山本あけみ「緑ゆたかな環境を子どもたちへ」

建築士や生活者として、都市計画・公共施設マネジメント・地球温暖化対策・SDGsなど、独自の視点で日々発信

児童館、学童クラブ、プレーパーク、不登校、そしてカーボンニュートラルと財政を質問!

2023-04-18 | 活動日誌

コロナ禍の子どもたちの育つ環境他に関して、より一層の取り組みを求めました。

動画と議事録を掲載いたしますので、是非、ご覧になってください!

 

令和3年第2回定例会一般質問(会議日:令和3年6月1日)

動画:http://suginami.gijiroku.com/voices/g07_Video_View.asp?SrchID=7129

    テーマ
  • ・子どもの育つ環境について
  • ・長期的な財政計画について
  • ・カーボンニュートラルについて

 

◆25番(山本あけみ議員) 私は、立憲民主党杉並区議団の一員として、通告に基づき質問をいたします。
 冒頭に、新型コロナに罹患された方々の御回復をお祈りするとともに、一日も早い終息を切に願っております。
 さて、質問項目は、子供の育つ環境、カーボンニュートラル、長期的な財政計画についてです。
 最初に、子供の育つ環境についてお伺いします。


 コロナ禍は、社会全体にこれまでには予想もできなかった課題を突きつけられる思いですが、そういった中では、子供たちへの配慮がより一層必要です。


 まず、公園について。
 区内の公園では、小さなお子さんがはだしで元気に駆け回る姿を見かけますが、一方で、同じ公園内の道路脇や芝生広場などでも、犬の散歩の際に、マナーを心得ない一部の飼い主がふん尿を始末していない状況が散見され、不衛生だと心配の声が寄せられています。子供の遊び場としての安全性を守り、ペットと共生していくために、また飼い主からの要望も多い、エリアを分けるためのドッグラン設置が必要です。


 中野区で昨年4月リニューアルオープンした区立平和の森公園には、小型と大型犬を分けた、充実したドッグランが完成しました。それに先駆けて、平成20年に発表された「ペットとの共生」のための提言では、高齢者の孤独を癒やす家族として、また、未来を担う子供たちにとっては、命あるものに対する理解と豊かな情操を育む契機として、ペットは人間の生活に極めて身近であり、共に暮らしていける地域社会の実現は区政の課題としています。


 まず、区内のドッグラン設置状況はどうか。今後は都立公園など大規模公園でのドッグラン設置の取組が必要と考えるが、見解はいかがでしょうか。


 地域住民の方々からは、現在整備が進む都立高井戸公園内にドッグラン設置を東京都へ要望したところ、杉並区の運営であれば協力できると回答を得たと聞いています。これに対する区の認識と今後の検討状況はどうか、確認をします。


 次に、児童館について。
 区立施設再編整備計画の現計画における取組はどうか、確認をします。
 西荻北と善福寺児童館の施設再編においては、現計画ではどのように示されているのか、お伺いします。
 現行の児童館の機能を維持発展させていくという区の方向にはこれまで賛同してきたところですが、地域住民との認識に差があるのではと考えています。拙速に進めることには異を唱えますが、区の見解をお伺いします。


 次に、学童クラブに関して。
 需要拡大と行財政改革としての民間委託に関しては一定程度理解をするところですが、大前提として、質を担保することは外せません。大変残念なことに、一部の保護者からは、以前のように、学童クラブの指導者と子供たちが信頼関係を結べていない現状がある、子供たちへの温かな見守りの視線ではなく、管理者として接していると感じるといった御意見をいただいています。


 これまでのように、職員と子供、保護者との信頼関係は最も必要であり、安心できる居場所で、子供たちが主体性を持って過ごしていけるよう注視をしているところですが、学童クラブの委託事業者の運営方法が、保護者や子供たちの豊かな放課後の居場所としての機能を果たせているのか、区はどのように把握し、必要であれば改善しているのか伺います。
 子供や保護者の御意見を伺いながら、今後とも継続して運営の改善に努めるよう要望をしておきます。


 次に、プレーパーク事業に関して。
 平成26年度に協働提案事業として採択し、その後は継続事業として区民に提供してくださっていることに、まずもって感謝を申し上げます。


