随想録~つれづれなる一言日記⇒Part2はhttps://blog.goo.ne.jp/conny_mizukiにて

私こと瑞希祐作が、無秩序・無作為・無節操に自分の思いのままを書きつづってみました。楽しんでください!

イエローストーンツアー 2009-その1-

2009-06-20 | Travel
 5月の末からイエローストーンに行ってきました。まぁ、このブログでもその話は何度か出してきたので、ここで改めて言うほどのこともないのですが・・・。とりあえずまだまとめをしていなかったので、ここで重い腰を上げて報告をしようかと思います。

 意外なことにイエローストーンというのは、米国の中でもグランドキャニオンに匹敵するか、それ以上に人気のある国立公園のようです。(私が聞いたところによると、日本人はグランドキャニオン、米国人はイエローストーンといった感じですかね?) うちの連中もこのイエローストーンは昨年のツアーにと考えていたのですが、急遽カナディアンロッキーツアーに変更になってしまい、この旅行は一年遅れのものになってしまいました。

 当初うちの細君はHometownから車で行って、車で帰ってくるということを考えていました。イエローストーンまでの道中に。「マウントラッシュモア」「バッドランド」「デビルズタワー」等のいろいろな見所があったからです。ここを車で往復すると恐らく12日くらいは必要ではないか? と思えるような距離です。ところが、子供達のサマースクール、私の出張とかの要素が重なり、土日を入れたとしてもどうあがいても8泊9日が限界! ということになり、試行錯誤の末、行きは飛行機でアイダホフォールズまで行き、そこからレンタカーを借りて帰ってくるような計画になってしまいました。確かに車で行けば、かなり安かったのですが、如何せん米国旅行は金よりも時間がかかるものなのです。ということで、ツアーはスターとしました。

 まず初日は、私の大嫌いなデンバー経由でアイダホフォールズに入りました。ここはイエローストーンの南の玄関口であるジャクソンフォールから車で2時間ちょいのところです。正確にはイエローストーンの南にはグランドティトン国立公園が並立しており、今回もここを経由していく予定にしていました。当然のことながらデンバーではサンダーストームに襲われ、飛行機がぐらぐら揺れながら降りて、また上ってといった感じで、アイダホフォールズへ到着するともうくたくた。でも直ぐにレンタカーを借りに行きました。過去の「国立公園内のロッジではまともなものが食べられない!」という教訓からWal-Martで水と食料(カップめんのようなものとかチョコ・クッキー・パンのようなつまめるもの)を買い込みました。今回は小さめの折りたたみのできるクーラーボックスも持っていたので、ハムやチーズも買いました。クーラーボックスの中の保冷剤や氷をこまめに変えれば十分冷蔵庫的機能を果たすのはわかっていましたので、今回はこれを実践しました。あと、ハンバーガーショップとかで少々ケチャップやマヨネーズを拝借し、準備は完了! 一路ジャクソンフォールへと向かいました。

 ここで一つハプニングが発生しました。ご存知のとおり最近買ったナビゲーションシステム(カーナビをもじって「カナビン」を通称にしました)を使い目的地に向かったのですが、カナビンの示す方向がどうもあやしいのです。いや、あやしいというよりは、道が非常に険しそうな感じのものなのです。日中なら良いのですが、もう既に真っ暗になっています。都会ではありません。街頭もありません。そんな中、あぶなっかしい道を指し示すのです。近くて早いからです。でも、夜の未知な道ですから、何かあっても対応がむずかしくなります。それで、進路を変更しようとしたのですが、なかなかカナビンは言うことを聞いてくれないのです。すぐに引き返せ! とか、Uターンしろとか、ほぼ30分ちかくぐちゃぐちゃ言っていました。ようやくカナビンのお勧めルートと迂回路の残距離数が同じになると、少しはだまるようになりましたが・・・。そうして気を抜いたところに、今度は動く影が出たのです。幽霊ではありません。鹿さんでした。やっぱりこういう森林地帯ですし、まっくらなのでそりゃ出るのは予想していましたが、まさかこんなに早くでてくるとは思いませんでした。でも暗かったので、「あっーーー!」と言っているうちに通り越してしまいました。とはいえ、今回の旅でいろいろな動物たちに出会えるような予感がしました。

