Akatsuki庵

日々と向き合って

北村美術館『遠砧』

2016年11月06日 13時51分01秒 | 美術館・博物館etc.
★北村美術館 サイト
 秋季茶道具取合展『遠砧(とおぎぬた)』 ※12月4日(日)まで

西日がさしこむ閉館時間30分前に駆け込み入館。

寄付の白隠筆の猿猴捕月図がインパクト強し。

お猿さんが池に映ったお月様を捕ろうと腕を伸ばす~というお決まりの構図なんだけど、
腕の長さが半端なくって。

それは「欲深さ」に対する戒めかしらん。

本席の交趾台牛香合。「天」の字あり。
身と蓋を分けて展示。身を筆禍利返して底裏を見せていただいて、これは勉強になる。

さらに濃茶席。
利休作 竹尺八「直書あり」。 
って、利休さんが小田原で作った3つの竹花入の一つ? 「園城寺」「尺八」「夜長」

園城寺はトーハクの所蔵で何度も見たから、覚えているけれど、
他の2つはどこが所蔵しているか、忘れた。
(たぶん、「夜長」も見たことある、と思う)

他は「すごーく古いなぁ」と思うものが多かった。

信楽の鬼桶(水指)は「本当に使ったのかなぁ」と思う古さだったし、
井戸茶碗「雨雲」も古かった。

長次郎作の素焼焙烙の灰器とかもそう。

茶釜も大名物の古天明(砕銭釜) 
「もう、炉用の釜なんだー」と思って、形と覚えていない。
来歴が足利義政-織田信雄-今井宗久となっていたので、びっくりした。
(解説のみに目がいく傾向、いい加減に改めたい)

懐石道具の向付が道入作の割山椒。
「1つだけ展示して、他2つは楽美術館に今展示中です」とのこと。

こういう相互協力もおもしろい。

原羊遊斎作の不昧好の大菊棗。ここでも見た。
東西の茶道具を収集している美術館で出会う。

全部で30個作ったという。私はこのうちの幾つに出会えているだろう。

佐竹本三十六歌仙断簡もその一つ一つをあちこちで鑑賞するのがライフワークに近くなりつつある。

最後にテーマとなった「遠砧」の絵。

そんなに古い絵ではない。

牛車の簾をあげて遠くの三日月を眺めるお公家さん~

という構図。

昨夜『京都人の密やかな愉しみ 月夜の告白』を見ていて、
こんなにも月の満ち欠けに名前をつけて、生活に取り込む暮らしって~とびっくりした。

あれを見て、この絵を眺めたら、もっと理解が深まっただろうに。

★北村美術館バックナンバーリスト
2016年春『春を惜しむ』 
2015年秋『初しぐれ』
2015年春『花どき』
2014年秋『秋更の茶』
2014春『午歳の茶』
2013秋『夕ざりの茶』&四君子苑 
2013春『春興の茶』
2012秋『追憶の茶』
2012春『野遊の茶』
2011秋『凩のころ』
2011春『重春』
2010秋『秋侘ぶ』 
2010春『新緑祭釜』
2009秋『秋興の茶』
2009春『牛歳余春』
2008秋『深秋のころ』
2008春『吉野懐古』
2007秋『暦年の茶』

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
北村美術館 (ふくろう)
2016-11-07 10:22:59
たびたび失礼いたします。先日京都に行った際にやっと四君子苑の公開と重なり、行ってきました。展示物は少ないけどいつも満足する所です。初めての四君子苑は、すべてのお部屋でお茶を楽しめる家・・・なんて羨ましい建物でした。
四君子苑 (Akatsuki)
2016-11-07 13:27:06
ふくろうさん

ちょうど公開時期にあたってヨカッタですね。
秘められたワンダーランド、あそこでお茶事に招かれたいっ!ですね。

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