随想録~つれづれなる一言日記⇒Part2はhttps://blog.goo.ne.jp/conny_mizukiにて

私こと瑞希祐作が、無秩序・無作為・無節操に自分の思いのままを書きつづってみました。楽しんでください!

星霜の 落つるが如く 蛍かな

2009-06-17 | ちょっと変わったお話
 一昨日のことでした。下の息子の日本語教室で「作文か詩か短歌か俳句を一人ひとつずつつくりましょう!」というのが宿題になり、その話をしていました。元来うちの娘と私はこういった文章を書いたり創作するのが比較的得意なのですが、うちの細君と息子はこういうことがからっきし苦手です。いつも作文を書かせると、たった原稿用紙2枚の作業が簡単に徹夜作業になってしまうから不思議です。確かに本を読んでいないことも原因にあるのですが、根本的に「文章を書く」というのが苦手なのです。

 で結局何を書くの? と聞いたところ、迷うことなく「俳句」という返事がありました。理由は案の定「字数が少ないから・・・。」とのこと。全くわかっちゃいないというのが実態です。字数が少なければ少ないほど、表現が難しくなるのがわかっていません! まぁ、文章を書くのが苦手なわけですから、少しでも字数を減らしたいのはわかりますけどね・・・。

 そこで娘と二人で、どんな俳句が作れるかな? とためしにいろいろと話をしてみました。最近ちょうど家の庭でも蛍が見え始めました。暗い夜になると、クリスマスのライトみたいにグリーンの蛍光色をいくつもちらつかせています。それがなかなか風情があっていいのですが・・・。で、そんなことを言っているうちに、一句ひらめきました。

 「星霜の 落つるが如く 蛍かな」 By Alford J. Claud

 自分では空からあまたの星が落ちてきて、それが蛍のあの光になったんだよ! ってな感じの意味で読んでみたのです。まぁ、だいたいにして文章自体がいつも乱雑な私ですから大したものが書けるわけでもありませんが・・・。でもこれを読んだときに違和感を少し感じていたのです。

 星霜というのは、本当の意味は「幾歳月」をあらわす言葉なのです。だから裏読みをすれば、幾歳月を経て燃え尽きた命が儚い蛍のようにきらめいているのだ! ともとれるのです。いや、実際自分は意識していなかったのかもしれませんが、何か人生の儚さをそのとき感じていたのかもしれません。そんな気持ちになったのも折りしもプロレスラーの三沢選手が急逝してしまったからかもしれません。意外なことかもしれませんが、私は結構昔はプロレスマニアだったのです。どちらかというとジャンボ鶴田派でした。技はジャンピングニーパッドしかないけど、王道のストロングスタイルを貫いたあの選手もまた、早世でしたね。そういう切なさが何となく胸の中にあって、そういう俳句が読めたのだと思いました。

 ところがです・・・。昨日の午後に突然メールが入りました。

 私が仕事でお世話になっているとある会社の人が、休みにテニスをやっている最中に突然心臓発作で意識を失い、そのまま帰らぬ人になってしまったのです。さすがにメールを見たとき、そして電話をして彼の同僚に話を聞いたときにはショックでした。だってこないだ、それも10日ほど前に一緒に元気にお酒をいっぱい飲んだ人ですよ! 一緒に仕事をばりばりやっていた人ですよ! なんでそんな死んでも死なないようなおじさんが簡単にコロッていってしまうのでしょうか? びっくりなんてものではなく、心の中にぽっかりと穴が開いてしまったようでした。

 その時感じたのです。この句はそういう何か、予知的なことがあったのかもしれない・・・と。

 まぁ、霊感的なことは非科学的かもしれませんが、私はこの拙い句ですが、彼に時世の句としてささげようと思いました。

 ご冥福を心からお祈りしたいと思います。