ALQUIT DAYS

The Great End of Life is not Knowledge but Action.

お疲れさん

2019年08月02日 | ノンジャンル
先月末、家内が退職の日を迎えた。
長い間、本当に大変だったと思う。
心からのお疲れさんを言うと笑っていた。

家内の話を聞いていると、時々、昔観た映画を
想い出す。
黒人の主人公が特殊な能力を持っていて、
病人の病気を吸い出し、吐き出して治す。

そんな彼も、すでに失われてしまった命を
取り戻すことはできない。

美容師の仕事は、人に触れる仕事である。
その人の頭や髪に触れるだけで、その人の心身の
健康状態がわかるらしい。

髪を切る仕事ではあるが、彼女はお客さんの
心身の疲れを取ってあげるつもりで接している
という。

忙しければ、一日に20人以上のカットをするのが
常だった分、取った疲れを自分がもらってしまう。

休みにジムに行ったり、毎晩、近くの温泉に
浸かりに行ったりして、もらったものを吐き出して
いたのだろう。

学歴もなく、とんちんかんなことを言って
私を失笑させることも多いが、人として
最も尊いことを彼女は意識せずして実践してきた。

思えば、私と彼女は、性格の不一致どころか、
水と油ほどの違いがある。
だがそれは、互いに足りないところを補い合う
ということで不思議に調和する。

私にはできないことを彼女はやすやすとするし、
その逆もまたあるのだろう。

しばらくはゆっくりするつもりらしいが、長い間
じっとしてはいられない酉年の彼女の事である。

また新たな展開への始動も近いかと思う。

とまれ、束の間であっても、今は自身のために
ゆったりとした時間を過ごしてほしいと思う。

とはいえ、彼女の焦点が常に私にロックオン
され続けるのも困ったものなのだが。