秋の森の奇跡林 真理子小学館このアイテムの詳細を見る |
若い頃の林真理子はおもしろかった。
うんうんと気持ちの分かるとこも多かった。
『ルンルンを買いに』なんかおもしろかった。
いつからつまらなくなったか?
結婚した頃からかな?
同年齢女性作家で読みやすい文体なんでついつい読んでないの図書館で見つけると借りてしまう。
借りて一気読みしてわ~ぁ~くだらん。
ほんじゃ、借りなければ良いのに。読まなければ良いのに。
書架に林真理子の本はないことが多いから借り手は常時あるとみた。読みやすいからか?
題名を平たく言えば『人生秋の中年期の奇跡のような恋愛』とでも言うのだろう。
あいも変わらず彼女の言う平均以上ハイクラスの人物ばかりが登場。
不倫、子供の進学熱、美容、ファッション、グルメとお決まりの世界が繰り広げられた。
そしていつものパターン。
女の価値基準は男がいかにお金を彼女のために使うかで決まるのだ。
この小説には母親認知症介護が絡む。
介護業界で働いていた者としては読むに堪えなかった。
もうちょっとしっかり調べて書いて欲しかった。
いくら虚構とは言え介護保険利用は現実の事なのだ。
主人公は女としても最低ではなかろうか。
夫の不倫疑惑に心揺れ、自分は気持ちの逡巡を正当化しつつ不倫をし
出来もしない母親の介護を強引にしようとし、
最終的に不安にかられたら男に支えてもらおうとし、自分のわがままだけに正直。
働く女としても家庭持つ女としても母としてもきっぱりとした芯がない。
意地悪い目で人を見ているあたりが小気味いいと言えば小気味いい。
二世帯同敷地内隣居の兄夫婦と別居娘の認知症母をめぐる押し付け合いやら
実母の認知症を認めたくない気持ちやら、施設入所の姨捨て感やら
ケアマネジャーの実務で確かに出会ったケースでもあった。
林真理子風調味で設定がお金持ち過ぎて現実離れ感は否めないけれど。
50代半ばである著者が女性として賞味期限を40代前半としているところがちょっと笑える。
人生80年時代。
実年齢7掛けがちょうどの精神年齢とも言われる今、
40代前半を人生の秋に喩え最後の恋というのも
外見的に女性は醜くなったら恋年齢ではないと言う彼女特有の美意識かもしれない。
男性から賞賛されるためだけや同姓への対抗意識だけで、
きれいでありたいと願ったり努力したりするのは違うと思う。
いくつになっても身綺麗にしていたい気持ちは本人の美意識の問題のような気が私はする。
ここまで悪く言ってまた林真理子を読んでしまうのだ。
なんでだろう?
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