 大人のプレーリーダーの指導の下、子供たちが年齢に応じて冒険遊びを体験できる環境をつくり、子供の自発性や創造力を育んでいくことは、健やかな成長に大きく貢献します。
 この間の区内での取組状況と、保護者や子供たちの利用状況と評価を区はどのように把握しているのか、お伺いします。また、区は本事業をどのように評価しているでしょうか。
 今後は、区内に拠点をつくることで、現在のようなイベント的な運用ではなく、そこに行けば自分たちが思いっ切り安心して遊べる場を安定して提供する意味でも、常設のプレーパークを確保していくよう求めますが、いかがか、見解を求めます。


 また、そもそもイベント的な運用と常設の違いをどう認識しているのか、確認のためにお伺いします。
 これまでも要望してきましたが、都立高井戸公園と隣接する地の利を生かして、現在計画が進む富士見丘小学校北側の傾斜地を利用した常設のプレーパーク設置の検討が進むよう、引き続き要望といたします。
 次に、児童養護施設退所者支援に関して。


 本年5月のボランティア情報紙「ボラン・て」に、民間事業者によるボランティア募集の記事がありましたが、区には都内でも多くの児童養護施設がある中、施設と行政との連携はどのように図られているのか、また、施設から巣立つ子供への支援はこうした民間事業者により行われているのか、確認します。
 本来は、杉並で育ってきた子供たちを、区が責任を持って巣立ちを支援する意味で、主体的に行っていってほしいと考えますが、いかがか、お尋ねします。


 次に、不登校児の学びに関して伺います。
 不登校の児童生徒たちを支援する法案、教育機会確保法の施行から4年が経過し、多様な学習環境の実情を踏まえ、個々の状況に応じた必要な支援などに関して、自治体をはじめ関係組織による話合いや試行錯誤がなされていることと思います。


 隣接する武蔵野市では、不登校児童生徒の多様な学びの場のあり方検討委員会が開催され、適応指導教室の機能強化やICT等を活用した自宅学習への対応、保護者の集いの継続的実施、またフリースクールとの連携について取りまとめをしています。また、世田谷区でも同様に、世田谷区不登校対策アクションプランを取りまとめ、官民連携を盛り込み、大変充実した内容となっています。


 昨年のコロナ禍の突然の休校により、学校に行けなくなったお子さんがいると聞き、お一人お一人に手厚い支援の手が届いているのか、大変心配をしています。
 まず、不登校児童生徒の人数と出現率の推移とこれまでの対策を伺います。
 当区においては、新たな教育ビジョンの取りまとめの最終段階に差しかかっていると思いますが、この中で不登校児童生徒への支援などはどのように話し合われ、今後目指すべき方向をどう捉えているのか、お尋ねします。


 また、さきに御紹介したように、他自治体を参考にして、不登校対策に関しては、より具体的な支援策をまとめた計画策定が必要と考えますが、いかがか、お尋ねします。
 区の計画の中では、不登校の児童生徒をゼロにするといった目標があります。これは捉え方によっては、そういった児童生徒が否定されるべき存在とも考えられ、大変心が痛みます。


 また、今まだ増え続ける現状からすると、到底到達できない目標であり、現場の先生方にとっては、過度の負担を強いることにつながると考えています。今後は、対策を打ちつつ、達成可能性のある目標を立てるよう要望しますが、いかがでしょうか。


 不登校の児童生徒を支える体制は、教育機関のみならず、地域で支えるといった視点があってもよいと考えます。フリースクール誘致や連携を検討するとともに、支える大人を増やすという観点から、青少年委員の方々の情報ネットワークを活用することや、区内地域団体などとも連携し、手厚い支援を模索していくよう要望します。


 杉並区で育つ全ての子供たちが安心できる居場所を持ち、自分らしく成長していってほしい、そしてそれを全力で支える杉並区であってほしいと願いますが、この項の最後に見解を伺って、次の質問に移ります。


 次に、カーボンニュートラルについてお伺いします。


 2050年までの脱炭素社会の実現を基本理念とする改正地球温暖化対策推進法が、5月26日の参議院本会議で全会一致で可決され、成立しました。実現に向けて、国民、国、地方自治体などが密接に連携することが規定されています。今後は、低炭素から脱炭素への意識改革が進み、より一層の自治体の率先した取組が求められます。


 国では、スーパーエコスクール実証事業という、公立学校施設で省エネ、創エネ、蓄エネ等の技術を用いて、年間のエネルギー消費を実質上ゼロとするゼロエネルギー化、いわゆるZEBを推進するための実証事業が行われていましたが、全国7事例の中で、岐阜県の公立中学校が初めてZEBを達成しました。


