2020年9月の中頃のこと、何かの拍子にヌックがノートパソコンの端に跳んできて、信じがたいことにキーボードのキーが二つ外れた。ZとXのところ二つ。キーの部分がなくなってもその下の部分を押せば入力に問題はないのだけれども、でも実際そんなことが起きること、考えられる? ほんと、思わぬことが起きるものでした。
前回の記事からもう6カ月。余りになるのか。年も変わりました。昨年、8月31日で生後6か月になったヴィック(雄キジトラ)の去勢手術を9月4日、そして10月4日にヌック(雌シャム)の避妊手術。双方にとっての変化。やはり雄と雌なので一緒に生まれた同士とはいえ発情期の不安があり、どちらかをともかく先に済ませてしまわないことにはと思ったりなどしていた。二匹とナヌーという3匹のネコがいる生活。これは考えもしなかった成り行き上のもので、特に2匹が増えた変化が思わぬ形だったということになると思うが、そんなこんなの日が過ぎてきてこの子たちも来月末で一歳になる。
母猫フクちゃんが亡くなったことに気づいたのが11月の下旬頃だろうか。6月に産んだ子たちと裏庭に現われていたのがパッタリとなくなった。夜など近辺で単独の姿を見たものだが、それもなくなった。寿命だったのではないかと思う。体も細り、ギリギリのところに来ているような印象を与えていた。
今年5月28日の画像。この時、2月末に産んだヌックとヴィックは3カ月近くになっていたわけだけれども、まだ乳首に口をつけているのも見かけた。そしてこの時フクちゃんはお腹を大きくしていて、またいつ産んでもおかしくないようなところにあって・・・そして6月の中頃か。4匹を産んだ。
最初にフクちゃんを見たのは、2017年の秋ごろだと思う。夜、裏のエアコンの脇に顔をのぞかせた時、気味の悪い印象だった。見たことのない黒っぽい毛で口の上に髭のようなものがあって、それがそう感じさせたようである。後になってその部分の毛色がそのように感じさせたことが分かったけれども、ずっと外に食べ物を置いてあげる程度だった。
2018年の6月に三毛猫の子猫が裏庭に現われた。そしてこの画像の2日後の7月24日から私のところの飼い猫になった。ナヌー(七の訛り)。
2018年8月
このナヌーの母猫がフクちゃんであることが分かったのが、8月に入ってだと思う。これが残っている最初の2018年9月の、フクちゃんの画像なんだけれどもナヌーがそばにいる画像もある。ナヌーはよく外に出ていたし、フクちゃんももう室内に出入りさせていたと思う。
親のフクちゃんのそばにいるナヌー
2018年の12月11日、8か月ほどのところでナヌーは避妊手術をした。その頃から翌年の2,3月頃にかけてだったか、雄のシャム猫が裏庭に来ていて、一時期フクちゃんなどと一緒に室内にも入いれていた。画像を見て思い出したのだけれども最初は首輪をしていなかったと思う。野良猫だと思った。それから首輪をしているのを見て、飼われるようになったのか、と。雄のせいか? きつい感じで家猫のイメージではなかった。
実はこのシャムの雄猫に翌年の2月頃だったか、私の不注意でセキセイのMarkを咥えて出て行かせるようなことになってしまったのだ。まさに戸の間から外に出ようとするところを見てしまった。Markはその8年前の夏の暑い盛り、まだ十分に飛べない小ささで近くの道路端にいたのを保護した子なのだ。大切な子をそのようにして失ってしまった。責めるべきは、その時の自分の不注意。
左のブルーの子がMark
そうしたことがあって雄のシャム猫は二度と室内には入れなくなり、その後のシャム猫の記憶はない。近くにはいたのかもしれないけれども裏庭に見た記憶がない。
ともかく、2019年の4月になってフクちゃんがシャム猫の小さな子を伴って姿を見せた。毎日来ていた子だからお腹の中に子供がいたのであればそれとなく分かったはずなのに、気づかなかった。そのあたりの記憶がない。4月になって見たシャムの子は3月の中頃位に生まれたはず。そんなことを思いながら2月のこれらの画像を見てみる。ともかくフクちゃんは、どこかで飼われていたのではないかと思われるほどに、膝の上に乗りたがる、寝ていれば毛布の中に入りたがる。とにかく一緒にいることに慣れ、当たり前のように室内に入ってきた、
親子の間柄
全然子供を産みそうな体の気配などなかった。次月、3月のフクちゃんの画像がない。ナヌーのだけ。
そして、4月。最初にフクちゃんと一緒のシャムの子を裏庭に見たのは、4月17日。父猫は疑いもなくあのシャム猫。
この最後4月29日の画像の翌日だったか、隣家のご主人がやってきて、シャムの子が事故にあって血を流して倒れていた。これから病院に連れていくところだと言って、箱の中で死んだようにぐったりとした小さな体を見せてくれた。おどろき。突然のことなので現実のこととは思えなかった。私のところで面倒を見ている子かと思ったらしい。生きているようには見えなかったせいか、駄目だろうと思った。何日も入院すると費用がかかることもあって、奥さんが看護師というようなこともあり、家での治療ということになった。そもそもがどういう事故だったのか、隣家でも分からなかったようだが、その時フクちゃんをそばに寄せてなにか行動をしてくれることを期待したらしいが、フクちゃんは怪我をした自分の子に反応を示さなかったらしい。ともかくその後回復した子は、隣家の飼い猫になった。もうすっかり成長している。