 ようやくジャクソンフォールに到着し、ここで一泊しました。

 翌日朝になると、ここが本当に大自然にあるのがよくわかりました。いやはや、氷河に覆われた山々と緑の森や草原、あふれんばかりのNatureがそこにはあるのです。グランドキャニオンのような「赤い」広大さでもなく、カナディアンロッキーのような「エメラルドグリーン」の鮮麗さでもありません。一面の若々しい「緑」が、その風景に命の息吹を与えているのです。躍動感を与えているのです。ということで、そういう景色に目を奪われつつ、一路グランドティトンに向かいました。

 グランドティトンは、どちらかと言えばモーレンレークの「テンピークス」とジャスパーの「マレイン湖」を合わせたような風景でした。ただそれがこじんまりしているのではなく、緑の大草原に広がっているのです。「雄大」という表現がぴったりだと思います。この地は映画「シェーン」でも舞台になったところです。確かに言われてみれば、映画とそっくりの風景が南側ゲートを入って直ぐの小さな教会(トランスフィギュレーション礼拝堂)のところにありました。写真で撮ってみると、バックの山々が青い空に映えて何ともいえないすばらしい「風景」になりました。ちなみに、「シェーン」は去っていった後に死んでしまったという「死亡説」があるのです。ご存知ですか?
 
 さて、インフォメーションセンターでいくつかのトレイルを紹介してもらいましたが、時間がなかったのでJenny LakeをわたったところにあるHidden FallsとInspiration Pointのみ見ることにしました。Lakeをボートで15分くらい行くともうそこは、グランドティトンの山々の麓です。そこから片道30分くらいのところに滝があるわけですが、いつものトレイルと違い少し起伏に富んでいました。おまけにもう6月だというのにまだ残雪があるのです。それも道の広範囲を覆っているところもありました。時々足をとられないように慎重に進んだので、そんなに距離はないのに意外と時間がかかったような感じでした。ようやく滝を見つけると結構落差があるのにびっくりしました。写真を何枚か撮ると、もう一つのInspiration Pointへと向かいました。看板にはこの先0.4マイルと書いてあり、そこからは完璧な山道です。傾斜もきついです。「でもまぁ近くだからいいや!」と思い上っていったものの、なかなかその場所につきません。ワインディングしている道を何度も切り返し登っていきました。20分くらい歩いたでしょうか? 0.4マイルなんてもんじゃありません。どう考えても1マイルはあったような気がしました。それでもようやくそこに辿り着くと、一面の展望が開けました。眼下にJenny Lakeが、そしてその向こうには森や草原そして山が果てしなく続いています。見渡す限りの絶景です。こういう風景は何時間見ていても飽きません。しばしそこで時を忘れて、自然の雄大さを堪能してしまいました。

 では、あの0.4マイルとはナンだったのでしょうか? もしかして直線距離だったのでしょうかねぇ?

 トレイルをこなした次は、動物探しです。とりあえず双眼鏡を片手に家族は動物をさがします。最初にでっかいものを見ました。バイソン君です。いや、その巨体は本当に大きいです。「車よりでかいんじゃないの?」といったような大きさで、あんなのにぶつかったらたまったもんじゃないと思いました。でもそれほどたくさんはいません。ところどころに1頭、また1頭とのんびりむしゃむしゃやっています。でもみんなから言わせると、もっとたくさん見えるはずだと言っていました。彼らはどこにいったのでしょうか?

 夕方ロッジにチェックインした後、そこの人に動物がたくさん出そうなポイントを聞き、出かけてみました。Snake River沿いのところだったのですが、動物は見当たりません。と、遥か遠いところにどうもムースかエルクのようなものが数引きでおっかけっこしているのはわかりました。でもたくさんいるはずの動物はどこにもいません。「がっかりだなぁ~!」と思った瞬間、細君の「あっ!」という声。向こう側の原っぱのところに何か動きがあったのです。いや、正確にはその原っぱにはたくさん石があるなぁ、と思っていたのですが、その石が動いているのです。そうです。たくさんの石と思っていたのが実はムースやエルクの集団だったのです。そういっているうちに日が傾きはじめるとそばの森から一匹二匹という単位ではなく、ぞくぞくと奴らが出てくるのです。「うわぁ~、あれ全部そうなんだ・・・。」と思った瞬間の驚きといったら表現ができません。ここれもまた自然がいかに大きいかを実感していました。

 夜中、細君にたたき起こされました。狼らしき声が聞こえました。ちょっと外に出てみるとそこには満天の星々がまたたいています。やはりこういう景色は空が澄んでいるところでないと見えるものではないですね・・・。日本では絶対あのきれいな天の川は見えないでしょう。

 そして、イエローストーンへと私たちは歩みを進めたのです。(-その2-へ続く)