あるく あかるく

健康長寿 めざしましょう

昭和のプロレス:敵は暑さ

2021-12-24 06:29:19 | 日記
メディコに負ける

 「甦れ!金曜8時の昭和のプロレス」では主役を盛り立てた脇役を振り返って
います。
今週はお揃いのマスクとコスチュームのタッグチーム、「覆面暗殺団、ジ・アサ
シンズ」の登場です。

 ふたりは1970年日本プロレスの第1次ゴールデンシリーズで吉村・猪木
の持つアジアタッグに挑戦しています。
6月8日の愛知県体育館大会に全身を黒いコスチュームで覆い、市松模様の様に
四分割で色分けされた奇抜なデザインのマスクを被って登場。
 1本目は吉村がアサシンBを回転エビ固めで6分10秒抑え込み、2本目は
アサシンAが17分39秒に吉村を体固め。
決勝の3本目は猪木が秘密兵器のジャーマンスープレックスを炸裂させて3分
45秒でAをフォールして6度目の防衛に成功しています。(プロレス爆裂地帯!! より)

 見た目がそっくりなのでどんなに攻め込まれても巧妙にすり替わってしまう、
今回ばかりは王者チームも危うし!
試合前の専門誌のそんな煽り記事を読んでいたファンはアサシンズの戦いぶりに
過剰な期待を抱いていました。
 ところがすり替わり戦術は時にタイミングがずれる稚拙な動きが目立ちます。
悪いことに前年に初来日したメディコ2号3号が素早い入れ替わりを披露して
いただけに、ファンの落胆は大きかったのでした。

大抜擢を受ける

 ところがこの戦法、実はアサシンズが編み出したもの。
アメリカジョージア州で誕生したチームは覆面に凶器を入れての頭突きで攻め立て、
逆襲を喰らうと巧妙にすり替わる戦術で観客の怒りを煽りました。
 アサシンズが出る会場はどこも超満員、その悪役人気に目を付けた日本プロ
レスが65年9月に招聘しています。
 6月24日の前夜祭ではいきなり豊登・馬場の最強チームと15分1本勝負
で対戦。
得意の戦術を駆使して日本組を翻弄したのでした。

 29日には札幌で豊登・馬場が持つアジアタッグに挑戦、10月17日にも再戦
する善戦振りでした。
 余勢を駆ってアサシンBは当時行われていたインターナショナル選手権争奪戦
にも出場します。
これは空位の王座を争う予備戦で、デストロイヤーやアルバート・トーレスらの
強豪に混じって馬場との一騎打ちに抜擢されました。
 初来日でそれなりの存在感を示したアサシンズはその後も何度か来日しますが、
目立った活躍はありません。
 このチームが全身を覆う揃いのコスチュームを纏ったのには理由がありました。
Aは浅黒くてBは色白。
せっかく考え付いた入れ替わり戦法を成功させるには見た目を同じにする必要が
あったのでした。
 <おかげで夏場は死ぬ思いだった>(伊賀プロレス通信 より)、Bは回顧録
でそう振り返っているそうです。
 初来日早々に高温多湿な日本の夏の洗礼を受けるとは過酷過ぎる話です。
以降の来日で頑張りが薄れてしまったのもナルホドと納得できるじゃないですか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする