ギャラリー樟楠&あるぴいの銀花ギャラリー日記

作家の紹介から展覧会の様子。 ギャラリーのあるアルピーノ村の季節のお知らせ。

夏休みの旅④ 仁城義勝さん

2010年09月10日 19時53分51秒 | たけしの工房探検
   

2013.4.11:追記

仁城義勝展示情報/2013.11.7 - 11.18 作品展決定いたしました。

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高知への旅の帰り道にどうしても寄りたい所、会いたい人がいました。

あるぴいの銀花では、すでに3回 作品展を開催していただいた 仁城義勝さんです。

木地師でありながら、自身で漆の仕事もする 仁城さん。うつわも大好きなのですが、人柄や考え方、うつわ作りへの姿勢など、とても尊敬しています。会期中にも、いろいろと話を聞かせていただいたのですが、どうしても工房を尋ねてみたいと思っていました。

仁城さんの住まいは、岡山県。それも広島県との県境に近い井原市です。せっかく高知まで行くので、このチャンスを見逃したくなかったのですが、本当に行ける時間が作れるかわからなかったので、連絡もしていません。

下本一歩さんの住まいから山道を下り、鏡川を渡り、一番近インターから高速道路にのりました。途中で、一度高速を下り、香川でうどん。食べたら すぐに出発です。瀬戸大橋を渡り、進路は西へ。山陽道の笠岡で高速を出て、いざ仁城さんの住まいへ。

釣りの好きな僕は、途中にある池や沼が気になりましたが、竿を振っている時間はありません。イイ感じの池に気を取られながらも、何とか到着しました。仁城さんの車も停まっていて、一安心。

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出迎えてくれた奥様に ご挨拶。やわらかい笑顔の奥様は、染の仕事のなさっています。仁城さんは、2階で仕事中。ひと段落するまで、外にある材料庫を見せてもらいました。

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中には、栃や栗の板が所狭しと並んでいます。しばらくすると仁城さんが来てくれました。仕事の手を止めてしまい申し訳ありませんでした。話を聞いていると、材料庫の奥の方には、20年も寝かせてある材があるそうですが、設計上のミスで、奥の材に手が届かないそうです。

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下の写真は、うつわになると、木目のきれいな栗材。昨年の展覧会でも、その木目に惹かれた方がたくさんいらっしゃいました。

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そして仁城さんのうつわと言えば、栃です。我が家で使っている碗も栃。本当に気持ちよく 毎日使っています。

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やさしい栃材、たくましい栗材。そして、蜂。

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大きな獲物を捕まえて、重たそうにフラフラ飛んでは、休憩。

そして、木地の仕事場へ案内してもらいました。

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手前に、息子さんの逸景君のろくろ。奥が仁城さんのろくろ。逸景君にも会いたかったのですが、なんとナント何と、友人と釣りに出掛けてるそうです。(ウラヤマシイ)

仕事場の中には、粗削りのうつわが、あちこちに並んでいます。

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これから、削りの仕上げに入るそうです。

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逸景君のろくろの周りには、削り出した木の屑(クズといっても大切な屑)がいっぱいありました。木を大切に想う仁城さん。うつわを切り出す時に出る木端は、小さな作品を作る阿部太郎さんに渡し、カトラリーに。作品にならないくらい小さな木端は、薪に。削り屑は、畑の肥料などにも。

「木には無駄な所など無いんだよ」

仁城さんの仕事や暮らしを見ていると、前に聞いた話が、あふれるように思い出されてきました。

「値段の高いうつわを作ろうと思えば、大きな材の中の一番いい所だけ使い、高い漆を何度も塗れば、良いかか悪いかは別として、高いうつわはできる。しかし私は、高いうつわも、キレイな作品も作る気はない。手にした材をすべて使いたい、うつわになれない所は別の人に使ってもらう。うつわになっても、木の曲が出る時もあるが、その曲が出たところを好んでくれる人もいる。漆を塗るのは、木地師として削った うつわを使ってもらうのに、漆を塗るのが一番長持ちするから漆を塗るのです」

「1年間の仕事は、自分の都合ではなく、木には木を削りやすい時期があり、漆には漆の塗りやすい時期があって、乾かしやすい時期もある。だから私は、仕事のできない時期が、うつわを売る時なんです」

何度も思い出し、お客様に伝えた仁城さんの言葉。想い。この仕事場を見させてもらい、あらためて、仁城さんと 仁城さんのうつわ に惚れてしまいました。

秋から年末にかけて、仁城さんの展覧会は、日本各地で一斉にはじまる。僕の訪ねた8月上旬、木地の仕上げと、漆の塗りはじめ。今年のうつわは、まだ ひとつも出来ていなかった。

今年の漆塗りをスタートしたばかりの、塗りの仕事場も見せていただいた。

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今は、たくさん使ってもらって、漆の薄くなったうつわの塗り直しや、修理。

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そして、小皿などの小物の1回目の塗り。

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この小皿たちは、この後、ヤスリをかけて水で洗い、乾かして、また漆を塗る。

その仕事をする部屋の床は、滴った水跡が模様になるほど。

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季節を追いかけての仕事は、一気に忙しくなるそうです。

来年、2011年11月 あるぴいの銀花ギャラリーに、仁城さんの想いの詰まったうつわが届く。

まだ先の話ですが、今から楽しみです。

そして、仁城さんの笑顔にも また逢える。

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帰り道、気になっていた沼に、一艘のビニールボートが浮かんでいます。

もしかして・・・・  マジで・・・・

大きな声で 「逸・景・君~!」

「はーい。誰?」

遠かったですが、無事会えました。

2011年11月10日(木)より仁城義勝 木のうつわ展開催予定です。

詳しくは、あるぴいの銀花ギャラリーHPをご覧下さい。□

     

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