飛び込め!な、感じで。

きでへど ちょあ (♡˙︶˙♡)

BIGBANG G-Dragon 妄想小説「StrawberryYoghurt」⑬

2009-07-31 19:17:47 | G-Dragon 妄想小説
トイレでは女性の2人組がメイクを一生懸命に直している。

1人はマスカラをさらに長く、もう1人は滴り落ちそうなくらいにグロスを重ねづけしていた。
それを横目で見ながら、個室へ向かおうとした時だった。


「めちゃくちゃラッキーだよね」

「まさかさ、ジヨン先輩が回してるなんて~。こんなことあるんだね~!」

「まだいるみたいだから、化粧直しておかないと」


マスカラを何度もつけては、まばたきをして長さをチェックしている。

「あんたなんか相手にしてくれないってぇ~!!」

2人はジヨンの後輩だろうか。
今日のシークレット出演を知らずに来たようで、とても興奮している様子だ。聞こうとしてるわけじゃないのに、あまりの声の大きさに嫌でも耳に入ってくる。


「だけどさぁ、ジェヒさんも来てたじゃん!帰って来てたんだね」

「あ、そうそう!いたいた~~~!わざとジヨン先輩の前で踊ってるみたいだったよね~」

「よくあんなことできるよね~」


この2人、ジェヒさんのことがあまり好きじゃないみたいだ。


「あの2人さ、また復活するのかな」

「さぁ・・どうだろう・・・。でも彼氏がいたジェヒさんを奪ってまで付き合いだしたんだから、ジヨン先輩だって帰って来て嬉しくないわけはないと思うけどなぁ~」


他の人とつきあってたジェヒさんを奪った???


「にしてもさぁ~。最強のカップルとまで言われてたぐらい仲が良かったのに、何も言わないでロンドン留学しちゃったんでしょ?」

「そうらしいよ。うちのオッパーが言ってたもん。その時のジヨン先輩の荒れようは見ていられなかったって」

「お兄ちゃん、ジヨン先輩と同じクラスだったんだ~」



2人が出て行き、私だけがその場に残った。



私は何度も何度も手を洗った。動揺した心は水の冷たささえ感じない。

蛇口をフルに開け、さらに勢いよく水を出す。

叩きつけるように出てくる水に、そのまま手を当て続けた。


ジヨンとジェヒさんの関係。

ジヨンが、奪ってまで愛した人。



過去のことだ、と思ってはいても冷静でいられない。

水にさらし続けている手の感覚がだんだんと麻痺していく。
私は、顔をあげ鏡を見た。

そこにはジェヒさんとは比べ物にならない平凡な、いや平凡すぎる人間が映っていた。

BIGBANG G-Dragon 妄想小説「StrawberryYoghurt」⑫

2009-07-30 16:01:32 | G-Dragon 妄想小説
ジヨンは出番を終えてからしばらくして私達のテーブルにやってきた。

「すっごい盛り上がってたね~~~!!!」

「だろ?たまにはね、こんなとこで回すとまた違う楽しさがあるんだ」

「うん、ジヨン楽しそうだったもん」

「違うだろ、オマエ、言葉間違えてる!」

片方の眉をあげ「そういう時はな、カッコよかった、って言ってくんないと」

ヨンチョルさんが「やれやれ」と言った表情をしている。



「じゃ、オレは役目を果たしたし帰るわ」

立ち上がったヨンチョルさんを無理やり座らせ、バーテンダーに言った。

「これ、おかわり作ってあげて」

「いいよ、オレ帰るよ。ジャマだろ?」

「いいじゃん。3人で飲もうよ。なぁ、全然ジャマじゃないよな?」

「うん。これだけのために来てすぐ帰らせるなんて申し訳ないですし・・・あ、私ちょっとトイレに行ってくる」

「大丈夫?場所、わかる?ついていこうか?」

からかうように聞くジヨン。

「ちょっと~。いくらなんでも子ども扱いしすぎ!!!1人でも大丈夫ですっ!」

2人の笑い声を背に、私は席を離れた。


BIGBANG G-Dragon 妄想小説「StrawberryYoghurt」⑪

2009-07-29 15:10:46 | G-Dragon 妄想小説
フロアに背中を向け、頼んでいたレッドアイを半分ほど一気に飲んだ。
このざわついた気持ちを落ち着けようと、<はぁ~>とわざと声に出してみた。


