酒と畑に戯れるオヤジな私

酒を飲み、土を耕し、人と語り、日々に感動しながら楽しく生きるブログ

先入観

2008年08月24日 | コミュニケーション 10則
今回の研修は 関西の港町K市でした

会場は高層ビルの最上階です  港の景観が抜群でしたね


導入講義で 気になる受講者の方がいました

みなさん講師へ顔を向けて聞いていただいているのですが ひとりだけ・・

異質な態度の男性がいたのです

年齢は50代の半ばでしょうか

前から二番目の席に座っているのですが 常に斜め左に顔を向けています

講義を聞かずに 港の景色を楽しんでいるとしか思えません



表情も ブスッとしています

講師も人の子です  イヤなやつがいるな・・・

それでも続けていきました


そのうちに 気付いたことがありました

仲間同士のグループ討議になると まるで別人のようないい笑顔になるのです

これは 嫌われたかな?  いい気持ちがしませんでした


午後からも 講義になると また横を向く  この~

こちらも 腹をくくって なるべく彼の顔をみないで話をしました


その彼が 予想外の言動にでたのは各自の事例に基づく役割演技の寸劇でした

「ロールプレーイング」で中年の女性を演じたときです

ました! 役になりきっていましたよ

声も大きく セリフにも感情移入!  ジェスチャーも大袈裟でした

流暢な関西弁を駆使して 表情・態度がまさに下町のオバチャンそのものでしたね

みなさんの爆笑につられて 私も大声で笑ってしまいました


寸劇が終わって講師のコメントです

この日 はじめて彼(Tさん)に近づいていきました

ハッとしましたね  Tさんの右の耳についているものに気づいたのです

彼の耳には 肌色の極小イヤホーンが取り付けてあったのです

右耳が聞こえにくいのでしょう

研修担当のOさんも わからなかったそうです

講義中に 左のほうに顔を向けていた理由が判明しました

しっかりと 講師の話を聞いていただいていたのです


ご本人には言わずじまいでしたが 恥じ入りました

「人の言動と態度・表情には みな それぞれの事情と背景がある」

先入観は当るときもあれば 見当違いもある・・・

改めて コミュニケーションの奥深さを痛感しました



この研修は 11月にフォローの機会があります

講師のコメントを やさしい笑顔で聞いていただいたTさんでした

次回は 親しく話ができそうです  楽しみにしていますよ Tさん