ソ連が崩壊した時、それまで大量にアジアのタイやベトナムに遊びにきていた欧州の男性客が、ピタリと来なくなってしまった。若くて美しいロシア人女性と、地中海沿岸や今の黒海沿岸のリゾート地で、手軽に安く、遊べるようになったからだ。
日本では、手近なウラジオストックに出かけて遊んできたものの大勢いる。ソ連は経済発展が遅れて、農山村地帯は貧しかったからだ。その頃は、日本の男性週刊誌に、しょっちゅう、若いロシア人女性の美しいヌード写真がいっぱいだった。
もちろん、それらの大量の「出稼ぎ労働者」から「人身売買」に至るまでも支配していたのは、裏社会。別名、「ロシアンマフイア」として、その後も、アメリカ社会にまでも進出して、売春から人身売買、麻薬に至るまでも手を広げて、暗躍したし、現在もロシア国内から海外までも、強大な力で活動を継続中だ。
これからは、難を逃れたはずの避難民から、ゼレン君の国家崩壊の生贄になるだろう。
そもそも、ゼレン君が大統領に選挙で選ばれたのは、2019年4月22日、彼が、41歳の時だという。若い大統領に就任して、3年も経ずして、国を、国民を無残な泥沼の戦争に追い込み、街は破壊され、インフラは破壊され、国土の一部は奪われ、大量の難民が国外に逃げ出すこととなってしまった。
「徹底抗戦」などと、若気の至りで、老練な大国の代理戦争をしている。新型兵器や弾薬の供給を受けて、万一ロシア軍を追い返したところで、取り返しのつかない事態を修復するのは、容易ではない。
ウクライナ人は、どう考えても、後進国特有の「うぶ」さが残っている。海千山千の先進諸国の、手垢のついた「自由主義社会」の裏を知らない。映像に見る車のCMが、大空を自由に飛ぶような現代的な社会の表面だけを見て、憧れを抱いている。
私は「エコカー」と呼ばれて、減税までされる欺瞞に腹立たしい限りだが(何といっても、エコカー一台作るのに、それが、走行中に節約するガソリンの消費量の何百、何千倍もの石油を使うからに他ならない)、自由な資本主義社会とは、金が全ての価値に優先する、不条理な社会でもある。
人が一生を幸せに生きるのに、それほどの「自由」は必要ではない。自分たちが選んだ元喜劇役者が、自分の生活を根本から瓦礫にするとは、思ってもいなかったことだろう。