とまあそんな感じでレースに出場することになりました。
しかし、ただ出るだけでは物足りない。
やっぱり人間は向上心の生き物。
目標が必要ですね。
今回自分が持った目標は
ずばり『完走』です。
ただ、完走と言っても24時間だらだら走ることではありません。
この『完走』というのは、大会側が定めた完走扱いになることです。
その完走扱いとは、
総合優勝チームの50%以上の周回数を走ることです。
これはソロで走る自分にとっては、かなり高いハードルです。
4.5キロのコースで、
自分のペース(24時間走り切るためのペース)で1週約30分。
でも夜はその1.5~2倍くらい時間が掛かる可能性があります。
それ以外にも食事(補給)、着替え、レストを考えると、
1時間に1.5周したとして36周する計算になります。
昨年のリザルトを見ると優勝チームは70週を走っていました。
これを考えるとかなり微妙なラインですね。
とはいえ、自分に出来ることは目の前のコースを一生懸命走るのみ!
あんまり先のことを考えて見ても仕方が無い。
気持ちを切り替え集中してスタートしました!
レースは、ほぼ最下位でのんびり始まりました。
これは作戦です。
『頑張らない作戦』です。
もちろん気持ちは前へと思うのですが、
焦りすぎて頑張ってしまうと絶対にバテテしまいます。
24時間はそんなに短くありません。
優勝候補のチームなどに何回も抜かれますが、辛抱、辛抱。
ひたすらマイペースで走りました。
レース開始して10時間後の夜8時が正直一番辛かったと思います。
10時間走ってそれなりに疲れてきているし、これから夜を超えるプレッシャー。
何回も心が潰されそうになりました。
サポートをしてくれた仲間の励ましで心が折れずに走ることが出来ました。
長い長い夜を何とか超え、やっと日が昇ってきました!
やっぱり、人間が生きるためにはお日様の光が必要なんですね。
夜通し走った足はスカスカで膝は痛いし、それ以外の箇所も大体ボロボロ(笑)。
それでも太陽の光を全身に浴びると元気が出てきます。
この時はじめて『完走』出来るかも知れないと思いました。
明るくなってからは、本当に時間が早く進みました。
手元の時計を見ると残り30分。
ゆっくり走れば『これでちょうどゴールかな』と思ったのですが、もう1人の自分が話しかけてきます。
『頑張ればあともう1周出来るんじゃないの?』
耐久レースのルールは制限時間内でチュックポイントを通過出来ればもう一周走ることが出来ます。
30分以内にチェックポイントを通過すればもう一周出来る、気が付いたら後先考えずに思いっきりペダルを踏んでいました。
今まで一番軽いギアでゆっくり登っていた坂も少しギアを重くしてダンシング(立ち漕ぎ)で。
もう身体はボロボロで残っている力はありませんでしたが、
『残っているものがあったら全部出そう』
そう自分に言い聞かせペダルを踏み続けました。
奇跡は起きました!
終了30秒前にチェックポイントを通過することが出来ました!
そして何とか最後の1周を走りゴールすることが出来ました!
ゴールした時は、もう頭の中は空っぽ。
『なんか鍋に水入れている人がいるな~』
なんてぼんやり考えていたら、その水がおもいっきり自分に掛かりました(笑)!
でも、これだ終わったんだーと思うと何とも感慨深いものがありました。
しばらくその場で休んでいると、
スタッフの人が最新のリザルトを持って来ました。
すぐに確認すると、自分の周回数は35週でした。
優勝チームは69週回と言うことなので、
なんと『完走』することが出来ました!
いやー、ホントに頑張って良かったと心から思いました。
(しかし4.5キロ×35周って150キロ以上も山の中を走っていたのですね;笑)
レースが終わり身体はボロボロになったけど、心はとてもリフレッシュ出来ました!
なんて素晴らしい大会だったのだろう!
走っている時は辛くて『もう絶対来年は出ない』なんて思っていましたが(笑)、
なんか今は来年も走りたいなーなんて思っている自分がいます。
最後になりましたが、サポートして下さいました皆様
本当にありがとうございました。
食事、マッサージなどあの完璧なサポートが無ければ自分は絶対に完走することは出来ませんでした。
心から感謝しています!
感動のゴール!
興味ある人、来年一緒に走りませんか?
弘資
おまけ
文章だけ読んでいるとかなりストイックなレースと
思う方もいるかもしれませんが、全くそんなことはありません!
楽しむことをとっても大事にしている素敵な大会です。
(知り合いのブログから写真拝借しました。)
彼は馬鹿なのではありません。ちょっと変態なだけです(笑)
※ウソです。仮装コンテストで大賞をとるためレースを盛り上げているのです。
左の子どもたちはかなり怪しそうな顔で見ていましたが;笑