最後のお花見から１０年

命日よりもお彼岸よりもお盆よりも亡くなった夫との記念日は桜だといつも思う。
お祭り男の宴会好きは桜の季節になると花見花見と大騒ぎ。
人を巻き込んで花見宴会が毎年繰りかえされた。

最後になる予感はまだなかった最後の花見。
ガンの骨転移は分かっていなかったが、歩行はむつかしくなっていた。
会社は療養休暇に入っていた。
お花見どころではない状況にも関わらず、花見をすると言い出した。
家から見える八幡様の桜の下なら出来る、あそこは人も知らない穴場だと言い張る。

お花見弁当に酒、ビールを持って娘と３人で出かけた。
ぎりぎり近くまで車で上がって娘と二人で両方から支えて神社裏へ陣取った。

ちょうど散り始め。
降るように花びらが舞い、
ちょうちょが花びらを仲間とでも思っているように添って何度も舞っていた。
ぽかぽか陽気で今思い出してもちょうど見頃な良い花見だった。

あれから毎年、花咲けばそこへ引き寄せられるよう。


神社の裏のきれいに咲いているそのさらに奥。
１０年の間に樹が高くなって桜が遠くなった。
手入れもされない野性味ある桜樹。
　
ここに座った。
しばらくあの時のその場所へ座って天を仰ぎ地を眺め、もういい加減偲ばなくていい人を偲ぶ。
　　

天国良いとこ酒飲んでいますか？
どんちゃん騒ぎしてますか？
私のお迎えはいつですか？



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無駄とか自粛とか

自治体間の支援、国から補助　避難住民受け入れなど(朝日新聞) - goo ニュース

要介護者ら国主導と施設間で受け入れへ－東日本大震災で4万人超(医療介護CBニュース) - goo ニュース

↑こういうホッとするニュースの中に、↓思わずこんなことまで政府主導？と少し笑えた。

「自粛ムードやめよう」閣僚から発言相次ぐ(朝日新聞) - goo ニュース

「こういう時期なのでお花見は控えめにします。」
と言うメールが届いた時と同じ違和感。

ＮＣのコマーシャルで「無駄なものは買わない」というのがあった。
ＮＣが煩くてここのところＮＨＫニュースしか見ないから、今もやっているかどうか知らないが。
何をもって無駄と言うんだろう？
買い占めの事だったのだろうか？
ふと、「欲しがりません、勝つまでは」を連想した。
「欲しがりません。復興するまでは」と言うこと？

生活必需品以外の商品を扱っている人は困るＣＭだったと思う。
店の企画展の案内状をくれた雑貨屋店主が、
「こんな時期だから売れない」
と顔を曇らせていたのを思い出す。
欲しい無駄なものがなかったから、買わずに帰ったけど＾＾；

被災地の酒造メーカーが地震前に仕込んだ酒を停電の間も懸命な管理をして、
やっと瓶詰め出荷のニュースも見た。
『この酒でお花見を』と言われていた。特別に愛しいお酒だろう。

物によっては欲しくてもない。流通が悪くなっているものも多い。
被災地からは遠い地方に住むが
資材が入らないので介護施設の建設が止まっている。開所の予定が立たない。
替える部品の目途が立たないので、だたでも少ないローカル電車が間引き運転になった。

細かなところでは、
３月末には届くはずだった私の利用者さんの特注車椅子が部品がないから仕上がらないでいる。
ウチのモコのいつものキャットフードが獣医さんの所に入ってこなくなった。
計画停電の所為で品はあるが倉庫の開け閉めの電源の問題で輸送困難という説明だった。
細い点滴用の針品切れが困ると獣医さんが言われていた。
犬猫の話でこれだから、人の医療品はどうなのかと心配になった。

被災地の悲惨な瓦礫の山や長引く避難所生活、終息しない原発のニュースを連日見続けて気重になる。
地震も大きなものがまだいつやってくるのか、どこ来るのか不安はいっぱい。
自分ちの経済状態の把握も面倒な私が日本経済を語ってもなぁ～と思うけど、
こんな日本のこれからの経済はどうなる？どうしても不安は掻き立てられる。

築地から料亭行きだった下関のふぐが震災後、行き場を失ってしまって困る関係者のニュースがあった。
かといって、スーパーに安く並んで我が口に入らないのはなぜ？
話は極端に身勝手へと流れる～♪

いちいち『開催してもらってありがとう』という高校球児とか
『活躍のパワーで被災地を応援する』とか
スポーツ開催のたんびの発言を見れば、お花見自粛、○○自粛の方が気分的にはすっきり。
「自分に出来ることを」とか「日本はひとつのチームです」とかも自粛促し？

そうなくっちゃと思う気持ちは充分持つが、
どちらもこちらも最近、真面目過ぎて息苦しい気がするのは、私だけだろうか？

突き詰めると必要でないものを無駄と言うなら、
無駄に気持ちが助けられている事はいっぱいある。
こんな未曾有の被害だからこそ
流される残骸板切れに乗っていた犬の救出シーンとか津波に飲まれた博物館の骨が無事なんてニュースに心和む。

官僚の自粛ム―ドやめようを読んで、亡夫とのいつものやり取りが思いだされた。
亡夫は私が我が家の財布と欲しいものの値段とを頭の中で計算していると
横で
　　『買いなさい』
と、毎度言った。

　　　　　物を買う→景気が良くなる→仕事が来る→ウチが潤う

と、陽気に続けるのが癖だった。
相当私もアバウトだけど、
私の上を行くちゃらんぽらん男だっただけの話だけど今、その屁理屈と同じ事が
経済通で知られる与謝野馨経済財政担当相から出ている。
『ほらね』と天で得意満面の夫の顔が浮かぶ。


あら？
無駄な生き物モコたんがのっそり膝にやってきた。
体が冷えている。朝は寒いねぇ～ハイ、無理矢理　抱っこ=^_^=
少し脱力しないと元気もパワーも出ないこともあるとモコに学ぶ。真面目発言で〆ておこう。







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