天川荘の宿六の戯言

北信濃渋温泉から四季の味覚と風景をお届けします。

へしこ

2020-07-04 14:42:55 | 日記
先週の土曜日、F君が見事な天然イワナを届けてくれたのだ
同行のB場君も、釣果に恵まれたようだ





二人そろって、ついつい下品な笑みがこぼれてる

B場君が「先日教わった岩魚料理を確認したい。」との申し入れ

中華料理の、「油爆鮮魚」の作り方を口頭で教える
唐揚げをした岩魚に、香味野菜のみじん切りとごま油を加えた
甘酢醤油でいただくシンプルな料理、これがなかなかいける

「毎回、塩焼きばかりでは・・・・・。」と彼の言葉

宿六、何か妙案はないかと考えた「そうだ、へしこだ ! 」
北陸地方、特に福井県の若狭が有名な伝統料理だ
但し、本物はかなり塩気がきつい

テーマは、一匹のイワナを丸ごと食べても気にならない塩分量
そして最も大切なこと、圧倒的な旨味があること

早速その日、スーパーマーケットを3軒回り既製品の糠床を選ぶ
入っている調味料を確認して、これならいけるだろうと思えるものを1袋購入



岩魚にまずは、塩をうつ3~5分放置その後大量の塩を使い1分ほど揉みこむ




この処理で、川魚特有の生臭さが抜ける

水道できれいに洗い、ペーパータオルで水けをふき取り糠床に漬け込む


翌日、きっちり20時間経過したところで糠から引き揚げ一匹を焼く
残りは糠をぬぐい取り、ラップでくるみ冷凍

試食、「う、うますぎる・・・・!」ただ塩気がわずかに強い
漬け込み時間を20~25%少なくしたほうがよさそうだ
次は15時間30分で引き揚げた、これならご飯とも会うし酒の肴にもなる



今週の週中、町内で小さなレストランを営む夫婦とその友人夫婦が
天川荘に宿泊していただいたのだ

実はこの料理人、宿六が最も尊敬する料理人でとてもオシャレ

仕事は極めて繊細で、抜群のセンスの持ち主なのだ

食事の度「どのように味を重ね、どのような調味料を使っているのか❓」
疑問を感じているが,解らない
毎回存分に楽しませてくれる、そう口福をいただくのだ

その料理人が宿泊することになり、宿六のプレッシャー
一気に加速、レッドゾーンに突入
心臓が口から飛び出しそう

女将「いつも通りに、やりなさい」 つつ・・強すぎる

そのような訳で普段通りのしごとを淡々とこなすことに決めた
ただ一つ、朝食の魚料理を例の岩魚のへしこに変えたのだ

へしこを一口食べて夫婦そろって「すごくおいしい」
宿六、心の中でガッツポーズ

帰り際、「食事みんな美味しかったです」の一言
宿六の心は、梅雨空から一気に真夏の青空になったのだ





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