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上げてみます_【 コラム 】 ”いいお湯”10の条件 (前編)

もう12年も前の、自分でも忘れ去っていた記事。(2006/09/30UP)
なんか急にアクセス増えてるみたいなので読み返してみました。

うん、なかなかいいとこ突いてるかも・・・(笑)
しかし12年もたってこんな事云ってるようじゃ、温泉については全然進歩してないな。
それに自分で撮ったのに、どこの温泉か忘れている画像がいくつか。これは大ショック。

あまりに温泉記事から遠ざかっているので、心を入れ替えて近々に再開してみたいと思います。

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【 コラム 】 ”いいお湯”10の条件 (前編) (2006/09/30UP)

湯巡りを重ねていくと、なんとなく”いいお湯”というのがわかるようになってきます。これは泉質とは違っていて、「泉質は好みじゃないけど、お湯はいい」あるいは、「泉質は好きだけど、お湯はいまいち」というケースがでてきます。
”いいお湯”は、いくつかの条件があわさってもたらされるものです。そこで、”いいお湯”の条件について、いつもどおりまったくの独断で洗いだしてみました。(まちがってたらごめんなさい(笑))



1.混んでいない
どんなに新鮮なお湯、たとえ足元湧出泉でも、源泉供給量を超える浴客があればどうしてもお湯はなまってしまいます。スパ銭では源泉かけ流し槽をつくるのがトレンドですが、お客殺到で多くはなまり気味。人気の共同浴場はお客が引きも切らないけれど、こういうところでお湯に感動したことはほとんどありません。
客数が増えると塩素系薬剤の消費量も増えるので、ガンガン大量投入するし、混雑してお湯が汚れればカルキ臭も強くなることは、経験的に知られています。
「いいお湯だから、混んでいるのだろう」と考えるのは浅薄で、「混んでいるから、いいお湯もそうでなくなる」というのが正解。
とにかく空いているお湯、これ絶対条件。



2.内湯・深湯・給湯方法
地下では還元環境にあったお湯は、湧きだした瞬間から空気にふれて酸化をはじめ、しだいに鮮度が落ちていきます。なので、なるべく空気に触れないほうがお湯の鮮度は保たれます。
露天より内湯、浅い浴槽より深い浴槽のほうが酸化の進みが遅いわけで、浅い露天より深い内湯を選ぶのが正解となります。
給湯のしかたも、見た目豪快な湯滝よりは、しずかな注ぎ込み、あるいは槽内注入がお湯にはやさしいやり方です。
浴槽のつくりは、お宿のお湯に対する見識があらわれるところです。



3.浴槽が小さい
以前は広い露天が大好きで、「あんな狭苦しい共同浴場のどこがいいんじゃ」(笑)と思っていました。だが、お湯のよさだけ考えるとこれは間違い。一部の例外をのぞいて温泉は鮮度が命なので、お湯の回転がはやい小さな浴槽のほうがいいに決まっています。
で、ポリ浴槽の温泉民宿や、旅館でもかけ流しの家族風呂が狙い目となるわけで、これは温泉好きのあいだでは定説となっています。(ただし、貸し切り露天は循環が多い)



4.自家源泉
敷地内に泉源があれば、それだけ新鮮なお湯が楽しめる確率が高いということ。
湯量が少なかったり、冷鉱泉沸かし湯の場合もあるので、「自家源泉=ザコザコかけ流し」という公式は成り立たないものの、自家源泉の宿は当たりのお湯が多いです。
お宿や施設がみずから源泉を管理しているのだから、それだけお湯についての見識も高い(はず)。「自家源泉かけ流し」というのは、温泉好きの殺し文句だと思います。
悪評高いセンター系の多くは自家源泉なのに、どうしてああも釈然としないお湯になってしまうのか、温泉界最大のナゾ(^^)。



