赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

中国の新たなスパイ組織「魯班工房」  topics(677)

2022-12-12 11:21:07 | 政治見解



topics(677):中国の新たなスパイ組織「魯班工房」


日本政府がスパイ組織である「孔子学院【※1】」に対し厳しい目を向けはじめたのが菅前総理の時代です。現在は、世界的に警戒されるようになったため、中国は、孔子学院に代わる新たな工作機関をつくったようです。

【※1】孔子学院は日本国内では早稲田大や立命館大など14の大学にあると言われる(なお、兵庫医科大学は本年2月末に閉鎖)。孔子学院は、海外の教育機関が日本の大学と連携する際は国の認可を必要とせず、大学側に教育プログラムの提供などを自由に行えるという仕組みを利用してつくられた。「中国共産党のスパイやプロパガンダ(政治宣伝)の機関」としてあまりにも有名。

以下のような情報が入ってきましたのでお伝えします。



私たち日本人が気づかないうちに、中国共産党による脅威が迫ってきていました…

あの中国が発展途上国に無償で技術提供…!?

日本や世界に様々な害をなしている中国が、そのような慈善活動を行っているなんてにわかには信じられないかもしれませんが、“魯班(ロバン)工房”という施設を発展途上国に展開しているのです。しかも、無償で……

発展途上国側としては、技術の提供を無償で受けられるのでとてもありがたいですよね。

しかし、あの中国が展開している施設となると何かきな臭くないでしょうか…? あなたのその予感、まさに的中しています。中国が魯班工房を世界各国に展開している理由は主に2つあります。

それは、中国の技術を無償で提供することで、
①低コストの投資で対中感情を良くすることができる
②現地で新たなプロジェクトが展開される際に中国をパートナーとして選んでもらいやすくなる
といった狙いです。

さらに、専門家の中には、「魯班工房は中国共産党のスパイ拠点になりうる」と警鐘を鳴らしている人もいます…
なぜなら、中国共産党はいままでにも魯班工房のような施設を世界各国に展開し、“その施設”を根城にして、各地でスパイ工作を行っているという疑惑があるからです。実際に、中国共産党がかつて世界中に張り巡らした“孔子学院”は各国からスパイ拠点として認定され始めており、閉鎖を余儀なくされています。


話はここで終わりなので、魯班工房なるものがどんなものなのか Record China 2022年11月6日(日)の記事を引用して調べてみます。ただし、Record China の記事ですから、中国ヨイショの部分は割り引く必要があります。


「孔子学院」に排斥の逆風、海外の影響力拡大のため職業訓練校で巻き返しか―中国

中国が世界各地で展開してきた孔子学院は、目的は政治宣伝と主張する声が高まり、行き詰まりを見せている。中国は現在、別組織である「魯班工房」により、海外での職業訓練事業に注力している。

中国は2009年から、海外の大学と提携して、中国語や中国文化について教える組織の「孔子学院」を設置してきた。しかし孔子学院には、中国側の政治宣伝を行っているとの批判も高まり、閉鎖される事例も相次いでいる。米国の政府系メディアであるボイス・オブ・アメリカは6日付で、中国は、発展途上国での設置に力を入れている職業訓練校の「魯班工房」を、「孔子学院」に取って代わる存在と考えている可能性があると紹介する記事を発表した。

米国には4年前に118校の孔子学院があったが、現在までに104校が閉鎖された。中国の政治宣伝を行っているとの見方が強まったためだ。そのような流れの中で、「一路一帯」沿線の発展途上国などで事業を展開している教育組織が「魯班工房」だ。

「魯班工房」とは、紀元前5世紀の春秋時代の中国で活躍した伝説的な工匠である公輸盤にちなむ。公輸盤は公輸盤班とも書かれ、現在の山東省辺りで活躍したので魯班と呼ばれることが多い。

魯班工房を立ち上げたのは天津市政府だ。教授する内容はメカトロニクス、応用電子技術、オートメーション、ロボットなどさまざまで、現地の人材育成のニーズに合わせて設定されている。

例えばタイに設立された「魯班工房」では、学生が天津渤海職業技術学院の教師から、応用電子技術を学んでいる。アフリカのマリでは学生が、天津医学高騰専門学校の教師から、中国伝統医学を学んでいる。また同じくアフリカのジブチでは、天津鉄道職業学院の教師が学生に商工業について教えている。将来的にジブチの港湾とアジアとの貿易活性化に役立てるためという。

先進国でも中国による職業訓練の動きがある。英国に開設された「魯班工房」では、中国料理の調理人が、学生に本格的な中国料理の作り方を教えている。

初の魯班工房はタイで2016年に開設された。現在ではエジプト、エチオピア、インド、パキスタン、ポルトガル、中央アジア諸国など世界19カ国で「魯班工房」25校が活動している。オーストラリア国立大学グローバル・マネジメント・カレッジのダーク・ファン・デア・クレー研究員は、「現状の規模では、魯班工房の所在国に対する貢献も、地政学的あるいはソフトパワーのツールとしての役割も限定的だ。しかし魯班工房の開設が規模を拡大し続ければ、状況は変わる可能性がある」との見方を示した。

魯班工房と孔子学院の海外進出方式は基本的に同じだ。魯班工房の事業を立ち上げる際には、まず現地の協力パートナーを探す。合意が達成されれば現地の教育機関内に魯班工房を設立し、中国標準の関連技術を教える。学生は修了後、現地で就職する。

魯班工房は天津市政府による事業であるにもかかわらず、習近平国家主席は国際的な場で、魯班工房に関連する発言を繰り返している。22年には、トルクメニスタンのベルディムハメドフ大統領、タジキスタンのラフモン大統領、キルギスのジャパロフ大統領と会談した際に、それぞれの国での魯班工房設立に言及した。(以下略)


確かに、下心、見え見えの工作機関のようです。このようにして、発展途上国は中国の手玉に取られていくのでしょう。発展途上国には、中国の債務の罠に陥らないよう願うばかりです。



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