ランニングおやじの野望!

50歳を目前に突然走り始めた鈍足おやじランナーのトレーニング雑記です。

アルバトロス

2007-02-28 22:30:09 | その他の雑記
ゴルフには縁のないオヤジだが、規定打数より-2打をイーグル、-3打をアルバトロスと呼ぶことくらいは知っている。(『プロゴルファー猿』などの漫画で)

イーグル(鷲)の上をいくアルバトロス、なのにその日本名はといえば「アホウドリ」。
翼長2mを超え、海上を優美に舞う大型海鳥にふさわしからぬ命名である。

昨日の朝日新聞夕刊のコラム「記者席」に、「アホウドリ 改名の時機では?」との見出しで記事あり。(執筆・内山幸男編集委員)

「日本魚類学会が、『バカ』とか『メクラ』といった差別的な言葉を冠した魚の名を改めることを決めた。日本昆虫学会も同じような改名作業を進めているという。賛成だ。」
との書き出しで、特別天然記念物であるアホウドリについても、よりふさわしい名に改めてはどうかと提案する。

「アホウドリは風を得て飛び立てば、日に1000kmも飛ぶことができる。
フランスの詩人ボードレールはアホウドリにあこがれ、詩を書いた。上田敏はその詩の中でアホウドリを『沖の太夫』と訳した。
『オキノタユウ』と改名して、がアホウドリ研究家・長谷川博さん(東邦大教授)のかねての主張だ。日本鳥学会も、そろそろ検討してみたらどうだろうか」

大賛成。
長谷川さんとは面識があり、20年以上も前のことながら千葉の大学研究室にお訪ねしたことがある。

大学の先生といっても、研究室に閉じこもるタイプではなく、使える時間の大半をフィールドワークに費やす「野」の人。
当時まだ30代で理学部助手、浅黒く日焼けし不精ひげが伸びた精悍な顔立ちに、やさしいまなざしが印象的だった。

雑談しているうちに同郷 (静岡市) とわかって話がいっそうはずんだ。
その時、アホウドリの名前を変えたい、遠い海上を悠然と舞う姿にふさわしい名にしたいと長谷川さんは熱っぽく語り、そこで「オキノタユウ」の名が出たのだった。

ちょうどその頃、初期の著作の1冊『アホウドリ 白いつばさ海をかける』(ジュニア写真動物記⑫ 長谷川博著/平凡社1984年) が刊行され、冒頭に「アホウドリ」の名にまつわるこの鳥たちの哀しい歴史が綴られている。

「鳥島は、東京の南580km、太平洋にうかぶ小さな火山島です。いまは無人島。アホウドリがヒナをそだてているのは、世界中でこの島だけです。
むかし、この島には、たくさんのアホウドリがすんでいました。鳥たちが集まると、南の島に雪がふったように見え、いっせいにとびたつと、島が動くようだったといいます。
しかし、ぼくたちは、もうけっしてそんな光景を見ることはできません。 1887年に人間がこの島にやってきて、羽毛をとる事業をはじめ、毎年10万羽もころしつづけたからです。アホウドリの白くて質のよい羽毛は、ふとんや服にするために高く売れ、外国へ大量に輸出されてゆきました。」

「アホウドリ」と呼ばれた理由は……

「アホウドリは、長いあいだ、天敵のいない平和な島で暮らしてきました。そのために、人間をまったくおそれませんでした。
地上ではのろのろ歩き、長く助走しなければ、とびあがれません。
人間は、かんたんにこの鳥をつかまえました。そして、『アホウドリ』とか『バカドリ』などとよびました。」

一時は絶滅したと思われたが、太平洋戦争後まもなくわずかな数ながら姿が発見された。
長谷川さんをはじめ、保護・増殖への努力が実を結び、紆余曲折を経ながらも、ある程度、種の存続が見通せるところまで来ている。
もうこのへんで、人間の愚かさの象徴でもある「アホウドリ」の名を改めたいものである。

 ⇒ 「アホウドリ」復活の軌跡 (東邦大学)


朝、芝生の公園で70分ジョグ(舗装路6km+クロカンコース6km)、心拍154。
夜、いつもの公園で55分ジョグ(約10km)、ラストに坂道ダッシュと流し、心拍160。

明日3/1は、ワシの誕生日。(52回目)
コメント (5)
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