陽だまりのねごと

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アサッテの人  諏訪 哲史

2008-04-25 21:37:27 | 
アサッテの人
諏訪 哲史
講談社

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いつになったらストーリーが始まるんだ?
とページをめくっているうちに
まどろこしいパッチワーク方式みたいな小説が終わってしまった。
読み終わって、書き出しに戻ると
だらだら牛のよだれ的はじまりの中で
一番不可解な『ポンパ』がすっと馴染んできた。

アサッテとは『明後日の方向を向いている』の例えにあるアサッテであろうか?

吃音男が世に疎外感を持つあたり、
アサッテ男のズレ方が息子の世界のようにも思えてきた。
安っぽい歌の歌詞に嫌悪感を覚え、
意味不明の自分の吐く言葉こそに純粋な意味を感じている、
堂々たるアサッテぶりが小気味い。

定型をまるで外した山頭火的自由律俳句には、
むしろ何でもありの面白さ感じないで
定型五七五の中での字余り字足らずに興味を持つ辺り共感する。

叔父であるアサッテ男と語り手の著者とどこかクロスする。
こんな人を夫とした朋子さんが女性の私としては謎であり、
子を産む現実にどっぷりと根を張って生きようとする女性の中に
アサッテ女は存在できない感じもした。

何がどうと言う小説ではないので、
『アサッテ』と言う定型のはみ出しに興味がある人にのみお勧め。







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