 学校の断熱改修とゼロエネルギー化は、私がこれまで訴えてきた震災救援所としての学校建築という意味でも重要です。杉並区でZEB推進を訴えてきましたが、まだ一部の特別な技術として、動向注視にとどまり、何とか区政に取り入れていこうという姿勢を感じることができないのは残念です。


 さて、当区では、平成25年6月に杉並区地域エネルギービジョンを取りまとめています。その中に「スマートコミュニティづくりの推進」という取組の方向が示され、個別の取組の中には「建築物や街区のスマート化のための仕組みづくり」がありますが、その後、区ではどのように取組の成果を上げているのか、お尋ねします。
 これまで私から要望を続けてきたのは、省エネ住宅整備推進、低炭素のまちづくり、公共建築物のできる限りの省エネ化の主に3点です。


 まず、省エネ住宅整備促進について。
 日本のほとんどの住宅は、穴の開いたバケツと表現されるほど省エネ性能は世界から遅れており、じゃぶじゃぶとエネルギーを使い続けています。本年3月19日に閣議決定された住生活基本計画で、気候変動対策に関して、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた施策の方向性が記載され、長期優良住宅やネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、いわゆるZEHストックの拡充、ライフサイクル、カーボンマイナス、LCCM住宅の普及推進、住宅省エネ基準の義務づけや省エネ性能表示に関する規制など、さらなる規制の強化が明記されました。
 そもそも2020年省エネ住宅基準義務化は、一度は閣議決定されたものの撤回された経緯があり、こんな状態が続けば、脱炭素社会実現は夢のまた夢であり、菅首相が掲げる新目標は本来必達の目標ですが、このままでは掛け声だけがこだましてきそうな状態です。今後は急ピッチで省エネリフォームが本格化していってほしいと思いますが、天井や外気に面した壁、床下へ高性能な断熱材を充填し、窓を高気密、高断熱のものに変えるなどの工事に関しては、15%以上の省エネ効果がある工事に対して補助金が出るなど厳しく、工事業者の力量を上げていく必要もあります。


 今後より一層の取組が求められる省エネリフォームの啓発活動などを行うことは重要と考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
 また、断熱性能を上げ、年間を通じて室内18度を保つことで、部屋ごとの寒暖差をなくし、冬の風呂場で倒れるなどのヒートショックを予防し、健康寿命を延ばす効果があるということは、だんだんと知られるようになってきました。区民の健康維持増進に貢献し、福祉予算削減につながる、杉並区ならではの省エネ住宅整備促進策を打ち出していただけるよう要望をいたします。


 次に、低炭素まちづくりに関して。
 渋谷区神南二丁目・宇田川町地区地区計画では、低炭素型都市を実現するための省エネルギーの推進及びヒートアイランド対策に努めることが盛り込まれるなど、低炭素のまちづくりへの取組が進んでいます。
 国土交通省から低炭素まちづくり計画作成事例として紹介されている中野区の取組を区は把握しているのでしょうか。また、どのように評価しているのか、お伺いします。
 また改めて、低炭素のまちづくりの必要性に関して当区でどのように考えているのか、確認をします。
 次に、公共建築物のできる限りの省エネ性能に関して。
 今後は、国からの補助事業に関して、格段の省エネ性能を求められていくと考えています。特に公共建築物のZEB化は、さきの審議会でも多く求められており、遠くない将来において義務化がされるのではと考えています。
 区では、国による議論の行く末を注視し、区立施設再編整備計画では、今後の動きを見据えながら、場合によっては、公共施設のZEB義務化を待つ目的で改築を柔軟に先送りするなど、新たな視点での計画の組替えが必要と考えますが、当区の検討が進むよう要望をします。
 建物は、一旦建ててしまうと、その性能のまま長期間にわたり影響を及ぼします。ZEBは建設コストが高いと言われますが、建設費とランニングコストを併せて検討する必要がありますし、まずは、税金を使って建設していく公共施設が率先して行うことが求められます。当区の積極的な取組を要望します。
 一方、都は、2050年にCO2排出実質ゼロに貢献するゼロエミッション東京を2019年に宣言しています。その中で、実現のために、市区町村との連携をしていくとあります。今後は積極的に相互に連携を取り、結果を出せるよう検討を進める必要があると考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
 そのような状況下で、区が今年度進める環境基本計画策定は、時宜を得た重要な転換点となると考え、大きく期待をしています。脱炭素社会の実現に向けた住宅やまちづくり、公共建築物など、担当課をまたいだ施策が組まれていくよう望みます。そしてその結果、国の2030年及び2050年の目標を目指してどのように進めていくのか、意気込みをお伺いします。


