田舎のエプロンおばさんのエッセー集(アキのあしあと集)

日常の生活記録や認知症の主人を抱え奮闘する私の日々の記録をエッセー風にしました。

135  認知障害者が倒れたら・・・パート2

2006-04-10 10:38:53 | 認知症の夫を抱えて
朝6時半私の携帯電話が鳴り出す、病院からだった。主人が酸素マスクをは
ずし点滴を抜いて心電図のモニターも外し帰ると騒いで裸足で院内を血だら
けにして歩き回って困っています。男の私でも手に負えません!抑制帯でベッ
トに固定してもよろしいですか?「ま~ご迷惑かけて申し訳ありません、固定
してください」それから私も身支度をして病院へと車を走らせる。7時半到着。
主人は両手と体計3ケ所くくられ哀れな姿!涙がこみ上げる。急いで抑制帯を
ほどき自由にしてあげる。ベットを起こし背中をさすり謝る私。手に箸を持た
せ朝食をさせようとするが右手が曲がらない!「どうしたんだろうか?手が痛
くて曲がらんよ」と訴える。救急車で運ばれたことも、暴れたことも、どうし
てここに居るのかさえも分からない!私は泣きながらご飯を食べさせる。
看護士さんが個室に入ってくれませんか?そして消灯まで家族の方が付き添っ
て下さい、病院では対処できません。検査の造影剤注入も20秒息を止める指示
も理解と協力が無理だから中止します。それなら家につれて帰るしかない。
治療も検査も出来ないなら家で自由に生活するほうが彼も人間らしく生きられ
る。狭心症なのか?心筋梗塞なのか?原因は分からないまま退院しました。
認知障害者が倒れたら最悪です。特に主人のように足腰が丈夫な認知症の人は
病気になったらアウトです。ただただ家が恋しくて家が1番憩いの場なんです。
人間らしく尊厳を持って生きる!彼は今73才!これ以上何を望むのでしょうか?
再発したらその時はその時です。退院後家族に囲まれ赤ちゃんと遊び犬と戯れ
嬉しそうにしている主人を見てこれで良かったと私も安堵しています。

  平成18年4月10日  記  覚悟は出来て安堵しているエプロンおばさん