ちくわブログ

ちくわの夜明け

俺のダース・ベイダー

2020-11-30 07:22:21 | しゅみ道

中3の頃。
なかなかのバカだったが、バカなりの夢があった。
いくつかある夢の一つが、ダース・ベイダーの「中の人」であるデヴィッド・プラウズに会いたい、というものだった。


ダビングしたVHSテープで観るスター・ウォーズに夢中だった。
中でもダース・ベイダーのかっこよさに。
今でもだけど。
どの作品でも、ダース・ベイダーは素晴らしくかっこいい。

圧倒的悪 → 運命を揺るがす悪 → 迷いのある悪

作品ごとに違う表情があった。
マスクや衣装は同じでも、身振り手振り、演技に表情があった。
英語は0点を取っても(マジで取ってた)、セリフだけじゃない演技が確かにあった。

 

21歳になった。
上京して間もなく、フィギュアブームとスター・ウォーズ/エピソード1公開の波に乗って、デヴィッド・プラウズ氏が来日した。
あっけなく夢がかなった。
めちゃくちゃ緊張して吐きそうになった。
お気に入りのライトセーバーにサインを貰おうとした。

しかし、それには既に以前の保有者がしてもらったものだろう、サインが書かれていた。
でも、自分の目の前で、私にサインをしてほしかった。

氏は「これにはもうサインがしてあるじゃないか」と。
私は緊張で震えながら「もう一度私のために書いてくれませんか」とかなんか、そんな事を言った。
氏はヤレヤレといった感じで、サインの上からサインをなぞった。
それでもう満足だった。

数時間後。
サイン会終わりの時間に、もう一度見に行った。
お店(会場)のすみでじとっと見ている私に、デヴィッド・プラウズ氏が手招きした。

無言で、さっきのサインとは反対側に、「May the Force be with you」とメッセージ付きでサインをくれた。

嬉しくて嬉しくて、感動して「ありがとうございます!ありがとうございます!」と舞い上がっている私に、氏は「まだインクが乾いてないから触らない方がいいぞ」と言った。

 

その後。
デヴィッド・プラウズ氏は何度か来日した。
その度にサインを貰いに行った。

色んなグッズにサインを貰った。

 

夢見るバカも30歳。
最後にお会いしたのは2008年の『スター・ウォーズ セレブレーション・ジャパン』という大きなイベントだった。

今まで沢山のグッズにサインを貰った。
今回は何か謝意を伝えたい、と『時計仕掛けのオレンジ』のDVDを持っていった。
氏はこの作品に、ジュリアンというマッチョ男の役で出演している。

ダース・ベイダーのあなたに会いに来たんじゃないんですよ、デヴィッド・プラウズという俳優に会いに来たんです、と伝えたかった。
氏はいつものサイン会では見せないような笑顔で、サインを書いてくれた。

その笑顔を見て「ああよかった、謝意や敬意が伝わったかな!」と思って嬉しくなった。

 

 

先日、デヴィッド・プラウズ氏が亡くなった。

誰がやっても同じなんて言わせないし、誰も言えない。
デヴィッド・プラウズこそダース・ベイダー。


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2 コメント

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通訳でした (アビイ)
2020-11-30 18:30:59
ライトセーバーへの重ねがき、覚えています 貴重な瞬間でした 日本のファンは本当に特別だ、と、よくおっしゃっていました 日本一のプラウズさんファンですね 感動しました ありがとうございます
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Unknown (ちくわ)
2020-11-30 20:12:10
アビイさん本当にありがとうございました。
あの日、暑くてアビイさんが汗だくになりながら、「また入ってもいいですか?」と聞いたら「いいですよ!」と言ってくれたのを覚えています。

その後も何度かお会いしましたね!
また何かの折にお会いできる事を楽しみにしています。
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