 2050年カーボンニュートラル実現は、言うまでもなく努力目標ではありません。達成できなければ、持続可能性どころか、人類が地球上に住むことができなくなるという、全世界が必死になって取り組むべき課題です。区民に対して緊急行動を呼びかける気候非常事態宣言も重要であり、また、2050年から逆算をして目標を設定するなど、バックキャスティングの視点で計画的に進めるべきと考えています。
 さきの予算特別委員会でも御紹介しましたが、今年度、環境省では、自治体向けにゼロカーボンシティーの実現に向けたシナリオ等の検討支援を始めています。他自治体に遅れることなくチャレンジしてほしいと考えています。既に民間ではゲームチェンジの意識改革が進み、加速度を上げて目標達成に向かって走り出しています。
 当区でも、環境基本計画や地球温暖化対策実行計画策定においては、建築分野を含めて、幅広い分野で知見を持つ専門家の御意見をいただきながら、危機感を持って進めていかれるよう強く要望をします。また、計画を策定すること自体を自己目的化せず、達成をするまでが目的であることを念頭に置きながら力強く進めていただくよう、重ねて要望をいたします。


 次に、長期的な財政計画についてお伺いします。
 これまで区の予決算において審議に加わってまいりましたが、疑問に感じてきたことは、常に変化を続ける行政需要に対応を迫られる行政運営において、単年度収支だけでは、財政運営が適切に行われているのか判断ができないのではないか、また、各種策定されている計画において、財政的に整合性がどれくらい取られているのかが見えないという点でした。


 現在、新基本構想の策定に向けて最終段階に入り、その実現に向けては、区職員自ら専門性を持って、組織横断的な課題解決の在り方を目指してほしいと強く要望しますし、今回大きくクローズアップされてきた協働に関しても、区民や民間事業者などとともに区政を考えていく視点に立つならば、財政運営に関しても積極的に情報を共有し、共に区政をつくる視点が重要と考えます。


 また、我が国では、世界で最も早く少子高齢化が進み、赤字国債が危機的状況にある中、新型コロナの直撃を受けました。日本経済がコロナ前の規模に戻るには、早くて3年、遅ければ5年以上かかるとの見方も出ており、国の財政がさらに悪化することは確実です。


 数年にわたり財政調整交付金や区民税等の大幅な減収が予測される上に、当区では、扶助費がこの10年間で1.7倍に増えています。当然ながら、今後、特別区税が減少したとしても、比例して劇的に扶助費が減るということはないことを念頭に入れた、長期的な視野に立った財政計画が必要です。


 かつて経験したことのない財政危機の到来を覚悟し、必要な事業のより一層の見直しが必要でしょうし、大規模な改築などの施設整備については、事業費、事業規模、スケジュールを精査し直す必要があるのではないでしょうか。そもそも本庁舎建て替えをどのように進めていくのか、大きな課題は積み残されたままです。私は常に質実剛健、必要最小限の施設整備を目指す必要があると考えています。


 今後は、新基本構想を基にして総合計画などの各種計画策定が予定されていますが、区立施設の再編整備は区の財政運営に大きく影響するものであるため、区、区議会、区民が、施設ごとの改築改修経費をしっかりと把握するなど情報共有を図りながら、コスト意識を持って取り組む必要があります。そのためには、工事終了後に、最終的に要した経費を報告するなどの取組が必要と考えますが、区の見解をお伺いします。


 区立施設長寿命化方針を確認しましたが、一部の公共建築物のコストが掲載されており、大変参考になりました。また、この方針の中で、利用率35%という施設がありましたが、これは言い換えると、65%利用していないということです。こういった施設をこのままの形で改築計画をしていってもよいものか、大いに疑問です。


 例えば、民間と連携して、お稽古事やこども食堂、また子供の習い事や元気な高齢者の定期利用を促したり、空き室が確定したならば、コワーキングなどで短時間の仕事部屋や学習の用途に使えるようにするなど、利用率を上げる工夫が必要でしょうし、それでもなお利用率が上がらなければ、施設の必要性の有無の検討をしていくべきと考えています。利用率をどう評価していくのかといった議論がもっと必要なのではないでしょうか。今後より一層財政は厳しくなるという認識に立った長期的な財政運営の必要性を、区民を含めて、誰しもが理解をする必要があります。