シャムの子がいなくなった後の2019年5月のフクちゃん
2019年6月
2019年7月
画像を見ると、また孕んでいるように見える。この頃だったか、一度押入れの中で産んだことがあるのだ。三毛猫と黒っぽい毛の子。鳴き声で気づいて見ると産んでいた。思いあぐねて箱に入れたまま裏の部屋の下に出してしまった。その後に子供たちは見ていない。
2019年8月
いずれにしても、フクちゃんは野良猫なんだけれども、毎日やってきていたということになる。
11月の画像。首輪をつけている。ナヌーの母猫だし、家にいる猫のようなもの、という感覚もあった。ただ気になっていたのが、また子を産むだろうということ。そして、自分のところで面倒を見るわけにはいかないだろうこと。
2019年12月
2020年2月29日。子供を産んだ日のフクちゃん。室内で生まれてしまうという、おそれていたことが起きてしまったというところか・
翌日、3月1日のフクちゃんの画像。
室内で生まれた子たちをどうしたものかと思ったのである。いつ生まれてもおかしくはないような体をしているフクちゃんに、室内で産まれては困ると思いつつ、室内に入れないようにしたわけでもない。結果、そういうことになり困った挙句、とりあえず子たちのいるハウスを大きめの段ボール箱でおおいそれをビニールで覆って戸のすぐ下の外に置くことにしたのである。フクちゃんが食べるのは室内で、という形にして。
10日近く外に置いたままだったと思う。母猫フクちゃんは食べる時だけ室内に来る。という形だったのだが結局、考えを決めて室内で育てさせてあげることにした。
何故かキジトラのヴィックは生まれてから10日余り右目が閉じたままだった。
4月4日にこの子は隣家の人の仲介があって欲しいという家族にもらわれていった。
その前日の画像。
これはもらわれていった当日の朝の画像。
2020年5月
結局、5月31日で子供たちが生まれて、3カ月経過。そこで母猫とは別になって良いかな、と考えてその日をもってフクちゃんを室内には入れないことにした。というのもまた子供を産む日が近いという様子から、室内では困ると思ったことがある。6月に入ってフクちゃんが外から入りたそうにするのを拒むことには辛いものもあったけれども、仕方なかった、それと6月の初め、ヌックの背の毛のおかしな感じに初めてバスルームで洗って見た時にノミの存在を知ったこと。変色している部分が血によるものであることを知ったのである。そのノミがフクちゃんからもたらされたものであることを思い、余計にフクちゃんは遠ざけなければということになった。
それからはかなりノミに対して神経質になり、ヌックのみならずヴィックもノミにやられていることを知り、ナヌーにも少ないながらいることが分かった。特にヌックとヴィックは毎日ノミ取り櫛を使い、いずれは消えてくれると思ったものの、その気配はなし。ノミは部屋の中のとくにベッドの近くなどにいて洗剤などを入れた液体の器を置くと100匹くらいはそこで死んでいる。掃除機をかけるとかなりかかってくる。そんなひどい状態。6、7、8月とノミとのたたかいがあったことになる。転機は、9月に入ってヌックが避妊手術の際にノミの駆除もしてもらったこと。そして10月になってヴィックが去勢手術をした際にも駆除をしてもらったこと。以降は、全くノミを見なくなった。全く消えてくれた。
2020年6月
6月15日。私のところから100メートルほど離れた所でフクちゃんを見る。おそらくは子供を産んだ後。
6月24日
そうして7月の中旬になって、産んだ子供の姿を初めて裏庭で見ることになったのである。5月31日を最後にフクちゃんとは完全に内と外の関係になった。室内に来るのが当たり前のようになっていた、そして家猫のように膝の上に来ていた子に対してそのような対応になることに心苦しさを感じることもあったが、区切りは必要に思えた。また新しく生んだ子供たちと一緒になってもいたし。
それにつづいて他の子たちのことも知り4匹という数におどろいた。7月18日。
それから半年が過ぎて、フクちゃんは既に亡くなり、最初に見た白と灰色の毛の子は全く見ていない。すぐ上の画像の茶の毛の子二匹だけが父親猫と一緒にいつも現われる。裏の戸の下に大きな水の器と、キャットフードの器を置いている。二匹の子の体の大きさに少し違いがあって大きい方の子がすすんで部屋の中に入ってくる。この画像の頃よりもっとふさふさモクモクとした毛の感じになっているように思う。可哀想だけれども野良猫状態のまま。
後方にいるのがフクちゃんと一緒にいた父猫
フクちゃんのことを思い出しながら画像をとりあげてみた。フクちゃんがいて、この世に姿を見せた子たち。ということを思うと不思議。この世に現われてくるということ。人間も同じだけれども、生まれるというのは生きることを始めるということ。先にどんな運命があるのかは分からない。でも現在の時間を生きていくこと。人間同様、フクちゃんの産んだこの子たちも同じ。
左からヴィック(♂)、ヌック(♀)、ナヌー(♀)