カッキーYAMA   akihiko tange

手始めに、日常的なことを気の向いたときに載せていくつもり。

コーヒーミル

2017-08-04 | エッセイ

 富士市へ旅で行ったときに、吉原の通りにアドニスという喫茶店があった。ここは特にはどうということのない喫茶店だけれど、聞くところによると「つけスパゲティー」の多分、発祥の店であるということだった。多分というのが付くのである。あまりそこまではこだわってはいないけれど取り敢えずそんな感じです、ということだった。富士市の街には確かにつけスパゲティーの店というのが多くあった。つけ麺のようにつゆにつけて食べるのである。これはその時撮った店の中のフォトなのだが、棚の上の右から二つ目に少し見えにくいがコーヒーミルが写っている。僕が家で使っているコーヒーミルと同じ形だ。よくあるタイプだ。30年くらい前に買ったのだが、あまりモデルチェンジすることなく今でも売られていると思う。気に入ったモノのひとつなのだが、少しだけ難点があって、豆を上から入れてハンドルを回し始めると、豆の重さが不足してなかなか下へ落ちて行かないのだ。豆が弾かれて滑ってしまうのである。少しずつなら挽けるのだがこれでは時間と労力がかかって大変だ。どうしたものか?と思っていたのだが・・・、街歩きというものは、してみるもので、ある時、六本木ヒルズのテレ朝近くを歩いていたのである。コーヒーが飲みたいと思った時に良くしたもので丁度、車のコーヒースタンド店が広場に停まっていたのだ。庇が突き出た窓の中に若いお兄さんが座っていて、明るく、美味そうな予感がしたのでそのコーヒーを注文した。この時、お兄さんが手動でグルグルと挽きだしたのが、このコーヒーミルだった。おッ、家のと同じだ、あッ、上から木の板でトントンと豆を押しながら挽いている・・・。という分けでそこで偶然にも学んだ方法を家でも応用して、自家製「豆付き棒」なるものをナイフで削り出して造り、その後は極めて安定的かつ効率よく、イライラせずに豆を挽くことができている。

 コーヒーを銀座の店から毎月、宅配で取り寄せていたのだけれど、数多くある種類はほとんど一巡して飲んでしまったし、少し街中のものをいろいろ物色する「旅」に出たいと思って止めにし、今はとりあえず近くの店で各種を少しずつ試しに買ってきては飲んでいる。そこの中では、僕はアフリカのケニア産のものが好みなのだが、始めに買った時は良い味だったのだけれど2回目は気のせいか少し味が落ちてしまった気がした。多くの人が買って売れ始めると、工業製品ならいざ知らず、自然のものは需要に供給が追い付かなくなり、味が落ちてしまうのかもしれない。コーヒーはとにかく、煎りたて、挽きたてが美味いのは間違いないのだが、その辺に少しタイムラグが出ているのかもしれない。
 以前こういうこともあった。健康の必要上、サプリを使用していたことがあり、安く売っている店を歩いて自分で見つけて買っていた。ある時行ったらその棚のその品物だけが全く空になっていたのだ。それまではそういったことはなかったのだけれど。店の人に訊いたら、済まなそうに、もう少しすると入荷するのですけど、と言っていた。この品はその後、メーカーの店へのテコ入れもあって値上がりまでしてしまった。少々ガッカリし、また歩いて別の店を探すのも面倒なことだな、と思ったことを覚えている。今の時代、顧客の情報がどこでどういう風に洩れるのか知らないけれど、あまり良い気はしなかった。その後そのメーカーのその品は使わなくなった。そして、すぐに別のメーカーの割安のものに替えた。それも今は使っていない。そういった物を各店が工夫などして他の店よりセールで安く売ったりするとお客が喜ぶのは当たり前なのだけれど、そんな時店はとてもいい雰囲気だ・・・、こういったこともデフレだのと称して、価格つり上げムードみたいな空気を政府、マスコミは助長するのだろうか。世の中、いつの間にかそんなムードに押されてしまっている人たちが増えてきているようだ。
 こんな小さなことで・・・、人間、もっと豪快に生きなければならぬぞ、という向きもあろうけれど、日常というのはだいたいこんなところだ。
 




喫茶店の内観 右から二つ目、植木鉢の横が個人的注目のコーヒーミル




今、自宅で撮ったもの。錆が出て年季が入って来た。
いつもこれでグルグルと回して挽いている。





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