 また、現状では、施設の評価基準が老朽化のみであり、建築物が持つ省エネ性能が含まれていないままでは、たとえ省エネ性能が十分でない建物であっても使い続けるという判断がされてしまい、結果的に光熱費などが高いままとなってしまうのではと危惧し、対応を求めていきます。


 次期区立施設再編整備計画の策定に当たっては、コストの観点や長期的な視点を取り入れていくことにより、やみくもに現状維持を求めたり、一部の人の強い意見のみに左右されることなく、建設的な議論につながっていくものと考えますが、区の見解をお伺いします。


 本質問では、主に区立施設再編に関して、長期的な財政計画を区民と議会とも共有し、区の将来像を財政的な裏づけを持って確かに進めていく必要があると考え、質疑をいたしました。


 財政全体の運営の見える化をしていくことで、借金をしてまでも全ての建物を建て替える必要はないと考える区民もいるでしょうし、官民連携をして、複合化をしていくことで区財政への負担を少なくしていこうといった建設的な議論も生まれると考えます。取組を求めておきます。


 さて、本質問では、子供たちの育つ環境と、次にカーボンニュートラルへの取組を要望してまいりましたが、いずれも多くの財政を振り向けなくては実現ができません。将来を担う子供たちに最良の環境を残していくために、厳しい財政状況においても、皆がコスト意識を持ち、施設再編の最適化などを目指すことによってその費用を捻出していってほしいと考え、まずは庁舎内での検討が進むよう強く要望をいたしまして、私の質問を終わります。

○議長(大和田伸議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
      〔区長(田中 良)登壇〕

◎区長(田中良) 私からは、山本あけみ議員の一般質問のうち、環境基本計画の策定に関する御質問にお答え申し上げます。
 脱炭素社会の実現に向けましては、先般、改正地球温暖化対策推進法が成立し、温室効果ガスを2050年排出ゼロとする目標が法制化されました。今後、2030年までに2013年度比で46%削減とする中間目標の達成に向けて、様々な取組が全国規模で加速化していくと存じますが、目標達成には、技術革新やエネルギー改革の推進等、自治体レベルでは解決困難な課題も多くございます。しかし、私は、困難な目標であるからこそ、国等の取組を待つだけではなくて、基礎自治体であり、また区内最大の事業所である区といたしまして、行うべき施策を積極的に展開していくことが重要だと考えております。


 このような認識の下、今般の新たな環境基本計画等の策定に当たりましては、基本構想審議会や環境清掃審議会からの御意見、御提言を踏まえるとともに、専門的な知見を持つ機関からの助言も得ながら、これまでの取組の継承・充実に加えて、新たな施策等をしっかりと検討し、環境施策を前進させてまいる所存でございます。
 私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁いたさせます。

○議長(大和田伸議員) 土木担当部長。
      〔土木担当部長(友金幸浩)登壇〕

◎土木担当部長(友金幸浩) 私からは、ドッグランに関する御質問にお答えします。
 当区におきましては、現在、公園内にドッグランはございません。過去に、桃井原っぱ公園におけるドッグランの試行の結果、区立公園に設置する際には、駐車場があること、1,000平方メートル以上の十分な広さがあることなどの条件が必要であることを確認しており、区立公園への設置は困難な状況となっております。
 これまでにもドッグランの設置要望は届いていることから、区といたしましても、規模の大きな都立公園における設置の可能性を検討する必要があると考えております。都立公園等へのドッグランの設置要望があることを踏まえ、都立和田堀公園においてドッグランの設置に向けた調整を、都をはじめ区の関係部署と連携協力して進めているところでございます。
 私からは以上でございます。

○議長(大和田伸議員) 子ども家庭部長。
      〔子ども家庭部長(武井浩司)登壇〕

◎子ども家庭部長(武井浩司) 私からは、まず児童館の施設再編整備計画に関する一連の御質問にお答えします。
 児童館の施設再編整備計画は、学童クラブ需要の高まりや児童館での乳幼児親子の利用の増加などの状況を踏まえ、児童館が果たしている機能を身近な小学校や子ども・子育てプラザなどで継承し、充実発展させるもので、学童クラブの小学校内等での実施、小学生の放課後等居場所事業の実施、子ども・子育てプラザの整備などに平成24年度以降着実に取り組んでいるところです。


