とことん青春!
愛は憎しみより高く、理解は怒りより高く、平和は戦争より気高い。
 



珍しく戦闘シーンに燃えたもののアスランとシンのやり取りに作中テーマを垣間見る事ができたのが今回の話。
九州遊歩中の43話感想。

◆◆作中重要テーマの一つ「対話」◆◆
今まで武力をアプローチの手段としてきた各キャラが「対話」で説得を試みようとする「変化」の起点となったのが今回の話かと。
正に『反撃の声』に相応しい内容だったと思います。

議長vsラクス&カガリの対決は勿論の事ですが、議長の言う事を信じ、己の信念を曲げようとしないシンに対するアスランの「対話」による反撃という意味合いが一番強かったんじゃないかな。

言葉の力は武力よりも遥かに強いという事も表現されていたのでは、と思う次第です。
なぜなら、結局の所、戦争が起こるのも「言葉」のすれ違いによるものであり、戦争が終わるのも「言葉」による解決の結果なのですから。

◆◆反撃の声~~過去(FATE)からの脱却~~◆◆
お前は本当は何が欲しかったんだ!?

「家族の死」という定め(FATE)を受け入れられずに“力”を欲したシンに強烈に響く反撃の声。
シンの欲しかったもの。
それはデスティニーという強大な“力”でも勲章やフェイスの階級でも無く、家族と過ごす平和な時間,ステラと接する安らかな時間、ただそれだけなのです。
しかし、彼はその全てを失ってしまった。
ゆえに、彼は彼と穏やかな時間を共有した者達の死という定め(FATE)を受け入れられずに過去に囚われ未来を切り開くところにまで目を向ける事が出来ないでいるのでしょうね。

アスランはシンの本当に欲するものを問い掛ける事によって彼をマユの呪縛,ステラの呪縛といった定め(FATE)から解き放とうとしているのだと思います。
そして、彼の欲している未来に目を向けさせ運命を切り開くように促している、と。

それは、前回の話で【自分は“パトリックの息子”のアスラン・ザラである】という変える事のできない己の定め(FATE)を受け入れた彼だからこそ言えた言葉であると思う次第です。

◆◆反撃の声~~定め(FATE)を受け入れよ~~◆◆
オーブを討っては駄目だ!お前が!

シンがオーブを討つという事。
それは彼が己の定め(FATE)を受け入れられなくなる事を意味します。
なぜなら、彼は「家族の死」という定め(FATE)に抗い“敵”であるオーブに憎悪の矛先を向けているからです。
ゆえに、彼が家族を守ってくれなかった憎きオーブを討ってしまえば、自身の定め(FATE)に抗った状態のまま、「家族の死」という定め(FATE)から解き放たれる事が不可能になるのです。

つまり、彼がオーブを討てば、彼は2度と運命(DESTINY)を切り開く事ができなくなる、と。
アスランはその事を理解しているのでしょうね。

◆◆反撃の声~~何と戦わねばならないのか?~~◆◆
自分が今何を討とうとしているのか、お前、本当に分かっているのか!?

敵を“敵”と見なして討てば戦争が終わると信じて止まないシンにとっては【何と戦わねばならないのか?】という疑問は邪魔な感情に過ぎません。
目の前の“敵”を討てば良いだけの話なのです。
結果、“敵”を討つだけの「戦士」という役割にはまってしまっているのです。
そして、彼の意識の根底には【戦争だから人殺しも当然である】という考えがあるのでしょうね。

この彼の考えは、「どうせ戦争だから“敵”と分かり合う事は出来ない」といったニュアンスであり、【戦争が起こってしまった】という定め(FATE)に対して【戦争だから仕方ない】という感情で以ってして「対話」で分かり合うという選択肢を自ら切り捨ててしまっているのです。
つまり、現状の彼は【戦争が起こってしまった】という定め(FATE)に対して【戦争だから仕方ない】という半ば諦めの感情を抱き、自らの視野を狭めている状態であると言えます。

しかし、シンにとって“敵”であるアスランが彼にこの疑念を投げかけた事に重要な意味があり、彼に【敵もまた人間】という感情を芽生えさせ自身の行為への疑念を抱かせる事にもつながると思う次第です。

◆◆反撃の声~~何を憎むべきか?~~◆◆
その怒りの本当の理由も知らないままただ戦っては駄目だ!

シンの怒りは大切なものを失ったという悲しみに起因します。
しかし、彼の怒りを鎮めさせ得ない元凶は、彼の大切なものを奪おうとする目の前の“敵”ではなく【戦争が起こってしまった】という定め(FATE)にあるのです。
なぜなら、先の大戦や今回の大戦が起こらなければ、彼が「家族の死」や「ステラの死」に直面する事も無かった訳ですから。

しかし、彼はその事から目を逸らし、目の前の“敵”を憎む事に逃げてしまっているようにも思えます。
ゆえに、現状の彼は【戦争が起こってしまった】という定め(FATE)を受け入れていない状態であり、【戦争を無くす】という運命(DESTINY)を切り開けない状態であると言えると思う次第です。

◆◆ミーアの今後◆◆
演説前に涙を流したミーア。
やはり彼女はラクスという「役割」にアイデンティティを見出し、その「役割」を演じる事に限界を感じているのでしょうね。
若しくは、「役割」から脱却できずにいる自分に戸惑いを感じているのかもしれません。

次回の話では、ミーアが本物のラクスと相対する訳ですが、彼女が【自分は自分である】と言えるものを取り戻す回になって欲しいな、と思う次第です。
つまり、【自分はラクスではなくミーアである】という変える事のできない定め(FATE)を受け入れて欲しいな、と。

◆◆議長のシナリオ崩壊の序曲◆◆
己の崇高な理想を成就する為には手段を選ばないスタンスの議長ですが、次回のラクス演説を皮切りに彼の思い描いていたシナリオが崩れ去りそうな感があります。

ラクス暗殺の件やデストロイ投入の件が表沙汰になれば彼の失脚は間違い無いかと思います。
鍵を握るのはラクスという「役割」を演じる事に限界を感じつつあるミーアなのではないかと妄想する訳ですがw

◆◆シンの中に芽生えそうな自身の行為への疑念と議長に対する不信感◆◆
シンが完全に変化するには2つのステップがあります。
まず1つは、【敵は“敵”であり、分かり合う事は不可能である】という感情を捨てられるかどうかというステップ。
つまり、自身の行為に疑念を抱く事ができるか、という事です。
このステップをクリアすれば彼の中に【何と戦わねばならないのか?】,【敵もまた人間である】という感情が芽生え、彼の中で「家族の死」,「ステラの死」という【定め(FATE)を受け入れられる可能性】が生じ得る事になります。

もう1つは、彼の信じて止まない議長を疑えるかどうかというステップです。
このステップをクリアすれば、議長の駒であり「戦士」という役割から脱却する事も可能となり、彼の中で【自らの力で運命(DESTINY)を切り開く可能性】が生じるのです。

この2つのステップの内、自身の行為に疑念を抱く事ができるか、というステップは今回のアスランとの会話で描写された訳です。
シンはアスランに自身の信念を打ち砕かれ、自身の行為への疑念が芽生えかけていると思われる訳ですが。

そして、議長を疑えるかどうかというステップに関しては次回のラクス&カガリの演説次第かと思います。

いずれにしろ、この2つのステップを超える時、シンの「変化」が見られそうな感があります。

以上、また~りと書き上げた43話感想でしたw

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