ALQUIT DAYS

The Great End of Life is not Knowledge but Action.

うごめく

2019年03月06日 | ノンジャンル
今日は啓蟄。

冬の寒さに引き籠っていた虫がもぞもぞと
蠢きだす季節である。

とはいえ、この冬は比較的暖かく、
厳しい寒さの後の緩みという点では
メリハリがない。

うごめきだすものは何も虫だけではない。
冬を耐えた生けるものが、その緊張から徐々に
解放される季節である。

人も同じで、弛緩の時期というのはいわゆる
緊張の反動で、頭の中にも得体のしれない
うごめくものが湧いてくる。

また訳の分からない事件が多くなる季節が
やってくる。

春の歓びは、解放の歓びでもある。
その解放自体に弛緩が伴う以上、いわゆる緊縛の
時期にはなかった異常が出やすい。

つまり、緊縛の後遺症が出るのである。

そうしてみると、自然界というのは見事な
リズムを提供してくれている。

生命活動において、弛緩ばかりでも、
緊張ばかりでも具合が悪い。

緊張と緩和の適度な繰り返しによって、
生命活動はより良いものとなる。

それにしても、このところ、春と秋が
すっ飛ばされているような気候が続く。

急に寒くなったり、急に暑くなったりと、
つなぎ目の慣らし期間が極端に短い。

年齢と共に、季節の変化に適応する能力が
衰えてきている。
春と秋がすっ飛ばされると、なおさら堪える。

眠るように逝った父を思うにつけ、羨ましく
さえある。

どうやら、私の中でもそろそろ得体のしれない
ものが、うごめき始めたようである。