 現在の区立施設再編整備計画(第一期)・第二次実施プランにおいては、西荻地域における子ども・子育てプラザの整備を検討することとしており、その結果、善福寺、西荻北児童館の機能再編を進め、区内6か所目となる子ども・子育てプラザを整備することとしたものです。
 なお、今回の取組につきましては、より詳しく説明してほしいとの小学校PTAや学童クラブ父母会等の御要望を踏まえ、早期に説明会等を行うことを予定しており、引き続き、十分な御理解をいただけるよう、今後も丁寧な説明に努めてまいります。


 次に、学童クラブ委託事業者の運営に関する質問にお答えします。
 区では、学童クラブ運営を民間に委託するに当たり、杉並区学童クラブの民間委託ガイドラインを策定し、ガイドラインに定める運営等の水準を確保することを基本に、児童青少年課のほか、担当館と位置づけられた地域の児童館または子ども・子育てプラザによる日常的な運営支援等に取り組んでいます。


 また、保護者や学校関係者、地域の児童福祉関係者などで構成する学童クラブ運営協議会を設け、意見交換を行う場とするとともに、全保護者を対象としたアンケートを実施しています。
 令和2年度の委託学童クラブの運営については、総じて肯定的な評価であった一方、課題の指摘や要望、改善提案等の個別意見が寄せられており、それら一つ一つの課題を事業者と共有し、改善に向けた協議を行っています。こうした取組を通して、学童クラブの子供たちにとってより豊かな放課後の居場所となるよう、子供たちや保護者の声に耳を傾けながら、必要な改善を図ってまいります。


 次に、子どもプレーパーク事業に関する一連の御質問にお答えします。
 初めに、この間の取組状況ですが、区では、平成27年度から協働提案事業として当該事業を開始し、利用者から継続を望む声が多かったことなどを踏まえ、平成30年度からは区の委託事業として継続して実施しております。
 利用者の状況と評価は事業者を通じて把握しており、令和2年度は、コロナ禍にあっても、1回平均229人、年間累計で約1万2,000人の方に御利用いただくなど、利用する区民の方から好評を得ている事業であると認識しております。
 また、常設とスポット的な運用の違いについてですが、常設の場合、地域への定着が図れますし、スポット的な運用の場合、どの公園でも実施し得る柔軟性を発揮できるなど、それぞれのメリットがあるものと考えてございます。
 区の事業は常設ではありませんが、井草森公園及び柏の宮公園を定期的に利用することで地域への定着を図るとともに、出張プレーパークを区内各所の公園で年間6回程度開催することで、ニーズに応じた柔軟な対応を図っています。常設とスポット的な運用、双方のよさを取り入れた運営を行っていることから、当面は常設のプレーパークを確保する考えはありませんが、出張プレーパークを新たな公園でも開催できないかなど、より効果的な事業展開について今後も検討してまいりたいと存じます。


 次に、児童養護施設の退所者支援に関する一連の御質問にお答えします。
 まず、施設と行政の連携についてのお尋ねですが、区は、区内の児童養護施設と定期的に情報交換を行うなど、緊密な連携を図っております。
 次に、施設から巣立つ子供への支援ですが、入所者を把握している児童相談所の所管となる都が、児童養護施設や東京都社会福祉協議会に対して補助を実施し、施設への自立支援コーディネーターの配置や転居資金、就職支度資金の貸付けなどを行っています。


 今後、区立児童相談所を設置した際には、区が主体的に退所者の自立支援をしっかりと行っていく必要があります。児童養護施設や当事者である子供との意見交換などを行いながら、支援に向けた準備を着実に進めてまいりたいと存じます。


 最後に、子供たちの成長を支えることに関する区の見解についてお答えします。
 子供たちにとって、住み慣れた地域や学校などの中に安全・安心に過ごすことができる居場所があり、自分らしく伸び伸びと成長していけるようにしていくことは大変に重要であると考えております。こうした視点の下、新たな基本構想策定に向けた審議会での御議論も踏まえ、地域の方々等の多様な主体と連携し、子供の個性に応じた育ちを全力で支えてまいります。
 私からは以上です。

