陽だまりのねごと

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延命…口から食べられなくなった時

2005-04-14 06:24:43 | Weblog
延命治療停止の権利認める 仏で新法、患者の意思尊重 (共同通信) - goo ニュース

口から食べる楽しみが無くなっても尚、鼻からチューブ、胃に直接穴を開けて栄養を流し込んで生きてゆける。オムツ交換、清拭、訪問入浴あるいはデイ・サービスと体の清潔を保つ介護を受けながら。自然な老衰とは、今どうなんだろう?家事援助サービスで訪問している高齢者の大多数の人が、

 「オムツで寝たきりになったら人の手を煩わせてまで生きたくない」

と、言われる。家族の思いは「一日でも長く」にありながら、在宅の場合かなり介護に疲れているのも目の当たりにする。日に何度もヘルパーや訪問看護が家に入る事にも疲れて居られる家族もある。胃に穴が開いて、はらはらと涙が出る意識レベルのはっきりした当事者もあった。自分で食べれなくなったら、体が要求しなくなったら、それはそれで自然な体の反応なのかもしれない。

夫の最後を思い出す。緩和ケア病棟で出る食事の大半が食べられなくなった時、
 「食べたかったら食べるから、勧めてくれるな。」
確かに、ガン骨転の体を意地でトイレへ誘った人だから、欲しくない体に食物を勧められるのは苦痛だったろう。少しでも長らえる命でいて欲しい私のエゴが食べ物を無理強いしていたのだ。食べられなくなってからは、ほんのひとくちシャーベットを口にしたがった。いつでも取り出せる様、栄養士さんが用意された物が病棟の冷凍庫にあったが、一般病棟にはない。家族が売店へ、病院外コンビニへ走るしか、冷たいシャーベットで口を潤してあげる事すら至難の業…

胃婁、鼻腔栄養、高カロリー栄養補助食品の単語が日常的に飛び交う在宅介護支援事業所に在籍して、いつもチクリと小骨が刺さる。今、最大の医療への疑問。

 老衰ってなんだろう?