陽だまりのねごと

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七十歳死亡法案、可決   垣谷美雨著

2012-09-28 19:04:55 | 
七十歳死亡法案、可決
クリエーター情報なし
幻冬舎


新聞紙の装丁とタイトルにクラっときて、図書館から借りて帰った。
新聞の日付は2020年2月22日。
そう遠くないにゃんにゃんにゃんの猫の日となっている。
医療、年金、介護がついにパンク。
70歳になったら死んでもらいましょう法案が可決していまったということろから物語は始まる。
施行までのは2年の猶予。
現時点70歳以上の人も施行の日にお亡くなりになっていただく。
安楽死の方法は各種取り揃え、自己選択となる。
その時、70歳未満の人も自分の残り人生時間も簡単に割り出される。

ある家庭から法案可決をめぐり、思い思いの耐えていたものが噴出してくる。
家族構成は、
定年を数年残したサラリーマンの夫、寝たきりの夫の母親、
有名大学を卒業一流企業の就職したもののあっさり辞めて2階自室に昼間は閉じこもっている息子。
その3名の一切合財を世話している専業主婦の妻。

第二十五条  すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
○2  国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

第27条(勤労の権利義務、勤労条件の基準、児童酷使の禁止)1.すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う。

日本国憲法も権利があるけど義務も個々にあると言うとられます。
ねたきりであっても健康な生活を目指す努力、出来ることは自分でする義務がある。
ご飯を運んでもらってぬくぬく何にも有益な事をしない若者はもっての他って事でしょう。

この家は近未来であるにも関わらず、未だ男尊女卑。
ご飯も風呂も自然に用意されるもの、汚した衣類や食器、ゴミまでも自然消滅するもの
介護は長男の嫁に負わして当然と、
せっせと家事に介護にと励む一人を除いて無邪気に思っている。

自分の事は自分で面倒を看る、当たり前のことがちゃんと成されている?
と、小説は問うている。

最後まで読めば、法案可決も家庭のゴタゴタも、ショック療法だと分かる。
あまり書くまい。ネタバレになる。

介護従事者について、きちんと理解されている個所には安堵した。
給与の安さに比して、
介護技術だけでなく、医療、心理学に通じ、人に対する正しい倫理観を持ち
臨機応変の素早い対応が必要なと、
理想を追えば切りがないが、そういうことが本来求められると
介護士同士の会話に出てきた。

残念ながら、
現時点モラルや意識の低すぎる介護職が少なからず存在する。
七十歳死亡法案なそという乱暴な法案があっても怖いが、単なる話であって実際には
みんな歳とって介護され身となるのだから、
せめて、人としての扱いを最後までお願いしたいところ。

もうひとつ、何にもしない男どもを作ったのは、
何でもしてあげた方にも問題ありと、痛烈な批判もわすれていない。
自分だけが我慢して滅私奉公をしていると言う態度が、ますます男どもを増長させる。
世話したい人があって、世話されるのは当たり前のスポイルされた人間が出来る。

実際に在宅介護で、こう言うケースを目の当たりにする。
文句タラタラ言いながら、
他人の手では充分なことはしてもらえない、
その人のことを丸ごと一番知っている、自分が倒れるまで世話したい本心が前面に出ている人が結構ある。
逆もある。
妻以外の世話を一切受けつけない。
妻が極限にあったとしても、そのことには頓着ない。
自分の世話をしてくれて当たり前と思う輩。
そして大抵、それはその相互作用のがんじがらめとなっている。
介護問題の本質を、某政党首よりうまくとらえている。

パラサイトな子供についても然り。
親の常識、見栄が身動きとれない子供を作っていないかと問われている。

こういう状況は人でなくあなた自身が生み出しているのよと言われても気付かないのが人間。
自分自身の事は見えなくても、周りの人の事は良く見える。
私も含めて^^;

この小説の初版は2012年1月25日。
まだ消費税アップの福祉税のという法案が可決前夜。
なかなか意味深な内容となっている。

結末は
ちょっとご都合主義で無理矢理ハッピーエンドという観がないでもなかった。

作者は1959年生まれ。
私より5歳若い。

死ぬ日が分かっていたら?
それがそう遠くない日だとしたら?
私はまず、何をする?何がしたい?何がしたくない?
なんてことも、読みながら考えた。

明日は雨予報。
旧街道ウォーキングは中止連絡が来た。予定がなくなった。
図書館にこれ返して、次を借りてこようっと~♪



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