春季展「千家名物とその周辺-利休・少庵・宗旦の茶道具」 サイト
湯木美術館 ☆3月11日(日)まで、後期:2月15日(水)~3月11日(日)
もう前期は日曜日で終わってしまったけど、前期の感想。
千家の、それも始めの三代(利休・少庵・宗旦)の時代だけあって、とてもクラシックな印象。
同時にその代のカラーの比較も見られて興味深かった。
例えば、最初に植物(?)素材の花入が3つ。
利休作の瓢花入と少庵作の竹一重切花入、そして宗旦作の竹一重切花入。
渋さと素直さと捻り技~といった、三者三様の違いが面白い。
利休さんの瓢花入は永青文庫の「顔回」と似てるけど、やはり“見立て”ではなく最初から狙って花入作った感じ。
厚めの漆と鉄鐶が「花入にするぞっ!」という、強い意志を示してる、ような。
ちなみに、鈍翁さん伝来。(たしかに、好きそ)
少庵の竹花入も雲州蔵帳所蔵の来歴あり。つまり、不昧公の蔵品リストに入ってた。
宗旦さんの竹花入は銘が「白雪」。腰の捻りが宗旦さんらしい?
続いては、楽茶碗。
赤楽茶碗 銘「再来」。長次郎作で宗旦所持とのこと。細い金継ぎがたくさん。痛々しい。
これ、以前にも見たかも。ちなみに茶道指月集に記載があるらしい。
現代語訳を買ったから、こんど確認してみよっと。
黒楽茶碗・銘「しば栗」はいかにも常慶さん(もしかすると宗慶さんかも。区別がつきづらい、らしい)。
道入の黒楽平茶碗は平たいけど、丸い球体みたいな洗面器のようなカーブがユニーク。
点前座3点の取り合わせ。
利休瀬戸茶入・銘「有明」は瀬戸の重厚感。
信楽芋頭の水指(本阿弥光甫作)は中央のへこみが印象的。
黒楽茶碗・銘「キリギリス」 長次郎作。 たて長で口造りとか厚い。カセてるけど。。。
又隠棗は宗旦在判。いかにも正しい棗の形? 小さい。
黒大棗は山科宗甫の在判。
宗甫って、少庵の息子で宗旦の弟だったんだねぇ。名前は以前から目に入ってたけど、知らなかった。
竹茶杓の競演も。
利休作「ヤハラ道い(←「りっしんべん」に「台」) やや細身。テカってるなぁ。
春屋宗園作の茶杓。めったにない名物だそうで。宗旦の添え状付き。
宗旦作の銘「ゆつり葉」。しみ?ゴマがいっぱい。かんり使い込んだ感がある印象。
掛け物も3点。
春屋宗園筆の墨跡「寒松一色千年別」。意味よくわからないけど、たぶん今の時期だなぁと思える。
利休さんは消息で「白餅の文」。
江岑夏書には「利休さんの一行物はない」とあるそうだけど、確かに云われてみればそうかなぁ。
あと一つは烏丸光廣筆の試筆(←印象が残ってない)
ほかは与次郎の阿弥陀堂釜。炉の時期になると、あちこちの茶道具関係の美術館で見かけるなぁ。
炭道具もね。炭手前って、利休さんから始まったって、云われてみればそうだったかなと思った。
長次郎の焙烙の灰器。畠山や五島のよりはかなり小さめ。(それでも大きめ)
畠山や五島の焙烙は大きすぎて連想さえ出来なかったけど、
それなりのサイズだと、2月でもあるし、壬生寺で節分に奉納した焙烙を思い出した。
やっぱり、あれから来ている、みたい。
1つだけの展示は黄瀬戸建水の銘「大脇指(おおわきざし)」。
大きい 水指かと思った。 ぜったい、私はこれを持ち運びできない
小間の中は今回、今ひとつ印象残らず。
今回、湯木さんなのに懐石と関係するものがなく、これはこれで違和感だったかなぁ。
以前は懐石道具しかないと「物足りない」と文句言ってたのにね
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★参考~過去の湯木美術館訪問記録(ちなみに今回で13回目の訪問!)
2011.12月 秋季展「茶道具の琳派」
2011.8月 夏季展「夏の祭釜と茶道具」
2011.6月 「日本<茶>料理の開拓者 吉兆庵湯木貞一生誕110周年記念展」三期「湯木貞一の茶道具 - コレクションから」
2011.5月 「日本<茶>料理の開拓者 吉兆庵湯木貞一生誕110周年記念展」二期:「数寄者との交流 - 小林逸翁・松永耳庵・松下幸之助」
2010.9月 『上方豪商の茶』
2010年5月 『釜と水指』
2010年3月 『茶の裂地』
2009年11月 『棗と茶杓』
2009年5月 『千家十職-茶道具と懐石の器』
2008年10月 『茶道具と器にみる四季の花』
2008年3月 『茶碗を愉しむ』
2007年11月 『風流と美』
湯木美術館 ☆3月11日(日)まで、後期:2月15日(水)~3月11日(日)
もう前期は日曜日で終わってしまったけど、前期の感想。
千家の、それも始めの三代(利休・少庵・宗旦)の時代だけあって、とてもクラシックな印象。
同時にその代のカラーの比較も見られて興味深かった。
例えば、最初に植物(?)素材の花入が3つ。
利休作の瓢花入と少庵作の竹一重切花入、そして宗旦作の竹一重切花入。
渋さと素直さと捻り技~といった、三者三様の違いが面白い。
利休さんの瓢花入は永青文庫の「顔回」と似てるけど、やはり“見立て”ではなく最初から狙って花入作った感じ。
厚めの漆と鉄鐶が「花入にするぞっ!」という、強い意志を示してる、ような。
ちなみに、鈍翁さん伝来。(たしかに、好きそ)
少庵の竹花入も雲州蔵帳所蔵の来歴あり。つまり、不昧公の蔵品リストに入ってた。
宗旦さんの竹花入は銘が「白雪」。腰の捻りが宗旦さんらしい?
続いては、楽茶碗。
赤楽茶碗 銘「再来」。長次郎作で宗旦所持とのこと。細い金継ぎがたくさん。痛々しい。
これ、以前にも見たかも。ちなみに茶道指月集に記載があるらしい。
現代語訳を買ったから、こんど確認してみよっと。
黒楽茶碗・銘「しば栗」はいかにも常慶さん(もしかすると宗慶さんかも。区別がつきづらい、らしい)。
道入の黒楽平茶碗は平たいけど、丸い球体みたいな洗面器のようなカーブがユニーク。
点前座3点の取り合わせ。
利休瀬戸茶入・銘「有明」は瀬戸の重厚感。
信楽芋頭の水指(本阿弥光甫作)は中央のへこみが印象的。
黒楽茶碗・銘「キリギリス」 長次郎作。 たて長で口造りとか厚い。カセてるけど。。。
又隠棗は宗旦在判。いかにも正しい棗の形? 小さい。
黒大棗は山科宗甫の在判。
宗甫って、少庵の息子で宗旦の弟だったんだねぇ。名前は以前から目に入ってたけど、知らなかった。
竹茶杓の競演も。
利休作「ヤハラ道い(←「りっしんべん」に「台」) やや細身。テカってるなぁ。
春屋宗園作の茶杓。めったにない名物だそうで。宗旦の添え状付き。
宗旦作の銘「ゆつり葉」。しみ?ゴマがいっぱい。かんり使い込んだ感がある印象。
掛け物も3点。
春屋宗園筆の墨跡「寒松一色千年別」。意味よくわからないけど、たぶん今の時期だなぁと思える。
利休さんは消息で「白餅の文」。
江岑夏書には「利休さんの一行物はない」とあるそうだけど、確かに云われてみればそうかなぁ。
あと一つは烏丸光廣筆の試筆(←印象が残ってない)
ほかは与次郎の阿弥陀堂釜。炉の時期になると、あちこちの茶道具関係の美術館で見かけるなぁ。
炭道具もね。炭手前って、利休さんから始まったって、云われてみればそうだったかなと思った。
長次郎の焙烙の灰器。畠山や五島のよりはかなり小さめ。(それでも大きめ)
畠山や五島の焙烙は大きすぎて連想さえ出来なかったけど、
それなりのサイズだと、2月でもあるし、壬生寺で節分に奉納した焙烙を思い出した。
やっぱり、あれから来ている、みたい。
1つだけの展示は黄瀬戸建水の銘「大脇指(おおわきざし)」。
大きい 水指かと思った。 ぜったい、私はこれを持ち運びできない
小間の中は今回、今ひとつ印象残らず。
今回、湯木さんなのに懐石と関係するものがなく、これはこれで違和感だったかなぁ。
以前は懐石道具しかないと「物足りない」と文句言ってたのにね
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★参考~過去の湯木美術館訪問記録(ちなみに今回で13回目の訪問!)
2011.12月 秋季展「茶道具の琳派」
2011.8月 夏季展「夏の祭釜と茶道具」
2011.6月 「日本<茶>料理の開拓者 吉兆庵湯木貞一生誕110周年記念展」三期「湯木貞一の茶道具 - コレクションから」
2011.5月 「日本<茶>料理の開拓者 吉兆庵湯木貞一生誕110周年記念展」二期:「数寄者との交流 - 小林逸翁・松永耳庵・松下幸之助」
2010.9月 『上方豪商の茶』
2010年5月 『釜と水指』
2010年3月 『茶の裂地』
2009年11月 『棗と茶杓』
2009年5月 『千家十職-茶道具と懐石の器』
2008年10月 『茶道具と器にみる四季の花』
2008年3月 『茶碗を愉しむ』
2007年11月 『風流と美』
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