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身近な生き物:ファーブルにはなれません

2019-05-22 06:29:19 | 日記
数分間、ハチを見る

 小学生だった私は夏休みの自由研究で、憧れのファーブルの真似を始めました。
昆虫の行動を自分の目で観察し、仮説を立て、実験で確かめる手法を、簡単に真似できると
考えたのです。
 選んだ対象は軒下に巣を作っていたアシナガバチ。
成虫がどんなルートを辿って巣に戻るか、再びエサを求めて飛び立つ時にはどこを通るか、
それを調べて知られていない新たな習性を見つけようと意気込んだのでした。
 巣の下に佇んで待つこと数分、1匹が巣に舞い戻りました。
その時見えた軌跡をそれらしくノートに書きとめ、次の飛翔を待ちました。
 そんな事を僅かに3回繰り返して止めました。
飽きてしまったのです。
仕方が無いのでノートに見てもいない軌跡を何本か書き加えて、私の自由研究は終わりました。

 あれから半世紀、あの時の少年は見た目も中身もくたびれきったオヤジに姿を変えて、
足元を見つめていました。
視線の先にあるのはアリの巣。
十数匹のアリが巣穴から半径30cmの周囲で蠢いています。
 オヤジの注目している相手はそこに近付く1匹。
ダンゴムシが恐怖の集団に向かって進んでいます。
この先どんな修羅場が待っているのか、気になります。

数分間、ダンゴムシを見る

 ダンゴムシには驚くべき能力が備わっています。
「交替性転向反応」と呼ばれていますが、要は効率的に敵から逃れる能力です。
<もしも同じ方向に曲がり続けると元の位置に戻ってしまう確率が高い。
そこで障害物に当たった時に曲がる方向を定めている。
最初に右に曲がったら、次の障害物では左に曲がる。
左右交互に曲がる事で少しでも敵から遠ざかることができる。>(ダーウィンが来た より)
 その能力を発揮して巣穴からは遠ざかり始めたのですが、辺りはどこもアリの活動範囲。
すぐに見つかり1匹に追いつかれました。
そうなれば団子状に丸まって凌ぐかと思いますが、このダンゴムシ何故かそうはなりません。
そのまま地面にぺたんと張り付いたのでした。
 襲い掛かってはみたものの背中側はツルツルしているし、お腹側は地面に密着しているし、
攻める場所が見つからずにアリも困っています。
2分ほどうろうろして興味を失ったのか、その場を離れて行きました。

 敵の気配が失せてから暫し待って、ダンゴムシは再びモゾモゾと動き始めました。
暫く進むとまたもやアリに見つかり追いつかれ、今度も地面にピタリと張り付いて防御の
態勢を作ります。
何かの理由が団子状になることを拒んでいるのかもしれません。
 ハチの飛翔軌跡を追いかけてから約半世紀、今度はダンゴムシの知られざる生態に迫る
かも知れない場面です。
でもそんな事にはなりません。
だって飽きっぽい性格は変わらないのですから。
 結末を見る前に、オヤジは飽きてその場を立ち去りました。
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