is all things

2017-11-02 14:59:06 | 日記
君がどういう想いでmixiを退会してしまったか、ぼくにはわからないし、君の最後のコメントの返信も日記も全部読めなかったから残念だけれども、ぼくは君のことを信じているよ。
といっても君のことだけじゃなく、ぼくは全員のことを信じているよ。
楽観的だと想われるかもしれないけれども、ぼくは全員が想う道を行けることを信じている。
自分の人生に、心の底から納得できる日は何年後かはわからないが、必ずすべての存在は”これで良かった”んだと言える日が来るんだと信じている。
だから君がぼくに黙って退会してもぼくはまったく悲観はしない。
すべての生命は、この世界でまったく同じだけの地獄を経験するんだとぼくは信じている。
でもそれを経験するには時間差があり、その時間差によって、幸せそうに見える存在と、そうではない存在に見えてしまうという錯覚が人間の感覚に起こっている。
しかし長い目を通して見るならば、すべては、まったく同じだけの苦痛と、喜びを経験するだろう。
ぼくにはそれが、ありありと見える。
だからすべては同じだけ悲しいんだ。
だからすべては同じだけ幸福なんだ。
だからすべては同じだけ拷問に合う。
誰かの拷問の苦痛は、誰かの明日の拷問の苦痛なんだ。
だからぼくは肉食を、これだけ危惧している。
すべては完璧に平等で、公平な世界なんだ。
わかってほしい。
ぼくの世界観を。
誰かの苦痛は君のいつか経験する苦痛であり、
君の苦痛は誰かのいつか経験する苦痛なんだよ。
存在するすべては密接に繋がっていて、誰ひとりとこの繋がりから逃れられる者はいない。
ぼくだって、このままゆくといずれ自殺するのかもしれないが、
それでも良いと想っている。
ぼくは決して悲観しきって自殺するのではないと、
今ぼくの神に誓う。
すべては必ず、ぼくの苦しみと悲しみを知るだろう。
全ての苦しみは、全てのものである。















アンチ・キリスト

2017-11-01 18:25:57 | 随筆(小説)
人(他者)の”闇”を見て、落ち込むことは多い。
何故ならその”闇”とは、俺のなかに存在している闇に他ならないことを俺が知るからだ。
つまり見ているのは他者のなかにある闇ではなく、俺のなかにある闇ということになる。
そしてその闇とは、いったいなんなんだろうな、と想うのである。
”闇”といっても、それはそれは広いものであり、一概に”こういったもの”だと言えないものなのである。
しかしそれは”闇”には違いないと俺が何故だか知っているのである。
ときに吐き気を催す闇もあれば、俺を何より安らかにする闇もある。
そう、闇とは、俺のなかで究極のところを行ったりきたりできるものなのである。
安楽を選ぶなら、光を選ぶのが無難に想われるだろう。
しかし”光”とは、すなわち”闇”である。
ややこしいことだが、”闇”は”光”で、”光”は”闇”なのである。
だから人はこれを、”闇光(あんこう)”と呼んだ。
二つで一つのもの、その二つは、同一のものであると言ったのである。
聖書で言うなれば、イエスとサタンの融合的な存在である。
もし、イエス(光の子)だけを愛し、サタン(闇の子)を愛さないと言うのならば、
彼こそが、”アンチ・キリスト”である。
魔女、おまえこそが、魔女だ、火に焼(く)べ給え。
魔女たちを焼き払え。
彼らは、この世界に、適さない。
巨大なるウィッカーマンを建て、すべての魔女たちをその中に閉じ込めて火をつけろ。
あなたたちは、生きるに値しない。
拷問にかけて、殺してやろう。おまえたちは、必要の無いものだ。
そうだ。苦しみ抜いて、死ぬがいい。
おまえらの笑顔、俺は忘れない。
俺は、忘れない。
全員、俺の顔だから。
全員、焼かれろ。
アンチ・キリストの、俺たちよ。
巨大なる俺の顔をしたウィッカーマンに、俺は火をつけた。
アンチ・キリストの俺は、全員灰と化した。
その敷き詰まった灰の上で、俺は一晩寝たが。
その灰が、冷たかったこと。
さらさらだったが、同時に湿っていた。
気持ちが良かった。
快楽だった。
明日は、想う存分セックスしよう。
闇と光が想う存分セックスする夜に、
アンチ・キリストの俺は、全員灰と化した。

















Christian Löffler - Silent Night