○議長(大和田伸議員) 施設再編・整備担当部長。
      〔施設再編・整備担当部長(高山 靖)登壇〕

◎施設再編・整備担当部長(高山靖) 私からは、区立施設の再編整備に関する御質問にお答えします。
 区立施設の再編整備の推進に当たっては、改築改修経費などコストに関する情報等を明らかにし、区議会はもとより、区民と情報共有を図りながら取り組む必要があると考えております。


 施設ごとの改築改修経費につきましては、昨年度策定した一般施設長寿命化計画において、過去10年間における主な施設の改築改修経費を示してまいりましたが、今後も、施設白書の発行など様々な機会を捉えて情報共有に努めてまいりたいと考えております。


 また、今年度予定している区立施設再編整備計画の第二期計画の策定に当たっては、社会経済環境の変化や将来の行政需要を踏まえることはもとより、施設の更新等に係る経費の見込みなど、コストの観点も含めた長期的な展望に立った計画とすることが必要であると考えております。こうした内容を工夫し、分かりやすく伝えていくことにより、再編整備の必要性など、計画への理解や関心を高めてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

 

○議長(大和田伸議員) 環境部長。
      〔環境部長(伊藤宗敏)登壇〕

◎環境部長(伊藤宗敏) 私からは、所管に関する残りの御質問にお答えさせていただきます。
 初めに、建築物等のスマート化のための仕組みづくりについての御質問ですけれども、区ではこの間、関係所管での情報共有を図りつつ、建築確認や都市計画制度に関する相談等の際に、低炭素化推進機器等の導入助成等の相談先を案内するなど、区民への情報提供に努めてまいりました。


 また、建築物等のスマート化に際しましては、区内で10万棟を超える住宅系の建物の屋根が有効な資産と考えまして、太陽光発電システムの導入や高日射反射率塗装等の低炭素機器導入等の助成に取り組んでまいったところでございます。その結果として、平成25年度からの太陽光発電による年間発電量は、約8割増となる1,300万キロワットほどに増やすとともに、新築、改築等の際には緑化の義務づけ等、二酸化炭素排出量低減につながる取組を推進してきたところでございます。
 次に、省エネリフォームに関しての御質問がございました。
 断熱等はエネルギーや二酸化炭素の排出量の削減につながることから、区としても住宅等の省エネ改修等は重要と考えております。この間、低炭素機器の導入助成のほか、省エネ相談、住宅増改築相談等を実施してきたところです。先般の基本構想審議会でも御意見がございましたが、断熱等には健康面にも有益な効果が認められるということから、今後も積極的な周知啓発に努めてまいりたいと存じます。


 次に、東京都との連携による気候変動、地球温暖化対策の取組に関しての御質問がございました。
 都区双方にとって、気候変動、地球温暖化対策に取り組むことは喫緊の課題であり、早急かつ強力に推進しなければならない重要な取組と認識しております。都との連携を深め、役割分担の下、双方の取組を積極的に推進することで二酸化炭素排出量削減につなげてまいりたいと存じます。
 私からは以上です。

○議長(大和田伸議員) まちづくり担当部長。
      〔まちづくり担当部長(本田雄治)登壇〕

◎まちづくり担当部長(本田雄治) 私からは、低炭素のまちづくりに関する一連の御質問にお答えいたします。
 御指摘の中野区の事例につきましては、中野駅北西側の区役所やサンプラザなどの跡地において、集客交流施設や商業機能、オフィス等を有する大規模複合施設などを整備するに当たり、低炭素化を目指した設備、建築を誘導するなど、低炭素化につながる環境に配慮したまちづくりを進める計画と承知しております。渋谷区の取組も含めまして、このように低炭素化を目指す方向性は、今の時代の流れに合った取組であり、当区においても参考にしてまいりたいと考えております。


 次に、低炭素のまちづくりの必要性に関する御質問ですが、区としても、まちづくりを進める上で重要な観点と考えております。杉並区まちづくり基本方針におきましても、低炭素まちづくりの推進による環境負荷の低減を掲げており、交通体系の改善や建物の省エネルギー化、緑の充実などを総合的に進めることで、環境負荷の軽減にしっかりと取り組んでまいります。
 私からは以上でございます。

○議長(大和田伸議員) 教育政策担当部長。
      〔教育政策担当部長(大島 晃)登壇〕

◎教育政策担当部長(大島晃) 私からは、不登校の一連の御質問にお答えいたします。
 区立学校の過去3年間不登校児童生徒数と出現率の推移ですが、全国や東京都全体と同様、本区においても増加傾向です。


