昨日午後、白内障の手術を受けた。まず右目、1週間後に左目を。
同じ日に手術待ちしていたのは70代とお見受けする女性ばかり。50代半ばというのは早いほうだが実は40代後半からすでに「かなり進んでますね」と眼科医から指摘されていた。当時小学生だった息子の眼科検診に付き添ってついでに診てもらった時に。
気にはなったが日常生活にはさほど支障を感じなかった(感じないようにしていた?) のでずっと先延ばしにしてきた。
「手術」と名のつくものは一度も経験したことがなく正直こわかった。
どうせいつかはしなければならないならこの際と思いきって。
おかげさまで無事に最初の右目手術完了。
ネット情報でも「ごく簡単な手術」と書かれているし実際にも正味20分足らずだった。が、ずっとまぶしくてジャバジャバ水かけられても目をつぶれない(あたりまえだけど) のはつらかった。以前は入院が普通だったようだが現在は日帰りできる。
今朝通院して眼帯をはずしてもらい、もうビックリ。
見えるものすべてがツヤツヤ輝いてる! 韓国ドラマの画像のように異様なほどくっきり。
体験談で「世の中が全然違って見えた」と語る人もいて、なんておおげさなと思っていたけれど本当だった。
外に出て歩くと遥か遠くの人の顔まではっきり見えていっそう驚く。
スポーツ観戦に愛用している双眼鏡がそのまま肉眼にインストールされたよう。マラソン応援力は超アップするかも。
ただ、焦点を遠方に合わせたレンズを選択したので近くのものは今までと同じくぼやける。
「白内障手術でよく見えるようになった」と言うと、女性は申し合わせたように2~3歩引くのだが実は少し離れたほうが鮮明に見えるのだ。
息がかかるほど近づけば見えづらいので安心して接近してね。(笑)
年内はプール厳禁。激しく走るのもドクターストップのため今月エントリーしていたレース、11(日)駒沢10km、23(金・祝)足立ハーフは残念ながら出られそうにない。
再始動は年明けとともに。
手術直前まで読みふけっていたのが新刊のマラソン小説『ヒート』(堂場瞬一作/実業之日本社)。
同じ著者による箱根駅伝・学連選抜チームの激しい葛藤と熱い激走を描き思わず引き込まれて読んだ『チーム』(実業之日本社文庫)の数年後を舞台にした続編にあたる。
『チーム』で孤高の姿勢を貫きつつ最後にはアクシデントにも負けずチームのためにエースとして最高の走りを見せた山城選手が主人公。自他に厳しい視線は一段と鋭さを増し、実業団チーム内でも孤立を深めているもののマラソン日本最高記録保持者ゆえに監督も半ば放任せざるを得ない。
その山城に世界最高記録を狙わせるためにだけ開催される「東海道マラソン」が県知事の肝いりで横浜市庁舎前をスタート地点として企画される。
実務担当に抜擢されたのはかつて一度だけ箱根駅伝に出場経験をもつ40代の一介のスポーツ課職員。①新記録を狙える高速コースの設定 ②km2分55秒で30kmまで引っ張れるペースメーカー ③ベルリン以外のレース出場を拒絶している山城選手の招聘 3つの難題を懸命の努力と策略でクリアし、ついにレース当日を迎える。とりわけ最難関だった山城の固辞を覆したのはあの箱根駅伝・学連選抜の絆だった。
日本人選手によるマラソン世界新記録という奇跡は果たして達成されるのか……。
ネタバレになってしまうが、結末のゴールは小説中には書かれていない。いかなるラストになったのか手術中ずっとあれこれ思い描いて気が紛れたオヤジであった。
大震災後の仙台で中学生の合唱で被災者を励まし、その後この方の歌声でリリースされたこの歌も脳裡にずっと響かせてストレスフルな手術に耐えていた。
⇒ ♪あすという日が (夏川りみ/2011)
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