5.泉源に近い(湧出形態?)
引湯でも共同配湯でも、泉源に近い風呂はだいたいコンディションがいいもの。大湯とか総湯とかいわれる共同浴場はたいてい泉源のそばにあります。
最近は引湯技術が進み、長距離引湯してもさほど鮮度は落ちないらしいですが、やはり泉源のそばを攻めてしまうのは温泉好きの性か・・・(笑)
究極の泉源湯、「足元湧出泉」「壁面湧出泉」の人気はすこぶる高いものがあります。
これとは別に、湧出形態があります。
漠然と、自然湧出 > 掘削自噴 > 掘削揚湯 の順にお湯がいいというイメージがあるものの、いちがいにはいえないかも。単純温泉系ではたしかにこの図式が当てはまると思いますが、食塩泉などでは掘削泉の方が湯温が上がり、天然ガスも混じって圧倒的なパワーのお湯を生み出すことがあります。
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上げてみます_【 コラム 】 ”いいお湯”10の条件 (後編)

【 コラム 】 ”いいお湯”10の条件 (後編) (2006/10/01UP)


つづきです。



6.混合しない
これはマニアック。
多くの温泉地では湯量の不足や湯温調整のために複数の源泉を混合し、共同(集中)配湯しています。源泉を混合することが、かならずしも湯質の劣化に直結するという確証はないですが、混合泉はなんとなくお湯の個性がボヤけているという感じがしています。
少なくとも、混合泉大量共同配湯の温泉地よりは、各宿が単独源泉を使用している温泉地の方が湯巡りの楽しさは増えます。



7.加水しない
泉温の高い源泉はたいてい加水することになりますが、お湯を引きまわして冷ましたり、熱交換するなど、ほかにも方法はあります。浴槽が小さく、混まない施設であれば、”しぼり掛け流し”というしぶい技が生きてきます。
熱いお湯でも蛇口を2つ設け、ひとつは非加水源泉、もうひとつはうめ水にしてくれると、状況により調節できるのでありがたいです。

よく、温泉ガイドで、「源泉が濃すぎるために加水しています」という記載をみますが、「濃すぎて入れないお湯」なんてのはほとんどなく、実際は湯量が足りんのだろ~な、などとついつい邪推してしまいます。(こういうのに限って成分量はたいしたことない ^^; )
ただし、配管保護や排湯規制からやむなく加水しているケースはあるかと思います。
玉川温泉など、強酸性を弱めるための加水もやむなしかと思います。



8.加温しない
加温は、加水よりは源泉に与えるダメージが少ないように思います。
最近はぬる湯浴が見直され、スパ泉でもぬる湯かけ流し槽を設けるところがでてきましたが、なぜか昔ながらの冷鉱泉はチンチンに熱く沸かされていることが多いものです。
温泉は生き物なので、あまり「熱いの、ぬるいの」わがままいわないで、おとなしく入りたいと思う今日この頃(笑)。



9.循環濾過除鉄しない
世間では”循環ぜったいダメダメ派”が急増しているようですが、これは個人的にはほとんど「他人の入ったお湯を使いまわししているのは汚い」という潔癖性的感覚からきているものと思っています。
すべての浴槽をかけ流しにするなど現実には不可能だし、循環利用が温泉資源の保護につながるという利点もあります。
泉質にもよりますが、チョロチョロ源泉投入のイモ洗いかけ流しより、空いている半循のほうがお湯がいいのはよくあること。むしろお湯のよさからみた循環の問題点は、同時におこなわれる濾過除鉄にあるように思います。これは湯色、湯の香、湯の花など、湯浴みの醍醐味を確実に奪ってしまいます。
で、完全循環にはせずに、せめて湯口源泉投入、浴槽内循環の半循環(半掛け)にしていただけますよう、温泉施設関係の方々には切にお願い申し上げます。(^^)



10.薬剤投入しない(入れすぎない)
嫌われものカルキ臭。浴室(ひどいときは玄関)に入ったとたんカルキ臭がすると、それだけで気持ちが萎えてしまいます。
行政の締め付けがきびしくなってきているので、かけ流しでも塩素系薬剤を投入する施設が増えているとききます。塩素消毒がきついとカルキ臭だけでなく、お湯に硬さが出てくるように思います。
で、薬剤の投入は最小限に留めていただけますよう、温泉施設関係の方々には切にお願い申し上げます。(^^;)
ある程度の大きさの浴槽をつくる以上、循環は宿命で、塩素消毒は必要悪でしょう。
どうしてもカルキが許せない人は、1.3.9の条件を満たすお湯をチョイスすべし。(さがせばけっこうある・・・)
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