赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

撃墜された中国のスパイ気球 :230208情報

2023-02-07 00:00:00 | 政治見解



撃墜された中国のスパイ気球 :230208情報

「気象研究用が誤って米国に進入」のわけがない中国気球

アメリカ本土上空で中国の偵察用気球が確認され、反発したアメリカが、1月5日から予定されていたブリンケン米国務長官の訪中をキャンセルするなど問題となっています。

この気球は、日本時間の5日早朝、サウスカロライナ州沖の大西洋上に出たところを、米軍のF-22戦闘機が撃ったミサイルによって撃墜されました。中国側は「過度な反応だ」として強くアメリカ側に抗議しています。

アメリカ国防総省の高官は「中国の気球であると確信している」と述べています。

過去に確認された同種の気球を撃墜したか、あるいは墜落したものを確認した、さもなくば過去3回、同様の気球がアメリカ上空に侵入していたとの情報があることを考えると、放球からアメリカ領空侵入まで、継続して確認していたことによる確信だと思われます。

この背景について、中国ウオッチャーにお伺いしました。



■アメリカ上空に現れた「気球」

中国の偵察気球がアメリカで大きな話題になっています。

この気球は、1月28日にアメリカ・モンタナ州の上空で地域住民によって発見されました。中国は公式発表の直後は関与を否定したものの、後になって中国のものであると認めました。

中国政府の説明では、これは偵察用の気球ではなく民間の気象観測用のもので、誤ってアメリカ上空に入ってしまったといいます。

一方で、実はモンタナ州というのは、アメリカの大陸間弾道ミサイルが配備されている3つの場所のうちの1つ。明らかに軍事施設を狙って偵察をしていたと考えられるのです。


■アメリカ人が怒った理由

今回の件で、アメリカの政治家は非常に強く反発しています。なぜなら、この事件はアメリカ人にとっては、9.11以来、初めて領空侵犯されたという強いインパクトがあるためです。

現在のアメリカでは反中の雰囲気はあっても、中国のことを明確な敵とみなしている一般のアメリカ国民はまだ多くありません。それが、今回のスパイ気球の領空侵犯によって、一気に危機感があがったのです。

発見された気球の直径は40メートルと非常に大きく、もしその中に生物兵器や化学兵器が入っていた場合、非常に危険な事態になります。

ですから、外国の気球がアメリカ領空を飛ぶこと自体、アメリカからすると許せない行動なのです。


■気球を飛ばした中国の狙い

習近平は共産党大会が終わってから、戦狼外交を変えて「ニコニコ外交」を展開してきました。現在の国際情勢では、ウクライナ戦争の状況を打開する仲介役として、習近平は西側陣営に恩を売りたいはずです。

なぜわざわざこのタイミングで中国は気球を飛ばしてアメリカとの関係を悪化させたのでしょうか? これには、3つの可能性があると思われます。

①習近平も同意の上で気球を飛ばした可能性
もしこの場合、習近平が本当に馬鹿だったか、もしくはアメリカの核弾道ミサイルの情報がどうしても欲しかったということが考えられます。

②習近平の同意がない状態で気球を飛ばした可能性
これは例えば、習近平が昔に許可を出した指示を忘れているということが考えられます。独裁者となった習近平は、国家運営のありとあらゆる問題について指示を出す必要があるため、昔に許可した政策が現在になってそのまま実行されてしまった可能性があるのです。

③習近平の同意なしに誰かが飛ばした可能性
私はこれが、一番大きいと思います。気球を飛ばしたと考えられるのは、中国の軍部を担当する国家安全局です。その中に、習近平の足を引っ張るような人がいるのかもしれません。

もしかすると、わざと気球を発見させて、騒ぎを起こさせることも全て計算の上ということも考えられます。気球によって習近平の立場を悪くして、追い落としを狙っているのです。



  お問い合わせ先 akaminekaz@gmail.com【コピペしてください】
  FBは https://www.facebook.com/akaminekaz

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする