先日、実家で飼っていた猫のプーちゃんが亡くなった。
何歳かは不明。たぶん20歳弱。大往生。
今年の正月に帰省した時にはずいぶん弱っていた。ただ、これからおばあちゃんになっていくんだろうな、くらいにしか思っていなかった。
その約半年後、仕事で夏前に帰った頃には、もうほぼ歩けていなかった。
猫の寿命についてちゃんと考えてなかった。
夜中、ほとんど一日中そこから動かないクッションの上で寝ているプーを撫でると、まったく起きずに何の反応もせず寝息をたてている。
「もうお別れかな」
次に会えるのは、恐らく今年の年末。その頃にはもう生きていないんだろうな、と覚悟した。
元気だった頃は寝てる時に撫でると、すぐに起きて「触るなよ」と言わんばかりにプリプリと逃げてってた。
プーちゃんは子猫の頃、元の飼い主から虐待されて、どういうわけかうちの実家へやってきた。
人間を信用せず、高いところが好きで、最初の頃は母と父にも触らせてくれなかった。
動物好きの母はそれでも何とかしようと、愛情を注いで、手には引っかき傷が絶えなかった。
やがて2匹目の猫、弟分となるモモちゃんがやってきた。
モモは甘えん坊で臆病な性格で、いろんな面でプーと対照的だった。
分かりやすいのは鳴き声だった。
モモは母に甘えに甘え、「ミャーーオ、ミャーーーオ」とうるさいほど鳴くが、プーはごくごくたまに、宝石のような綺麗な声で「ミャッ」と鳴いた。
そういう正反対の性格が幸いしたのか、2匹は本当の姉弟のように仲が良かった。
しかし見事なまんまるだなあ…
高いところと狭いところが好きで、冷蔵庫から棚の上、ぴょんぴょんと飛び回って家族を見下ろしていた。
たまに、じーーーっとこちらを見てきた。
「なに見てんの?」と声をかけて手を振っても、目を静かにパチクリさせるだけだった。
猫の瞬きは信頼の証、というが、どうもうちの場合は、人間の言葉にすれば「別に」って感じだった気がする。
無視、とかじゃなくて、声に出して「別に」という。
ここ数年はもう馴れたもので、近寄っても逃げなかった。
あまり高い場所にも登らなくなった。
夜中、一人で居間にいてテレビなんか見てると、そっと覗きに来てうろうろ机の周りを2~3周した後、膝に乗っかってきてくれた。
なんだかそれは帰省するたびの恒例になっていた。
兄と一緒に昼寝してるところ。
わざわざ人のコップで水飲んだりする。
油っぽいものに目がなかった。
元気がなくなってから、弟分のモモはプーにぴったりと寄り添っていた。
母の話だと、体中ベタベタになるまで寝続けるプーを舐めていたらしい。
そして亡くなってからは、その亡骸の上に重なるようにして乗っかり、離れなかったそう。
人間を信用しなかった猫が、何年もかけて人間を信用して、最後は母の腕の中で亡くなってくれた。
わたしが上京してからずっと母と父と一緒にいてくれた。
信用も愛情も、与える対象次第なわけで… プーはそういったものを、子供がいなくなった我が家に与え続けてくれた。
ありがとう、忘れないからね。
安い言葉だけど本当にそれしかない。感謝しかない。
そうしてプーのことを思い出すと、目をパチクリさせて「別に」って言ってそう。
何歳かは不明。たぶん20歳弱。大往生。
今年の正月に帰省した時にはずいぶん弱っていた。ただ、これからおばあちゃんになっていくんだろうな、くらいにしか思っていなかった。
その約半年後、仕事で夏前に帰った頃には、もうほぼ歩けていなかった。
猫の寿命についてちゃんと考えてなかった。
夜中、ほとんど一日中そこから動かないクッションの上で寝ているプーを撫でると、まったく起きずに何の反応もせず寝息をたてている。
「もうお別れかな」
次に会えるのは、恐らく今年の年末。その頃にはもう生きていないんだろうな、と覚悟した。
元気だった頃は寝てる時に撫でると、すぐに起きて「触るなよ」と言わんばかりにプリプリと逃げてってた。
プーちゃんは子猫の頃、元の飼い主から虐待されて、どういうわけかうちの実家へやってきた。
人間を信用せず、高いところが好きで、最初の頃は母と父にも触らせてくれなかった。
動物好きの母はそれでも何とかしようと、愛情を注いで、手には引っかき傷が絶えなかった。
やがて2匹目の猫、弟分となるモモちゃんがやってきた。
モモは甘えん坊で臆病な性格で、いろんな面でプーと対照的だった。
分かりやすいのは鳴き声だった。
モモは母に甘えに甘え、「ミャーーオ、ミャーーーオ」とうるさいほど鳴くが、プーはごくごくたまに、宝石のような綺麗な声で「ミャッ」と鳴いた。
そういう正反対の性格が幸いしたのか、2匹は本当の姉弟のように仲が良かった。
しかし見事なまんまるだなあ…
高いところと狭いところが好きで、冷蔵庫から棚の上、ぴょんぴょんと飛び回って家族を見下ろしていた。
たまに、じーーーっとこちらを見てきた。
「なに見てんの?」と声をかけて手を振っても、目を静かにパチクリさせるだけだった。
猫の瞬きは信頼の証、というが、どうもうちの場合は、人間の言葉にすれば「別に」って感じだった気がする。
無視、とかじゃなくて、声に出して「別に」という。
ここ数年はもう馴れたもので、近寄っても逃げなかった。
あまり高い場所にも登らなくなった。
夜中、一人で居間にいてテレビなんか見てると、そっと覗きに来てうろうろ机の周りを2~3周した後、膝に乗っかってきてくれた。
なんだかそれは帰省するたびの恒例になっていた。
兄と一緒に昼寝してるところ。
わざわざ人のコップで水飲んだりする。
油っぽいものに目がなかった。
元気がなくなってから、弟分のモモはプーにぴったりと寄り添っていた。
母の話だと、体中ベタベタになるまで寝続けるプーを舐めていたらしい。
そして亡くなってからは、その亡骸の上に重なるようにして乗っかり、離れなかったそう。
人間を信用しなかった猫が、何年もかけて人間を信用して、最後は母の腕の中で亡くなってくれた。
わたしが上京してからずっと母と父と一緒にいてくれた。
信用も愛情も、与える対象次第なわけで… プーはそういったものを、子供がいなくなった我が家に与え続けてくれた。
ありがとう、忘れないからね。
安い言葉だけど本当にそれしかない。感謝しかない。
そうしてプーのことを思い出すと、目をパチクリさせて「別に」って言ってそう。
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風景を切りとる写真のセンスも素晴らしいですね。
長いあいだ一方的に楽しませていただいてばかりなので、
ひとことお礼を言いたくなりました。
どうぞ、ご活躍を…!
このブログの地獄のようなコメント欄に一輪の花…
お礼なんて、こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます。
たまに、何のためにこのブログ書いてるのかな~と思うことがありますが、そう言って頂けると「読んでくれている方もいるんだ」と励まされます。
これからもよろしくお願いいたします。