雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

日本と世界の古代史 1万1千年前のトルコの石柱遺跡が人類史を書き換える

2013年12月19日 22時12分22秒 | 日本と世界の古代史・遺跡・遺物

日本と世界の古代史 1万1千年前のトルコの石柱遺跡が人類史を書き換える

 ギョベクリ・テペ

 11月末にテレビ『世界ふしぎ発見』で、古代史のきわめておもしろい内容をやっていたのでしょうかいします。

 まず「ギョベクリ・テペ」、これはトルコの古代遺跡で、謎の石柱がいくつも建てられた円形の遺跡がいくつも発掘され、1994年から現在でも発掘がずっと続いています。つまり、あまりに広大すぎてまだまだ発掘が続きます。

 高さ5.5m、重さ16トンの石柱が建っている円形の遺跡は20以上あります。

 驚くべきは、その年代で、1万1千年前です。つまり、まだ農業もなければ、金属器もない時代です。

 石柱には、動物や鳥などが掘られていて、それぞれの円形遺跡ごとに動物が違う。発掘者のクラウス・シュミットさんは、「動物を掘った石柱はそれぞれの部族が信仰していた動物」と言っています。
 
 つまり、鳥やジャガー?、狐?、蛇などそれぞれの氏族が動物を信
仰していて、その氏族が全体として1つの部族としてまとまっていた、というのです。

 さらにおもしろいのは、この「ギョベクリ・テペ」から300km離れた、同時代の住居遺跡「ハサンケイフ・ホユック遺跡」で、小さい「石柱」が発掘され、明らかに、この遺跡の住民は日常的には、自分の村の、小さな石柱を拝んでいたが、年に1回、300km離れた「聖地」にお参りしてお祭りをしていたのではないか、と推定されています。

 300kmというと、浜松から

 農業も始まっていない時代に。このような「宗教」が発生していたというのは、人間精神の歴史の新たな解明だと思いますが、誰か、理論的に説明しているのでしょうか?

    ☆

 「動物の名前をつけた氏族」ということで、すぐわかるのは、アメリカインディアンのまったく同じ族名制度です。
 
 モーガン『古代社会』で、こう書かれています。「カユーガ・イロクォイ部族は、2胞族の中に8氏族を有している。」「それは次のごとくである。
 第1胞族 氏族 ー 1熊 2狼 3海亀 4シギ 5鰻
 第2胞族 氏族 ー 6鹿 7ビーヴァー 8鷹」

 これは一例で、地域が違えば動物名もいろいろです。まさに古代トルコと同じ氏族制度です。

    ☆

 1万1千年前という年代ですぐ思うのは、日本列島の、「まだ農業が始まらない」「金属器もまだない」という同じ状況で、1万2千年前には縄文土器が作られているという点です。

 新石器時代=農業の開始とするのは正しくなく、どちらも同じ新石器時代の狩猟=採集文化、あるいは新石器時代の採集=狩猟文化であることは確かだと思います。いずれにしろ、もっと生産・消費を含めて時代区分を考え直さないといけないようです。

    ☆
 
 この石柱を見て、すぐ連想したのは映画「2001年宇宙の旅」の黒い石柱「モノリス」です。もちろん、何の関係もないのですが、もしこの発見が「2001年宇宙の旅」製作の前だったら、アーサー・クラークさんがこの石柱からヒントを得て、この物語を創ったと言われますね。
 
 「2001年」の製作は1960年代で、この石柱発掘のかなり前です。SF作家の想像と、古代人の想像が、一致してしまったのは非常におもしろいです。


 


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