田中龍作ジャーナル より
http://tanakaryusaku.jp/2012/12/0005727
維新・石原代表 「橋下にとって竹中は神様みたいになってる」
「維新の背後に竹中平蔵あり」。
マスコミが仄聞として伝えていたが、党のトップである石原慎太郎代表がそれを明らかにした。
石原氏は、竹中氏がマニフェストを書いていると認め、
「大阪の連中(橋下徹大阪市長ら)が竹中を神様のようにあがめ立てている」
と話したのである。
30日、都内で開かれた記者会見で筆者の質問に答えた。
田中と石原代表のやりとりは次の通り――
田中:
日本維新は選挙公約として「解雇規制の緩和」「最低賃金制度の廃止」をあげている。
今や労働者の3割以上が非正規で、非正規労働者の半分以上が年収200万円以下。
もし維新の政策が実施されれば、彼らはパンも住宅も失うことになりはしないか?
石原:
「大阪の連中(橋下大阪市長、松井府知事ら)が一所懸命考えたが、非常に未熟な所があってね…(後略)」
石原:
「(賃金低下に)歯止めが効かなくなるの?」
「そりゃマズイわね。未熟な所がたくさんある。(選挙公約は)骨太の何項目かにして、あとは皆で討論しようということにしていたのだが…」
田中:
(橋下氏らは)世間知らずにもほどがある。
石原:
「そうなんだ。(橋下が)10ページもの公約集を発表するなんて言った時、『やめろ』って言ったの。『君(橋下)が(政権公約を)作ったことは多とするけど、(中略)理念に走り過ぎる所があって、実現不可能だぞ』って。(田中の)仰る通りだと思います」。
田中:
竹中(平蔵)さんが書いてるからですよ。
石原:
「そう(頷きながら)。俺、竹中って好きじゃないんだ。(会場爆笑)
あれ(竹中)が、こういうの(選挙公約を)全部書いてあるのが分かる。これ(竹中は)ね、口説の徒でしかない」。
田中:
日本をズタズタにした小泉改革と同じじゃないですか。
石原:
「だからね、あんまり竹中を信じるなって。『そりゃ止めろ』って言ったの。彼らにとって神様みたいになってる。コンサルタントの堺屋太一なんか首かしげてる。発言力を認められないのかなあ。これ(竹中)に対しては批判的ですよ」。
田中:
石原さんの晩節を汚すことになりますよ。
石原:
「そんなことさせないよ」。
日本維新には「最低賃金制度の廃止」「解雇規制の緩和」の他にも「混合診療の解禁」がある。
勤労者をさらに貧しくさせる。
あるいは仕事にさえありつけないようにする → 国保財政は破綻する → 病院にかかるには民間の医療保険に入るしかない → 米国資本の保険会社が儲かる。
上記の構図は日本維新がTPPに積極的なことと符合する。
竹中平蔵氏は途中で挫折した郵政民営化のスケールを拡大し実現するつもりだ。
郵貯・簡保マネーは約300兆円だったが、医療保険が民営化されれば個人資産1400兆円の大半が米国資本の保険会社に流れ込む。
日本人の資産はハゲタカの餌食となるのである。
「日本を米国に売ることになる」として小泉政権の郵政民営化に反対し職を辞した元総務省官僚は、「維新のバックは、小泉・竹中のバックと同じだからね」と話した。
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【私のコメント】
「維新のバックは、小泉・竹中のバックと同じ」
橋下徹はマスコミにデビューしたときから、バックがついている。
茶髪弁護士としてタレントデビューしてからの彼の動きは、
大阪府知事と言い、
大阪市長と言い、
維新の会の立ち上げと言い、
第三極としてのもちあげられ方と言い、
彼単独の動きとしては腑に落ちないことばかりだ。
誰かがバックについていなければ、有り得ないことばかり。
しかしそれもボロが出はじめている。
竹中平蔵はアメリカかぶれ。
彼の発想はいまだに時代遅れの新自由主義そのもの。
アメリカニズムをグローバリズムと言い換えるしか能のない男。
小泉某と橋下徹の言動が似ていることに気づいている人も多いはず。
小泉劇場の次は橋下劇場。
柳の下にどじょうが2匹いるかどうか。
橋下はコンプレックスの塊。
その裏返しで、彼は本当は大衆をバカにしている。
しかしそろそろボロが出はじめている。
橋下がやろうとしていることは、小泉劇場の二番煎じであることがはっきりしてきた。
小泉と橋下に共通していること、それは『怨み』をベースにした黒い情念があるということ。
だから彼らは、いくら失敗してもそれに対する責任を感じることがない。
彼の弁護士業と同様に、日本の政治を一つのゲームとして愉しんでいるだけ。
その結果どれだけ多くの人が苦しもうが、何の痛みも感じない。
維新の会に対する白け方は、そのことに多くの国民が気づきだしているからだ。