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難しい民法の分かれ道~隣地との離れ・眺望について

2010-10-10 21:46:46 | ■建築-実施・監理
お施主さんになかなかこの民法の取り扱いについて説明するのが難しいのですが・・・
建築基準法とは別に民法において建築の事を取り扱う条文があります。

それは、隣地境界線から50cm以上建物を離して建てなさいというもの。

この法律は、絶対的な制約ではなく住民同士の話し合いにより50cm話さなくても建築する事が出来るという曖昧な法律。(民民の話し合いにより解決が出来るもの)
また、商業地域などの住宅密集地では建築基準法で、耐火建築物(コンクリート造など)は隣地境界線上に建てることが出来るとも規定されているので、その周辺の慣習によっても法律が有効に働くかどうかが別れるんですね。

また、隣地境界線から1mの範囲内に隣を眺望できる窓や縁側等を設けてはいけないという決まりもあります。

特に、建売住宅などは、分譲会社が自己都合で土地を別けて計画するので、この民法は無視して建てる事が多く、そういった家も少なくありません。

住宅密集地でなくとも、隣人に事前に許可をもらうなどして寄せて建てることは出来ますが・・・
どこで心変わりするか?
また、他の人に隣地が手に渡った時にどのような対応を求められるかは予測できません。

法律では、新築して1年以内。竣工までの間であれば、異議を唱え廃止させることが出来るとも記載があり、裁判になると不利なことが多いのです。
しかし、イレギュラーなケースや外壁の扱い(バルコニーや出窓をどの範囲まで含むか?)が曖昧な部分も多く、説明の仕方を悩むんですよねぇ~。

さて、この民法。
建築基準法とは別ですので、お施主様の意思により守らないで建築することは可能です。
ですが、キチンと近隣の承諾を得ないと後にお施主さんが困る事になります。
「大丈夫ですよ。まず問題になりませんから。」
って問題を片付けて我々建築家が取り組む事は簡単なんですが・・・
可能性としては低くても、その万一の場合には被害が大きく。
簡単に代替措置や、対応が出来るように考えとかなければならないというのが私の考えです。

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今回は区画整理地域での新築計画の為、さらにこのリスクが高まると考えています。
今までは、どの家も民法など守っていなかった環境だったのですが、区画整理で敷地が新しくなり、各々が新築する為、ほとんどの世帯は民法を遵守し新築する事になります。
その中で、一軒だけ民法に沿わない建物が出来た際に、キチンと法律を守った人にしてみれば面白くないわけで・・・
通常以上に問題が顕在化する事が多いと考えています。
(始めは民法の事が良く解らなくていいですよといった隣人が、周囲から話を聞き、損害賠償を求める権利があることを知ってしまうとか・・・)

そして、そういった金銭的な問題以上に、周辺住民との関係のこじれや衝突が最大の問題となります。
この問題は万一、起きてしまうと容易に修復できなく住み続けるのが難しくなってしまうことも考えられるわけです。

敷地が狭い場合、特にこの民法は大きな影響を与えます。
お施主さんに○○出来ないのか?
と聞かれれば「出来る」だけども、どういった理由でそれをすべきでないか?前もって説明するようにしています。
条件が揃って問題の可能性が著しく低くなっても、万一の時の対応策を予め考えた上で取り組むべきですよね。

お施主さんに出来ない。出来ないと言うばかりでは信頼されないので、何故出来ないのか?
どうしてすべきじゃないのかを説明して納得していただく事は本当に大変だし、説明するのが難しいです。。。

気になる方は、
民法第234条1項及び民法第235条第1項等を調べてみてください。。。
検索するといろんな問題や裁判の判例が出てくるかと思います・・・

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