一息ついたとき「よっ!」と肩をたたかれた。

「あ!!ヨンチョルさんも来てたんですか?」

「ここにいたんだ~。フロアをずっと探してたんだけど」

「はい、私、あんな中に入って踊れないし。それ以前にこんなとこ慣れてなくて・・・」

そう言った自分がとてもかっこ悪く思えて、うつむいた。


「あはは。実はジヨンに頼まれたんだ」

「え?」

「呼んだのはいいけど雰囲気に戸惑うだろうから、見つけて一緒にいてやってくれって」

「そんなことを・・・・」

またひとつ感じた、ジヨンの優しさ。


横にいたヨンチョルさんがジヨンに手を振る。私もつられて小さく手を振った。
それに気付いたジヨンは右手をあげ、またターンテーブルへ目を戻した。


「あ、そういえばジェヒさんも来てるんですね」

「ジェヒが?」

「はい、さっき見ましたけど」

「・・・・・」

「ジヨンの前で踊ってましたけど・・・こういった場所、慣れてる感じで人目を引いてて。私が言うのもなんですけど・・・・すごくカッコイイ感じ!」


「・・・・・・・」

何も言わないヨンチョルさんは、何か考え込んでいる顔をしている。

「どうかしたんですか?」

「ん?いや・・・・なんでもないよ。ほら、ちゃんとジヨンを見てないと!もうそろそろG-Dragon Showも終るよ」

「あ、はい」

私は、ジヨンの優しさに浮かれていたのかもしれない。
ヨンチョルさんの曇った表情を、さほど気に留めなかった。





BIGBANG G-Dragon 妄想小説「StrawberryYoghurt」⑩

2009-07-28 18:31:06 | G-Dragon 妄想小説
ジヨンがシークレットで出演するというクラブイベントの日、オープン時間はきているのに何を着ていけばいいかまだ迷っていた。

クラブで遊ぶことなんて、ほとんどない。
一度だけ、友達に無理やり連れて来られたときはずっとテーブルに座って、踊る友達を見ていただけだった。

ああいった賑やか過ぎる場所はどうも苦手だと自分で解っているけれど、ジヨンが来てくれというので行かないわけにはいかない。

私はクローゼットの中から、唯一派手めなデザインの、胸元の少し開いた黒のワンピースを選び家を出た。



クラブに着くと、ちょうどジヨンがそでから登場したところだった。
サングラスをかけたジヨンをライトが照らしながら追う。
ターンテーブルの前に着くと、サングラスを外した。

店の中が、一瞬静まり返る。そのあとすぐ「うぉ~~~!!」という地響きのような声に変わった。
その歓声はうねりとなって入り口に立っていた私の体にまで伝わってくる。


DJブースのジヨンはヘッドフォンをつけると左手を突き上げ、人差し指で天を指した。
それと同時に、レコードが回りだす。
曲が始まるともうひとつのターンテーブルで次につなげる曲をチェックしてる。

ジヨンの選曲はフロアにいた人を喜ばせ、その様子をみているジヨンもとても嬉しそうだ。

曲を流している時はヘッドフォンを首にかけ、両腕でリズムを取りお客さんを煽る。
また時に指先でスクラッチするその姿は、「G-Dragon」の顔だ。
フロアはみんな陶酔したように踊っていた。

その中に入ることなんてもちろんできず、バーカウンターへ座りジヨンとフロアが一体になって楽しむ姿を眺めていた。


1人、目に付く人がDJブースのすぐ前で踊っている。

ジェヒさん・・・・?
そうだ。あの時、ほんの少ししか顔を合わさなかったけど。
知ってる顔だから目に付いたんじゃない。

場慣れしてる感じ、リズムに乗ってしなやかに踊る姿。私だけじゃない。そこにいる人達が思わず目を向けてしまう。
そんな、「特別な空気」を持った人だ。

私はしばらくジェヒさんの姿だけを見ていた。

あ、ジヨンに笑いかけた。
ジヨンもそれに応えてる。

なんだろう、この胸が苦しくなる感じ。
思わず目をそらした。








BIGBANG G-Dragon 妄想小説「StrawberryYoghurt」⑨

2009-07-27 18:35:07 | G-Dragon 妄想小説
変だな、と思ったのはあの時だけでその後もいつもと同じように日に数回のメールが来る。


そばにいなくても、ジヨンが今何をしているのかがわかってしまう。



『いちいち行動を報告しなくてもいいよ

『オマエを不安にさせたくないんだよ』

『大丈夫だって。信じてるもん

『何?実は本当は面倒とか?

『あ~!あの時言ったこと、まだ根に持ってるの?

『そうじゃないけど。オレたちそう頻繁に会えないし、それに何かの情報とかで傷ついてるんじゃないかと思うと、ちゃんとオレが今どこで何をしてるのか報告しておきたいんだ

『ありがと

『で、今何してたの?』

『ウォーキングにでも出ようかなって思ってたとこ』

『こんな夜に?危ないからダメ!』

『大丈夫だよ~。明るいとこ歩くもん』

『ダメダメ。何かあってもオレ、守ってやれないから行くな!

『わかった、じゃ、今日はやめる』

『今日だけじゃなくて、ずっとダメ。もっと早い時間にして!!』

『わかったってば~~~』

『あ、今週末さ、クラブのイベントで回すんだけど来ない?』

『そうなんだ!!だけどジヨンが回すって言ったらそこ、大変なことになるんじゃない?』

『もちろん、シークレットで登場オマエ、オレがDJやるとこ見たことないだろ?すっげーカッコいいぞ

『見たことあるよ~~~こないだのコンサートでやってたじゃない

『そっかそうだったな。あの時よりももっと長くやると思うから見に来いよな。待ってるから。あ、これから収録始まるから行くね』

『わかった。ファイティーン

『コマウォ