 これまで、学校の教育相談機能を充実させるために、スクールカウンセラーの全校配置やスクールソーシャルワーカーの派遣により、福祉の面から支援を行ってきました。また、さざんかステップアップ教室、宮前教室の対象を小学校5、6年生まで拡充したり、個に応じた丁寧な教育相談を実施したりするなど、不登校対策に取り組んできております。


 教育ビジョンの審議会においては、子供たちの社会的自立に向けて、一人一人の思いを聞く機会と思いを表現しやすい環境を整えることが不可欠であるという意見や、子供が大人に思いを受け止めてもらえる安心感、信頼感を得られる環境をつくることが大切であるという意見などが出されております。
 不登校は、多様な要因や背景から結果として不登校状態になっており、問題行動ではありません。教育委員会としましては、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、社会的自立を目指すことが重要と考えます。
 以上でございます。

○議長(大和田伸議員) 25番山本あけみ議員。
      〔25番(山本あけみ議員)登壇〕

◆25番(山本あけみ議員) 2点ほど再質問させていただきます。御答弁いただきましてありがとうございました。


 不登校に関して1問質問させていただいたものが、区の計画の中に、不登校の児童生徒をゼロにするといった目標があるという、このことは長くこだわってきた部分なんですけれども、これに対する御回答の部分、もう少し分かりやすく、もう1回教えてもらいたいなと。含まれていたのかもしれないんですが、ゼロを目指すべき――不登校している人たちも、別に悪いことをしているわけではない、きちっと教育をしていかなければいけないという義務化もされたということで、ゼロを目指す必要があるのかなとも考えてきました。ゼロにしなければいけないと言われてしまった当事者って、どういうふうに思うんだろうと思ってきました。その部分、もう一度御回答いただければと思います。


 もう1点、カーボンニュートラルについて、区長、御答弁いただきましてありがとうございました。
 技術革新が大変激しいというか早いというか、基本構想ですとか環境清掃審議会の審議を待ってということ、専門家の知見をいただきながらということを御答弁いただいたところなんですけれども、1点、この専門家の知見というものの中に建築士の視点が含まれているのかということだけお伺いをしたいと思っております。要望の中には、しっかりと知見を含んで計画を練っていってほしいということをお伝えさせていただいたところですが、今審議をする予定の中において、建築士の視点、専門家の視点が含まれていくようになっているかということをお尋ねします。
 よろしくお願いします。

○議長(大和田伸議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
      〔区長(田中 良)登壇〕

◎区長(田中良) 山本あけみ議員の再度の御質問にお答え申し上げます。
 カーボンニュートラルの具体的な施策を進めていく上で、専門家の意見をお伺いしながらということに対して御質問がありましたので。


 当然、御指摘のように建築士の方も専門家として、ある意味で大変中心的な専門家とも言えるというふうに私は思っております。当然含まれると思っています。山本議員もそういう意味では専門家でございますから、様々な御意見、あればお寄せいただければと思います。
 私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁申し上げます。

○議長(大和田伸議員) 環境部長。
      〔環境部長(伊藤宗敏)登壇〕

◎環境部長(伊藤宗敏) 再度の御質問にお答えさせていただきます。
 専門機関に関しましては、今区長から申し上げたとおりのところがございますが、今予定しておりますのは、地球温暖化の計画をつくるに際して、様々な自治体などを研究している機関がございます。そうしたところが、国や都の動向、また他の自治体の動向、それから世界的な動き、こうしたものなどを調べながら、どうしたものが一番杉並区にとって適しているのか、そうしたところなどの知見を得ていきたいというのがまず1つございます。その中で、専門家、建築だけに限らないと思いますが、そうした専門家の方々の御意見を伺っていこうというふうな認識でございますので、御協力お願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○議長(大和田伸議員) 教育政策担当部長。
      〔教育政策担当部長(大島 晃)登壇〕

◎教育政策担当部長(大島晃) 私からは、不登校に関しまして再度の御質問にお答えいたします。
 先ほどの、学校に登校するという結果のみを目標にするのではないということは、不登校のゼロを目指すということではないということと同様に解釈していただければと思います。つまり、今後は一人一人の学びをしっかりと保障していく、そういったスタンスに立っての目標を掲げていくという方向性にございますので、御理解いただけたらというふうに思います。
 私からは以上でございます。


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