猫の形をした幸福小手鞠 るいポプラ社このアイテムの詳細を見る |
結婚という恋の形に恵まれなかった女と
家族という形態に恵まれないで育った男が
猫と三人の家族として暮らす話と言おうか?
猫一匹がいないと形となりえなかった幸せ。
心の空洞がちょうど猫の形をしていたと言おうか?
猫にとってはまぁ~どうでもいい人間の思い込みだろうが、
この辺り年月を経て空気か少々相手が邪魔な雰囲気となった夫婦に猫は間違いなく「かすがい」になる。(経験談)
小説にも出てきたが、喧嘩のなごませ役に猫ほど適役はいない。
かすがいの猫と介して会話する (自作駄句)
愛の定義がさかんに出て来る。
自由よりも束縛
自立よりも依存
解放よりも束縛
『猫ほどの愛の達人はない』とある。
人間にすべてこの条件を科して、
とうの猫たんはそんな暑苦しいものは知らんわと涼しい顔でお過ごし遊ばれている。
猫は人より長くは生きない。
猫亡き後の悲しみの心の在り方がこの夫婦は真逆だった。
ここがまた良く分かる。
猫のにおいのするもの一切を見たくない、切なすぎる夫。
写真をいっぱい貼って身の周りを囲み、何ひとつ処分をする気にならない妻。
慰めやお悔みの言葉の全部が
『自分を斧で真っ二つにする』妻。
すべての人から慰めの言葉が欲しくて電話をかけまくる夫。
私は写真ひとつダメで、お悔み真二つ型。
こういう真逆な人間が同じ屋根の下に過ごす悲喜劇がまた夫婦かもしれない。
猫バカは猫バカ話を読んではおんなじおんなじと確認し、
胸をあったかな猫の形のしあわせで満たしているらしい。