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ユーロ危機とその背景 : CDS クレジットデフォルトスワップ

2011-12-31 06:22:47 | 国際金融

ブログでわかる不動産業界の大変貌 より
http://ykawaguchi.iza.ne.jp/blog/entry/2514272/



11月18日のニュース、ユーロ危機とその背景:CDS クレジットデフォルトスワップ

2011/11/19 01:44

 

 

18日は金の価格も大幅下落しました。
欧州危機の懸念からです。
ギリシア、
イタリアに次いで、スペインやフランスの国債利回りも上昇(価格下落)し、投資家がさらにリスク回避を強めています。

投資家がリスクをさらに取れない理由の一つは、「投資の保険」が機能しないからです。
投資の保険というのは、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)です。
金融機関は企業の社債や
国債に投資する際に、そのデフォルトリスクを回避するために、保険をかけます。
保険会社に保険料を支払うと、社債や国債が債務不履行になったときに保険会社から保険金が支払われます。

投資家は、社債や国債への投資に保険をかけることができるので、社債や国債のリスクを取ることができるという側面があります。
ところが、ギリシアに端を発するユーロ危機はこうした保険(CDS)の機能を麻痺させつつあります。

CDSは相対取引によるため、その実態を把握することができません。
ユーロのソブリンCDSを誰が発行(保有)しているのか分かりません
(アメリカの金融機関が40兆円程度は保有しているのではないかと言われていますが)。
誰が発行しているか分からないので、例えばギリシア国債が破綻したときに、どの金融機関にどの程度の損失になるのか、不明です。
これが金融機関の信用を下げています。

また、ギリシア国債などを債務不履行にさせないのもこのためです。
ギリシア国債の規模は小さいので、財政は実質破綻しているので、さっさとギリシア国債のデフォルト処理をやってしまうほうが、ユーロ危機の解消につながるかもしれません。
しかし、ギリシア
国債については、これを保有する民間金融機関に対してヘアカット50%となっています。
つまり、民間の投資家は50%(半分)は自発的に放棄するということになっています。
民間に対して50%は支払いがされません。

本来であれば、返してもらえる予定のお金がもどってこなければ、それはデフォルト(債務不履行)です。
デフォルトすると、CDS(保険)をかけていれば、その損失を補うための保険金が支払われます。
こういうときのために、CDSを買ったのですから(保険をかけたのですから)。

ところが、50%はヘアカットということで、50%返済されなくてもデフォルトとはみなさないことになっていますから、事実上、CDSの保険は機能していません。
保険が機能しなければ、投資家はリスクを取ることができません
(自動車事故保険をかけていないと、怖くて自動車を運転することができないのと同じことです)。

リスク・ヘッジ機能が有名無実、また、CDSを誰が発行しているかわからない状況では、金融機関同士が疑心暗鬼になります。
投資家はリスク回避的になります。
また、投げ売り状態にはなっていませんが、問題が先送りされていることは確かです。
問題の先送りは、事態をより複雑にし、さらに問題は大きくなります。
日本のバブル崩壊後もそうでした。
その結果、10年、20年と失われました。

おそらく、欧州経済が失われた10年以上になるのはほぼ確実でしょう。

ところで、最近、東京ではあまり地震を感じません。
しかし、
米国のオクラホマではM5.6(11月6日)、台湾でM6.9(11月9日)、ロシア・シベリアでM5.9(11月16日)。
地球上の地震活動がおさまったわけではありません。

リーマンショック後に、CDSを大量に発行していたAIGの損失(可能性)が金融崩壊の危険性を高めたように、
欧州危機は、欧州ソブリンCDSの機能不全の連鎖が再び金融崩壊の危険性を高めつつあります。


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