ありのまま日記

弱肉強食が終わる時



ディズニーの映画『ライオン・キング』では、ライオンの王子が亡命生活で肉食をやめて芋虫を主食にするようになる。同じようなことがアメリカの「肉食系」大企業に起きた。

8月中旬、日本の経団連に相当する大企業の組織「ビジネス・ラウンドテーブル」に所属する181社のCEOが連名で、これまでの株主第一主義を改め「全てのアメリカ人の利益」を追求し、顧客・消費者を大事にし、社員の給与を改善し、サプライヤーにも優しく接する――と声明したのだ。

本気ならアメリカにとって、そして世界にとってこれほど喜ばしいことはない。と言うのは、アメリカの企業が株主利益を第一に考えるようになって以来、アメリカの経済と社会は自滅に向かっているからだ。

株価をつり上げることや、目先の利益(配当)を上げることばかりに目が行くから、すぐには利益をもたらさない長期的観点の投資は避ける。業績が悪くなれば、安易なリストラで増益を演出する。社員の給与も抑えられるので消費は盛り上がらず、企業には投資の機会もない。企業は利益を自社株買いにつぎ込んでいたずらに株価をつり上げ、株主に奉仕するだけ――。

こうして富は偏在し、所得水準で上から10%の者たちがGDPの47%を手にしている。2011年にはウォール街で占拠運動が続き、金融企業の利益至上主義やトップの給料の不当な高さをやり玉に挙げたが企業はどこ吹く風。ジャンク債への投資を膨らませるなどマネーゲームを続けたのだ。それが今、どうして悔い改めるのか。

<動物を襲わないライオン>

ベビーブーム世代が引退するなか、アメリカ社会の主流を占めつつある35歳以下のミレニアル世代は、稼ぐのはほどほどに社会に貢献したいという意識が強い。それも反映して、近年ではCSR(企業の社会的責任)という言葉がもてはやされている。同時に若い世代は高過ぎる大学の学費と奨学金の返済負担に苦しみ、不満を強めている。

そのような声を拾って2016年の民主党の大統領選予備選で支持を集めたのがバーニー・サンダース上院議員だった。今回の大統領選では、先頭集団にいるエリザベス・ウォーレン上院議員がサンダースと共に企業批判の先頭に立ち、ヒスパニックやイスラムなどマイノリティーを代表する新人女性下院議員4人のグループ「スクワッド」も、公正な分配への声を高める

<企業がチャレンジしなくなる?>

トランプ大統領は、東部から中西部に広がるラストベルトの困窮白人層の利益を主として代弁してきたが、目立たない形で大企業の利益にも奉仕してきた。2017年の法人税大幅引き下げがそれである。しかし大企業の利便を一方的に図ったままでは、トランプも大統領選で苦戦するだろう。財界に減税の見返りを求めていたとしても不思議はない。

今回の声明はCSRの考え方を米国版経団連が自ら採用した形だが、おそらく大統領選で候補者たちから批判の的にされるのを防ごうとしているのだろう。

しかし利益至上主義でない企業は、動物を襲わないライオンと同じく不自然な存在だ。まともに実行すれば米企業の利益率も株価も低下する。アメリカは日本も含め、他国の企業がそこを出し抜くことがないよう米企業と同様のガイドラインを採択するよう圧力をかけてくるだろう。

またヘッジファンドや年金基金など、カネが余ってしょうがない組織は、米国株を見限って、利益率は低くとも安定している日本企業の株に投資してくるかもしれないし、原油や土地への投機を増やす可能性もある。

米企業の新たな動きは、企業が社会の共有資産的なもの、つまり儲からないものに変質していく予兆かもしれない。これでは、アニマルスピリットを持つ人材は企業に行かなくなるだろう。経済の管理はAI(人工知能)とテクノクラート、生産はロボットが担当する。アニマルスピリットは、スポーツや街中でのけんかで発散――そんな時代が来るのだろうか。

<本誌2019年9月17日号掲載>

河東哲夫(外交アナリスト)

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5次元の地球では、野生動物からどう猛さが無くなることをマシューはメッセージで伝えてくれています。

そう言えば、気性が荒かった我が家の猫チャチャも、最近穏やかになってきました(笑)気のせいでしょうか…

このエネルギーのシフトは野生動物のみならず、地球に生きる住人すべてに適応されるようですね。

あの米国肉食系経団連が

顧客・消費者を大事にし、社員の給与を改善し、サプライヤーにも優しく接する

と宣言したのです

さて、日本の経団連はどうするんでしょうか?

相変わらず時代遅れの商業資本主義、3次元支配奴隷制度から抜け出せず、国民から絞るだけ搾り取り、挙句の果てに自分たちの首を絞めるんでしょうか。

強い者が勝つ

その神話が、わたし達の社会では通用しなくなってきています。

自己利益優先に無頓着な愛の道化師が、これからの時代は成功者となるでしょうね。

米国版肉食経団連さんたちも、2020年の大統領選に向けて生き残るのに必死です。日本の肉食経団連さんたちも、衆議院選挙に向けて、少しは次元上昇していく方が賢明だと思います。


あるがままで





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