金木犀

今年も辺り一面に金木犀の甘く芳しい香りが漂う季節を迎えました。
例年、金木犀の香りを始めて感じた日をメモしていますが、殆どの年が10月の第2週の初めの頃です。

植物が季節を忘れずに花を咲かせることには、いつもながらに感動を覚えます。

金木犀の花は普段は目立たなく、香りを感じるまではその存在を忘れてしまいます。
けれども、蕾が膨らみ始めると俄かに人々は辺りに目を向け、金木犀を探します。
まるで、オレンジ色の星のような金木犀の花。
秋の少し冷たい雨に打たれ、地上に落ちた星のように見える姿もまた儚いものです。

今年の金木犀の香りは、まるで私の心の悲しさを癒してくれるように、一際優しく辺りを包んでくれているような気がします。



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