酒と畑に戯れるオヤジな私

酒を飲み、土を耕し、人と語り、日々に感動しながら楽しく生きるブログ

8月15日

2005年08月15日 | 無農薬野菜作り
60年前の今日 やはり暑い日だった

私は小学校入学の前年で 東京空襲を避けて親戚に疎開していた

新潟県のS市だった

おかげさまで 恐ろしい思いの経験はなかった

当時の記憶はおぼろげだ

近所の同年であろう子どもたちと 自然を相手に遊んでいた

畑のスイカ トマト きゅうり等を自由につかみどり

叱る大人もいなかった


8月15日の記憶は ある意味で鮮明だ

親戚の長老 おじいさんが庭にラジオを持ち出した

家にいた10人以上のものが ラジオの前に並んだ

ラジオから流れる声 音の記憶はない

それを聞いていた大人たちの反応も定かでない

ただ 放送が終わって みなが解散しようとしたとき

「日本負けた 日本負けた!」

大声を出して 駆け出した子どもがいた

長老が 厳しい表情でにらみつけた


その少年が私だった

なぜ 大声を出して駆けたのか 

理由もわけも 記憶の底にある

ただ いままで見たこともない 長老の怖い顔

ふだん やさしくしてくれたおじいさんの あの顔だけは鮮明に憶えている


東京へ戻ってからは 千葉県通いが続いた

食料の買出しだ 知り合いになった農家へ 母とよく行ったものだった

ここでも記憶と思い出は 夏の暑さと一面の畑

これは いまでも忘れられない風景だ  帰り道の夕日 カラスの鳴き声

しっかり 憶えている


60年後の今日

やはり 畑にいる

畑が ほとんど雑草に塗れていた 雨が続いたのでいつもより ひどい状態だ





1時間の草刈で なんとか少しきれいになった






戦中 戦後にわたってなん10年と まったく縁のなかった 畑だった

それが なんとか生きてきた結果 いまここでの畑作業 草刈をしている

不思議に思わずにはいられない 今日1日でした





雑草を取り除かれた 茄子のうれしそうな「顔」です

やはり 平和が一番ですね














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16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
草刈りお疲れ様です (ちょびママ)
2005-08-16 00:28:01
義父母が口癖のように言います。

「田畑は捨てちゃいかん。

 戦争になった時、田畑さえあれば生き延びられる。」と。

母が言います。

「夏の暑い日は嫌いだ。

 悲しい思い出が多すぎる。」と。

ナス、嬉しそうですね。
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終戦記念日の過ごし方 (いっこんま3)
2005-08-16 00:43:03
このような一日の過ごし方もあるんですね。暑い中、雑草と戦いながら戦争中のことを振り返り、、、

私は戦後生まれなので、映画やドラマ、小説の中の事以外に戦争中のことは何も知りませんが、8月15日の出来事に思いを馳せた少年、汗と涙でくしゃくしゃになったのではないかと思います。

一年に一度、そういう日があってもいいのかも知れませんね。

私は、二度と過ちをおかしてはならないと思っています。

これからの子供たちのために。



なす、おいしそうですね。

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おはようございます (オヤジな私)
2005-08-16 09:21:10
こちらは、雨の朝を迎えました。



>ちょびママ様

お義父さん、お義母さんはしっかりした大事な体験から、食べ物の大切さを説いていらっしゃいます。食料を輸入に頼りすぎる昨今、警鐘を鳴らしておられます。さすがです。



母上の言葉には、実感がこもっていますね。衣食住に事欠き、大変な思いをしたあの時代。なぜか冬よりも暑い夏の記憶が強烈です。不思議です。



>いっこんま3様

孫たちには決して同じ思いをさせてはいけません。

戦争を知らない政治家が多くなってきまし

た。

疎開をしていたので、犠牲になった方々を直接見たわけではありませんが、本所にある資料館の展示物には、息をのむ光景が繰り広げられています。広島、長崎に匹敵する悲惨さです。3月10日の東京大空襲です。



TVが、表参道の若者にインタビューしています。8月15日を知らないものが6割に達しました。

私の世代が、語り伝える最後の人間になりますね。
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不思議なご縁 (Shizuko diary)
2005-08-16 09:23:36
8月15日・・それは私の姉の誕生日であり、終戦記念日。

私も戦争を知らない世代ですが、毎年8月になると「そしてトインキーも死んだ」や「あの夏の日」など、戦争を語った絵本を読み聞かせています。2度と悲惨な戦争を繰り返してはいけない、そして、その悲惨さを風化させてはならないと思います。

オヤジな私さんの疎開先が新潟県のS市・・

不思議なご縁を感じます。

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おはようございます (m)
2005-08-16 10:09:03
戦争を知らない世代ですが、親の世代から聞くことが出来ます。

昨日の「徹子の部屋」でも戦争体験した芸能人のはなしを紹介しました。

もうなくなった方ばかりでした。

伝え聞いたことを、また伝える。大事なことですね。



これから、きゅうりの苗を抜いてきます。

蚊取り線香が必需品です(笑)
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Unknown (carp1992)
2005-08-16 10:52:45
オヤジな私さんの記憶の恐い表情したおじいさん

その日、日本中の人が敗戦を知り落胆した時

の人の心の中は想像すら出来ませんね。



もう亡くなった旦那の祖母は生活に困り闇市

などしていたらしです。

やっぱり平和がいいですね。



畑の雑草刈り暑い中ご苦労様です。

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ありがとうございました (老春)
2005-08-16 13:11:53
身に沁みるお心遣いを、ありがとうございました。今日から再開しましたので、よろしくお願い致します。
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おひさしぶりです (おばさんFP)
2005-08-16 15:21:12
「終戦記念日」には毎年、いろいろな事を考えます。小学校6年生だった母も、その当時の事をいろいろ話てくれますが、このような話は是非、次の世代にも聞いてもらわなければと思います。「沖縄」に修学旅行に行く高校生が多いですが、それはそれでいい事だと考えています。
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終戦記念日。 (green-tea)
2005-08-16 15:30:23
今とは、時代が全く違ったのですね。



そういえば・・・・

 小学生の頃、社会科の授業で先生が

「みんなのおじいちゃん、おばあちゃんは天皇勅語を暗記しているから 今度、聞いてごらん。」と言いました。



 それで、ばぁちゃん家に行ったときに聞いてみたら ホントになんだかわからない言葉をスラスラと言ってくれました。ばぁちゃんだけでなく、

おばさんも暗記してました。

 その印象がすごく記憶に残っています。



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ありがとうございました (tyakomama)
2005-08-16 16:23:15
地震のお見舞い、家も無事です。
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